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履歴書における教員免許の書き方|教員免許の取得予定・見込み

更新日:2025年03月05日

書類選考・ES

就職や転職の際、教員免許はどのように扱うとよいのでしょうか。せっかく手に入れた資格。有効に活用したいですね。本記事では、履歴書への教員免許の書き方や正式名称、交付機関は記載すべきか?履歴書に教員免許を書かないほうが良い場合はあるのか?について紹介します。

自分の強みとして「勉強熱心さ」を打ち出す場合、教員免許は格好のアピール材料です。教職課程では、通常の単位数に加えて教員免許取得のために多くの単位を必要とします。そのため、「教職課程をとる学生にはコツコツ勉強する真面目なタイプが多い。地味な仕事も頑張ってくれそう」と評価する一般企業の採用担当者も多いのです。もちろん履歴書の資格欄に記入するだけでなく、論理的に組み立てられた自己アピールが必要です。

教員免許が強みになる職種とは?

教員免許を持っていると有利に働くことがある職種がいくつかあります。たとえば以下のようなものです。 子供たちの成長をさまざまな面からサポートする学校運営 塾や予備校講師、家庭教師などの教育関係 教科書出版 教師とコミュニケーションをとりながら情報収集や受注をする学校対応の文具メーカー ターゲットが子どもである玩具メーカー 社員研修の講師 塾講師や家庭教師は教員免許が必須というわけではありませんが、教え方や子どもの扱いに慣れているなどの面から保護者には安心材料となります。また、教科書出版や学校・子供関係の仕事では、教育免許取得のために勉強した教育関係の知識が生かせるはずです。採用の最終段階でどちらか一人の応募者に絞る場合、教員免許を取得するまでの努力が評価され、有利になることもあります。自分が取得した免許に自信を持ってアピールしてみてください。

教員免許を不利にしない、履歴書や面接での自己アピール

一般企業から別の企業への転職の場合、教員免許に必ず触れなければならないわけではありません。しかしとくに新卒の方の中には、教員免許を自己アピールに使いたいと考える方もいるのではないでしょうか。面接の場で「この後、教員採用試験に合格したら教員になるんでしょ?」、「なぜ教員ではなくウチなの?」などとネガティブな質問をされたときこそ、逆にチャンスです。教員免許をいかに応募先企業に活かせるかをアピールしましょう。一番大切なポイントは、相手に志望度が低いと思わせないことです。

教員免許を応募先企業でどう活かせるかを履歴書に書く

教員免許を生かせそうな企業に応募する場合は、履歴書の資格欄に「教員免許取得」と書くだけではなく、履歴書の志望動機や自己アピール欄の内容を教員免許に絡めるのも効果が大きいです。 そのためには、まずしっかりと自己分析をし、教員免許取得のために勉強したことを応募先の企業でどう活かせるかを書いていきましょう。応募先への志望度が低いとは思わせない志望動機の書き方例を下記に紹介します。

志望動機の書き方

■新卒採用の場合 (エンジニア志望) 「理系専攻ですが、人を教えることに興味があったので、せっかくならばと考え教職課程をとりました。(1)教職課程、とくに教育実習ではなかなか話を聞いてくれない小学生たちに算数の面白さを教えることで、「まず相手のことを知り、相手に合わせなければ教えることはできない」と学びました。(2)貴社ではこの経験を活かして、まず相手の話を聞き、ニーズを汲み取ってプログラムに反映させられるエンジニアを目指していきたいと思います。(3)」

■転職の場合 (前職:中学校教員→応募職種:児童向け英語教育) 「子どもの教育に関わりたいという気持ちから、中学校(英語)の教員免許を取得し(1)、英語科の教員として公立中学校に勤務しました。子どもたちと関わった3年間の経験から、現在の子どもたちの英語教育に不足しているものに気づき、さらに決められたカリキュラム内で英語の面白さを伝えていくには限界があると感じました。(2) 今後は、教科書に決められた範囲の教えにとらわれず、もっとさまざまな角度からより良い英語教育を突き詰めて生きたいと考え、貴社を志望いたしました。これまでの経験を、プログラムやカリキュラムの開発などに反映させ、「学校では教えてくれない面白い英語」をテーマに、貴社の教育事業の更なる発展に貢献できればと思います。(3)」

★ポイント (1)どうして教員免許を取得したのか、(2)教職課程において何を身につけたか、(3)それを応募先でどう活かしていくか、この3つのポイントを押さえることで、応募先への志望度が高いことを印象づけています。新卒採用の場合は、まだ社会人としての経験がないため、考え方や理念といったものをみられる傾向にあります。一方、転職の場合は、前職での経験などを具体的に盛り込む必要があります。

