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「これに懲りず」の意味・別の言い方|ビジネスでの使い方と例

更新日:2024年09月23日

言葉の意味・例文

これに懲りずこれからも・・・襟を正し、平身低頭な自分を体現しつつ口にしてとことん謝っているつもりになっていませんか?実はこれ大変失礼な言い方だったんです。これに懲りずってどんな意味だったの?何がいけないの?どう言えばいいの?今回はこの点に注目してみました。

懲りずに使い続けますか?

謝罪会見が多い昨今、プライベートな場ではもちろんビジネスでも謝るべき状況が多々あります。そんな時たまに耳にする「これに懲りずにこれからも・・・」という言葉に違和感を感じませんか?なんだか心から謝っている気がしない、謝られている気がしない、このモヤモヤした感じはなんだろう、と。 それでは今まで自分も何気なく使用していたかもしれないこの意味を確認してみましょう。

懲りるのは誰?

これに懲りずに、と言うためにはまず「懲りる」を理解しなければいけません。小チャンスに辞書を覗いてしっかり確認しておきます。想像しながら読み込んでみるとこれは要約して、自分で撒いた種で嫌な思いをしてテンションだだ下がり、二度と同じ思いをしたくない、こんな事に関わりたくない、という感情を表しています。

懲りる ( 動ラ上一 ) [文] ラ上二 こ・る ある事をした際にいやな目にあって、再び同じことをする気力がなくなる。 「失敗に-・りる」 「 - ・りずにまたやって来る」 大辞林 第三版 懲りる [動ラ上一][文]こ・る[ラ上二]失敗してひどい目にあい、もうやるまいと思う。「二度の失敗ですっかり―・りた」 デジタル大辞泉

痛手を受けて,もうやるまいと思う.

つまり懲りているのは種を撒いて失敗「した」り、そのせいで嫌な思いを「した」、他ならぬ「自分」であって、その失敗を巻き込んだ「自分」に辟易しているネガティブな感情です。そんな「自分」や事態に懲りているのです。そんなわけで嫌な思いをさせた「他人」に「これに懲りず」とは当然出てこないはずです。「これに懲りずにこれからも・・」いったい誰が誰に懲りているのか?となります。 では、嫌な思いをさせてしまった相手に「これに懲りずに」とお願いするのはどれだけ違和感があるかという事かあらためて考えてみます。

これに懲りずにお越しください?!

想像しやすいシチュエーションとレストランのような場所を思い描いてみてください。そこであなたはフロアの接客サービスをしています。食事が終わったお客様のグラスが空になるのに気づいたあなたは速やかにおかわりをお持ちしました。そのサーブの速さにお客様は気づかすオーダーしようかと手を上げた瞬間にタイミング悪くピッチャーが当たって手がすべり、お客様に水をかけてしまいました。事故とはいえお客様は気分を害してしまいます。かなり怒っていて店内の空気は凍り付き、ついでに裏では店長に口うるさく言われ、周りのスタッフにも冷めた目を向けられます。 いち早く気づき行動し、たまたま運が悪かっただけでここまで追い込まれ、最悪の気分。そんな状況は懲り懲りですよね。だから懲りるべき、懲りているのは失敗でお客様の気分を害し怒らせてしまった、周りの信用も失ってしまった、失礼をしたあなた自身です。 それなのに、そのお客様がお帰りになる際「これに懲りずにまたお越しください」などと頭をさげてお詫びしたら「懲りるのはお前だ!これに懲りて二度と客前に出るな!」と言われるかもしれません。その日は黙ってお帰りになり後日再来店されたお客様にお水をお持ちしただけで「これに懲りずにまだいるのか、今度はかけるなよ。」と言われても仕方ないということになります。それもこれも使い方を間違えてしまったばっかりの悪循環、これは避けたいです。

更に言えばお客様に「懲りる」要素があるとしたらそれは、その店を選んでしまった事に対する後悔です。『これに懲りてもうこの店には来ない』、という使い方ですね。つまりもし、お客様に「これに懲りず・・・」と言ってしまったら結果的に店側の、被害を受ける事になった張本人から、店を選んでしまったお客様の失敗を指摘され「これに懲りずに」と言われている屈辱を受けているわけです。自分が言われたと思うと考えただけでムラムラしてしまいますね。

懲り懲りな例文

だんだん違和感を感じ始めたでしょうか。ここでは違和感が話題になっている中、これに懲りず周りにあふれている正解然とした中の一例を見てみましょう。親しみのあるところで誰もが知っている天下の日本郵便をピックアップしてみました。日本郵便らしく手紙で謝ろう、というご案内、ホームページ上で展開されているお手紙文例集をご紹介します。(あくまでも一例です、日本郵便に対し敵意は一切ありませんのでどうぞご了承ください)

これに懲りずにお付き合い

お詫び <失礼をわびる> ・・・ 昨夜はパーティーの席上で、○○さんに大変失礼なことを言ってしまったのではないかと気にかかり、大急ぎでペンをとった次第です。とくに深い意味合いはなく、思いつきのひと言だったのですが、○○さんのお気持ちを思うと、すまない気持ちでいっぱいです。自分の軽率さに、穴があったら入りたいほど恐縮しております。心からお詫び申し上げます。  今回の失態を教訓として、二度と同じ過ちを繰り返すことのないように肝に銘じます。  これに懲りず、今後ともよろしくお付き合いくださいますようお願い申し上げます。

これに懲りずに、またお誘いください

お詫び <違約をわびる> ・・・ 先日は約束をしていたにもかかわらず、お宅を訪問できなかったことを心からお詫び申し上げます。  お電話でもお伝えいたしましたように、急な仕事で、やむなく訪問を見合わせることになってしまいました。私自身もとても楽しみにしていただけに、残念でなりません。  ○○様の大切なお時間を無駄にしてしまったこと、大変申し訳なく存じます。  これに懲りず、またお誘いいただければ幸いです。  まずは取り急ぎ書中にてお詫び申し上げます。

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初回公開日:2017年04月02日

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