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「奈良」のかわいい方言一覧|いらん/おとろしい/ねまる/ほんだら

更新日:2024年02月17日

雑学・歴史

奈良と言えば、「古都」として京都と並んで双璧をなす県です。おっとりとして、隣の京都とも違う感じだし、せわしない大阪ともちょっと違う雰囲気を醸し出しています。ということは方言も色々違う?今回は、奈良の方言についてご紹介いたします。

とごるというのは「お茶がとごっとる」「味噌汁がとごってる」という風に使います。これを標準語に直してお伝えしたいのですが、実はあてはまる単語がありません。 由来は「滞ってる」ということで、例えば飲まずに置いておいたお茶が湯呑みの底に沈殿していたり、溶け切らなかったお砂糖や何かがコップの底にふんわりとした状態で沈殿していることを「とごる」と表現します。この「とごる」という方言が標準語ではなんとも言えず、歯がゆい思いをする方もいます。

とても可愛い奈良の方言紹介

聞いてるとなんだか和んでしまうような奈良の方言を、いくつかご紹介します。 かたげる=(荷物などを)背負ってくること。 「これかたげてくんか?」=これを担いでいくの? しらこい=白々しい。 「その態度はしらこいわー」=「その態度は白々しいよ」 は(ん)がい=ムカつく、腹が立つ。 「あの先生はんがいわー!」=「あの先生ムカつく!」 ※この言葉は、教師と警官のみが対象となります。 いらち=気の短い人や、怒りっぽい人のこと。 「いらちな先輩やなあ」=「怒りっぽい先輩だなあ」 ぬくい=あたたかい 「今朝はぬくいなあ」=「今朝はあたたかいね」 標準語よりどことなく穏やかに可愛く響いて、ちょっと使いたくなっちゃいます。

同じ関西圏でも違う?京都・大阪と奈良の方言

グーパーの掛け声

みなさんはジャンケンの「グーパー」の時にどういう掛け声を使っていたでしょうか。大阪では「グッパでもって、いんじゃんほい!」、京都では「グッパで組んでも 文句なし、しのしのし!」になります。奈良になると「グッパー、グッパー、グッパッパー!」という掛け声に変わります。

全体的に音が違う?京都・大阪・奈良の方言

京都の方言は基本的に、穏やかに聞えてくる文章が多いです。これは「長母音(ちょうぼいん)」やウ音便(うおんびん)が京都弁に多いからと言われています。 長母音というのは母音を伸ばす状態のことで、トケイやコウコウなどが具体例として挙げられます。ウ音便は言葉の中や語尾に使われているク・グ・ビ・ミなどの音がウに変化することを言い、「買った」が「こおた」になったり、「言った」が「ゆうた」になったりします。そういった方言が他の地域より多いため、優雅に聞こえてくるのでしょう。 加えて、京都では「蝉が鳴いてる」という日常的な文章にも「蝉が鳴いてはる」と敬語を使うので、優雅な響きがさらに優雅に聞こえてくるのです。 大阪の方言も様々なものがありますが、母音がとても明確に発音されるのでとてもハツラツとした印象を受けます。地域によっては、まるで喧嘩を売ってるように聞こえてきてしまう程に、勢いのある方言が多いです。 また、「~です」が「~だす」や「~でおます」になったり、「~しますか」が「~しまっか」になったりと、文末が変化することが多くあります。 奈良は、京都弁同様にウ音便が多いので、少々穏やかな響きに聞こえてきます。ザがダになったりゾがドになったりするので、時折可愛らしく響いてきて、好印象を受ける人も多いです。

奈良の方言の特徴

奈良弁は、大和弁(やまとべん)とも言われています。かつて4~7世紀の頃、この地で大和朝廷が築かれ、日本国家の中心となっていました。その大和の地である奈良の地で使われてきた方言ということです。 8世紀末に始まった平安時代より後には京と大阪、そして伊勢と高野を結ぶ街道筋として栄えたため、奈良盆地がある北中部は京都や大阪ととても似通った方言が使われています。言語学者である楳垣実(うめがきみのる)は、奈良の方言について「京言葉を下地に大阪弁の上塗りをしたような状態」であると言っているほどです。

奈良の方言のあいさつ

文字にしてみると、あまり変わらないように見えます。奈良県でも、「こんにちは」は「こんにちは」ですし、「ありがとう」は「ありがとう」と言います。 ですが、イントネーションが違ってきます。標準語では「こんにちは」は「ン」が高くなりますが、奈良だと「ン」と「ワ」が高くなります。 また、標準語だと「ありがとう」は「リ」が高いですが、奈良弁だと「ト」が高くなります。「すみませんが」と質問する時は「すんませんが」と、少し形が変わります。

奈良は昔の都の地

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初回公開日:2017年08月19日

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