教員にならなかった理由の答え方

無事に書類選考を通過し、面接の際、採用担当者から「なぜ教師にならないの(ならなかったの)?」という質問を受けることも少なくありません。この質問は、なぜ教員免許を取得したのに一般企業を受けるのかという採用担当者の素朴な疑問である場合がほとんどです。また、教員採用試験の合否は、一般企業の内定よりも後に決まるため、「第一志望は教職なのかウチなのか」を見極めたいという気持ちが含まれていることもあります。 こういった場面では、教員になるつもりはなく、応募先企業に就職したいという熱意をきちんと伝えることが必要です。その際、教員や学校を批判することは絶対にNG。マイナスな発言は、自分を否定することにもなってしまいます。下記の回答例を参考に、志望度が高いことを伝えるための回答を考えてみましょう。

理想的な回答例

■新卒の場合 〇「もちろん子どもは好きですし、教育実習もとても充実したものでした。しかし、夏休みにホテルでアルバイトをした際、接客業にとてもやりがいを感じ、教員よりも接客業への興味が強くなりました。そんな折、貴社を訪問した際、フロントの方のきめ細かな対応に心を打たれたことがきっかけとなり貴社を志望いたしました。 教職課程で学んだ人との接し方は、子どもに対してだけでなくゲストの方やスタッフ間でも通じるものだと思います。人と人とのコミュニケーションの中で、顧客のニーズを見抜き、質の高いサービスを提供できればと考えております」 ■転職の場合 〇「教員免許は、一般企業に就職するとしても、自分のスキルとして身につけたいと思い、取得しました。 大学卒業後、〇〇食品会社に入社し、営業部配属となりました。営業では、顧客の声に耳を傾け、ニーズを探るという点で、教職課程での学びがとても役に立ったと思います。営業職をする中で、顧客のニーズをすくい上げる、一からの商品作りをしたいと思うことが多くなり、マーケティングに興味を持つようになりました。社内で異動願いを出しましたが、ポジションが空く予定はなく、転職を考えました。 前職では、顧客のニーズを探る、新商品の開発に役立つ情報を集めるなどマーケティング職に通じる工夫を自然と行ってきました。現場で数字を扱いながら顧客の動向を考えてきたことは、貴社の業務に活かせると思います。貴社のマーケティングは、より専門的な分析を行うという点で興味深く、この度応募させて頂きました。 教員免許を取得したことは、現職でも活かせておりますし、貴社に採用していただいた際には、免許取得のために多くの単位を履修した過程での地道な努力が、消費者リサーチなどの際に役立つのではないかと思います」 ★ポイント 履歴書の志望動機と重なる点も多いかもしれませんが、面接では応募先への熱意を書面を超えた生の声として、どれだけアピールできるかが鍵となります。そのためには、教員採用試験を受ける予定はなく、応募先が第一志望である理由を、履歴書よりもさらに明確にすることが必要です。転職の場合は、前職で教員免許がどう役立ったか、応募先では教員免許と前職での経験をどう活かすことができるかを説明できるようにしておきましょう。

NGな回答例

■新卒の場合 ✖「教育実習では、準備に時間がかかってしまい、なかなか十分な睡眠時間もとれませんでした。さらに、教員同士のコミュニケーションがうまくとれず、自分には教員が向いていないと感じたため、断念しました。学生時代、貴社の商品を愛用していたことから志望しました。一生懸命がんばります」 ■転職の場合 ✖「5年間小学校の教員をしておりました。子どもはかわいいと思いますが、教員の仕事はいくつもの仕事を同時進行しなくてはならず、精神的にも体力的にもきついと感じるようになりました。このままでは、生徒にも保護者にも申し訳ないと思います。一般企業のほうが、ひとつの業務に従事できると思い、貴社を志望しました」 ★ポイント 教員という仕事そのものや学校を批判してしまうのはNGです。一般企業でも教員と似た業務はたくさんあるので、採用してもすぐに挫折して退職してしまうかもと思われてしまいます。さらに、しっかりとした応募企業の分析がなされておらず、志望動機が浅いととられてしまい、批判一辺倒という印象になってしまいます。

自己分析をしっかりとした上で、志望動機を組立て、ポジティブな姿勢で就活に臨もう!

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初回公開日:2017年05月07日

記載されている内容は2017年05月07日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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