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「ご参考ください」の意味と正しい使い方|言い換えによる例文を紹介

更新日:2024年03月04日

敬語表現

ビジネスシーンでよく使われる「ご参考ください」の言葉は、正しく使わないと失礼に値する場合があります。この記事では、「ご参考ください」の意味や正しい使い方を、例文も混ぜて詳しく解説しています。ぜひこの記事を読んで、言葉を使いこなせるようになってください。

ビジネスシーンで多用されている言葉の正しい使い方がわからない人は多いのではないでしょうか。日本語には、一文字違うと意味が変わる言葉があったり、丁寧語と謙譲語で言葉そのものが違うものがあったりと、多種多様で難しいです。そんな中でも、上司や取引先、お客様への言葉遣いは特に気をつけたいところですよね。 この記事では、ビジネスシーンで多用されている「ご参考ください」の言葉の意味や使い方、例文、そして類語などを詳しく解説していきます。この記事を読めば、「ご参考ください」の言葉を正しく使いこなせるようになるでしょう。 日本語を正しく、そして丁寧に使いこなすことは、周りの人から感じがよいと評価される第一歩となります。ぜひ記事を最後までご覧ください。

「ご参考ください」の意味

「ご参考ください」は「ご参考」と「ください」が組み合わさった言葉です。よく聞く言葉ですが、意味をなんとなくで捉えている人も多い言葉です。次の項目では「参考」の意味を明確にし、そこから「ご参考ください」の意味を解説します。

情報の有効性を判断してもらうこと

「ご参考ください」の「参考」とは、そもそも情報の受け手側がその情報についての有効性を決めるという意味です。 すなわち、こちら側から何かの情報を提示したとしても、その情報がそもそも相手側には有益な情報であるのかは、不確定の情報を含んでいるという意味になります。 そのため、「参考ください」というのは、相手に対して考えや考え方などの情報のを取り入れてもらい、そのうえで情報に対する有効性を判断してもらうという意味をもちます。

「参考」情報は目に見えるものと見えないものがある

「ご参考ください」は、相手に考え方や考えを取り込んでもらい、その情報の有効性について考えてもらうという意味です。 そのため、文字や図などの情報についてではなく、その内容などについて取り入れてもらい情報の有効性を判断してもらいます。だから、「参考」の情報は、目に見えるものとは限りません。

ご参考くださいは日本語の用法として間違い?

「ご参考ください」という言葉は、日本語の用法としては誤りになります。よく資料などを配り際に、「ご参考ください」や「こちらを、参考してください」などと使う方も多くいますが、これらすべてが日本語の用法としては誤りになります。 よく、「参考する」などの言葉を使いますが、名詞である「参考」に動詞である「する」をつけて「参考する」という動詞にはなりません。 そのため、「ご参考ください」も「参考する」の敬語表現に当たりますが、「参考する」自体が日本語の表現として間違いであるため、「ご参考ください」という言葉も日本語の用法としては、間違いになります。

「ご参考ください」の正しい使い方

次の項目では、日本語の用法として誤っている「ご参考ください」の正しい使い方を紹介します。多くの場面で使用できる言葉なだけに、正しい使い方をマスターすれば、ビジネスシーンで活躍する言葉になります。ぜひご確認ください。

別添資料などの配布の際に使う

会議などで本題に関する資料などを配布する際にも、「この資料をご参考ください」などと言ってしまう方も多いですが、これは間違った日本語の使い方になります。 「参考」とはそもそも、相手方に情報の有効性についての判断を委ねる言葉のため、本題の資料については有効性はすでに決まっているため、「参考」という言葉はそぐいません。 この場合だと、「ご覧ください」や「ご参照ください」という言葉になります。「参考ください」を使うシーンとしては、別添資料などを配布したりメールなどに添付をする際に、「別添資料の方もご参考ください」のように使用します。

正しい日本語は「ご参考にしてください」

「参考ください」の正しい日本語の用法は、「参考にしてください」になります。「参考」と「してください」の間に「に」を入れることで、正しい日本語の用法の「参考にしてください」という言葉になります。 受け取る側としても、「参考ください」と同様で、よく「参考します」と言ってしまいがちですが、これも間違いです。正しくは、「参考にします」になるため、相手側から資料などを受け取った際にも注意が必要です。 「ご参考にしてください」や「ご参考ください」という言葉は敬語表現にはなりません。~してくださいとは、そもそも動作をするか否かについては、相手方に委ねる中立的な言葉になります。 そのため、敬語表現ではなく中立語表現になるため注意が必要です。「ご参考にしてください」や「ご参考ください」の正しい敬語表現は、「ご参考にしていただけませんか?」という表現になります。なぜ、疑問形になるのかは、次の項目で詳しく見てきましょう。

疑問形にすることで相手を立てた表現になる

「ご参考にしていただけませんか?」という疑問形の敬語を使用することで、あなたが提示する情報を相手に使っていただける栄に浴する立場であることを明確にすることができるため、相手方に対する敬意を表現することができます。 日本語の運用ルール上では、「~してください」は、自分の権限を行使して恩恵を与えるという意味合いがあります。 そのため、「ご参考にしてください」という言葉では、自分が得た情報を行使して相手方に恩恵を与えるという、自分が立場が上になってしまう表現となってしまいます。 そのため、相手に何か情報を提示する際には、「ご参考にしていただけませんか?」やこれよりもさらに丁寧な言葉の「ご参考になっていただけませんか?」のような否定疑問形の用法の言葉を使用することで、相手方を立てることができ、相手に不快感がなく伝えることができます。

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初回公開日:2017年04月03日

記載されている内容は2017年04月03日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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