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「後ろ倒し」とは?日本語として正しい?後ろ倒しの誤用例

更新日:2024年04月12日

言葉の意味・例文

日常的によく見聞きする「後ろ倒し」にするという表現。予定の日程を後ろにずらすときなどに使いますが、正しい表現なのでしょうか。本稿では、後ろ倒しの類語やこの使い方は誤用例など「後ろ倒し」の正しい意味と使い方についてまとめました。

後ろ倒しとは

予定を後ろにずらしたい時や、ずれてしまったときに「後ろ倒しになりました」なんて表現をしますよね。この「後ろ倒し」という表現は正しいものなのでしょうか。表現としてはとても丁寧だとは言えませんし、普通に「ずれてしまいました」、「ずらしましょう」と言ったほうが良い気がしますよね。まずは、「後ろ倒し」の意味についてまとめます。

後ろ倒し=時期をずらす、先送り。

後ろ倒しの意味は、予定されていた時期を先に延ばす場合や、先送りにする際に使用される言葉です。ということは、日常的に見聞きしていた表現方法は正しいものだったんですね。元々は「先倒し」に対して作られた言葉であり、後ろ倒しだけではなく、後だおしと表現することもあります。先倒しとは、予定を繰り上げる際に使う言葉なので、「後ろ倒し」の反対語です。

後ろ倒しは日本語として正しい?

意味が分かったところで、この「後ろ倒し」という表現は日本語として正しいものなのでしょうか。ここでは「後ろ倒し」という言葉が使われた由来をまとめました。

元々は先送りの言い換え語

就活が後ろ倒しになる、なんて表現をニュースなどでされていましたが、この「後ろ倒し」は新語であって定着しきっている言葉ではありませんでした。元々は「先送り」という言葉が用いられており、最近になって「後ろ倒し」という言葉が普及してきました。この言葉に異を唱える人もちらほらいますが、大辞書と呼ばれる「goo」や、他の大辞書に掲載された事もあり、正しい表現として認められています。

先送りから派生したが、こちらも正しい言葉ではなかった

先送りの反対語として「後ろ倒し」という言葉が生まれた、と紹介しましたが、そもそも「先送り」という表現自体存在しなかったものでした。なぜ、この言葉が生まれ、日常的に用いられるようになってしまったのかを説明します。元々の「先送り」の意味として用いられていたものは「繰り上げる」でした。ニュース等でも「繰り上げる」という表現が主だったのですが、1973年ごろに官僚が「前倒し」という表現を使ったことによって普及されていきました。これは辞書の注釈にものっています。 要は政治家や官僚の業界用語だったものが、ニュース等で露呈していき、使いやすさもあったので使われるようになったのです。ここから1979年の国会議事録に「繰り下げ」ではなく、「後ろ倒し」という表現が登場し、徐々に普及して今に至る、というのが言葉の由来になります。 どちらの言葉も今では辞書に載っている表現ですので、間違いだ!と指摘するのは少しおかしいですね。辞書に載ってしまえばおかしく感じる表現でも、正しいものになってしまいますので違和感を感じるものはあるのだと思います。

後ろ倒しの類語とは

後ろ倒しは正しい表現ではあるが、まだ完全には浸透していない言葉ということがわかりました。浸透していない言葉ですし、使うことで不快感を与えてしまう可能性もありますよね。ここでは、「後ろ倒し」と同じ表現のできる類語をまとめました。

類語に当たるもの

繰り下げ、延期、ずらす、遅らせる、順延、期日の見直し これらが後ろ倒しの類語になります。繰り下げはもちろん、延期やずらすという表現のほうが使用することは多いかと思います。

後ろ倒しの間違った使い方と正しい使い方

次のページ:正しい表現ではある、でも使いどころに気を付けて!
初回公開日:2017年04月03日

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