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「これに懲りず」の意味・別の言い方|ビジネスでの使い方と例

初回公開日:2017年04月02日

更新日:2017年06月02日

記載されている内容は2017年04月02日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

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言葉の意味

これに懲りずこれからも・・・襟を正し、平身低頭な自分を体現しつつ口にしてとことん謝っているつもりになっていませんか?実はこれ大変失礼な言い方だったんです。これに懲りずってどんな意味だったの?何がいけないの?どう言えばいいの?今回はこの点に注目してみました。

懲りずに使い続けますか?

謝罪会見が多い昨今、プライベートな場ではもちろんビジネスでも謝るべき状況が多々あります。そんな時たまに耳にする「これに懲りずにこれからも・・・」という言葉に違和感を感じませんか?なんだか心から謝っている気がしない、謝られている気がしない、このモヤモヤした感じはなんだろう、と。 それでは今まで自分も何気なく使用していたかもしれないこの意味を確認してみましょう。

懲りるのは誰?

これに懲りずに、と言うためにはまず「懲りる」を理解しなければいけません。小チャンスに辞書を覗いてしっかり確認しておきます。想像しながら読み込んでみるとこれは要約して、自分で撒いた種で嫌な思いをしてテンションだだ下がり、二度と同じ思いをしたくない、こんな事に関わりたくない、という感情を表しています。

懲りる ( 動ラ上一 ) [文] ラ上二 こ・る ある事をした際にいやな目にあって、再び同じことをする気力がなくなる。 「失敗に-・りる」 「 - ・りずにまたやって来る」 大辞林 第三版 懲りる [動ラ上一][文]こ・る[ラ上二]失敗してひどい目にあい、もうやるまいと思う。「二度の失敗ですっかり―・りた」 デジタル大辞泉

つまり懲りているのは種を撒いて失敗「した」り、そのせいで嫌な思いを「した」、他ならぬ「自分」であって、その失敗を巻き込んだ「自分」に辟易しているネガティブな感情です。そんな「自分」や事態に懲りているのです。そんなわけで嫌な思いをさせた「他人」に「これに懲りず」とは当然出てこないはずです。「これに懲りずにこれからも・・」いったい誰が誰に懲りているのか?となります。 では、嫌な思いをさせてしまった相手に「これに懲りずに」とお願いするのはどれだけ違和感があるかという事かあらためて考えてみます。

これに懲りずにお越しください?!

想像しやすいシチュエーションとレストランのような場所を思い描いてみてください。そこであなたはフロアの接客サービスをしています。食事が終わったお客様のグラスが空になるのに気づいたあなたは速やかにおかわりをお持ちしました。そのサーブの速さにお客様は気づかすオーダーしようかと手を上げた瞬間にタイミング悪くピッチャーが当たって手がすべり、お客様に水をかけてしまいました。事故とはいえお客様は気分を害してしまいます。かなり怒っていて店内の空気は凍り付き、ついでに裏では店長に口うるさく言われ、周りのスタッフにも冷めた目を向けられます。 いち早く気づき行動し、たまたま運が悪かっただけでここまで追い込まれ、最悪の気分。そんな状況は懲り懲りですよね。だから懲りるべき、懲りているのは失敗でお客様の気分を害し怒らせてしまった、周りの信用も失ってしまった、失礼をしたあなた自身です。 それなのに、そのお客様がお帰りになる際「これに懲りずにまたお越しください」などと頭をさげてお詫びしたら「懲りるのはお前だ!これに懲りて二度と客前に出るな!」と言われるかもしれません。その日は黙ってお帰りになり後日再来店されたお客様にお水をお持ちしただけで「これに懲りずにまだいるのか、今度はかけるなよ。」と言われても仕方ないということになります。それもこれも使い方を間違えてしまったばっかりの悪循環、これは避けたいです。

更に言えばお客様に「懲りる」要素があるとしたらそれは、その店を選んでしまった事に対する後悔です。『これに懲りてもうこの店には来ない』、という使い方ですね。つまりもし、お客様に「これに懲りず・・・」と言ってしまったら結果的に店側の、被害を受ける事になった張本人から、店を選んでしまったお客様の失敗を指摘され「これに懲りずに」と言われている屈辱を受けているわけです。自分が言われたと思うと考えただけでムラムラしてしまいますね。

懲り懲りな例文

だんだん違和感を感じ始めたでしょうか。ここでは違和感が話題になっている中、これに懲りず周りにあふれている正解然とした中の一例を見てみましょう。親しみのあるところで誰もが知っている天下の日本郵便をピックアップしてみました。日本郵便らしく手紙で謝ろう、というご案内、ホームページ上で展開されているお手紙文例集をご紹介します。(あくまでも一例です、日本郵便に対し敵意は一切ありませんのでどうぞご了承ください)

これに懲りずにお付き合い

お詫び <失礼をわびる> ・・・ 昨夜はパーティーの席上で、○○さんに大変失礼なことを言ってしまったのではないかと気にかかり、大急ぎでペンをとった次第です。とくに深い意味合いはなく、思いつきのひと言だったのですが、○○さんのお気持ちを思うと、すまない気持ちでいっぱいです。自分の軽率さに、穴があったら入りたいほど恐縮しております。心からお詫び申し上げます。  今回の失態を教訓として、二度と同じ過ちを繰り返すことのないように肝に銘じます。  これに懲りず、今後ともよろしくお付き合いくださいますようお願い申し上げます。

これに懲りずに、またお誘いください

お詫び <違約をわびる> ・・・ 先日は約束をしていたにもかかわらず、お宅を訪問できなかったことを心からお詫び申し上げます。  お電話でもお伝えいたしましたように、急な仕事で、やむなく訪問を見合わせることになってしまいました。私自身もとても楽しみにしていただけに、残念でなりません。  ○○様の大切なお時間を無駄にしてしまったこと、大変申し訳なく存じます。  これに懲りず、またお誘いいただければ幸いです。  まずは取り急ぎ書中にてお詫び申し上げます。

前項の例で説明するとここで懲りるべきはどちらも手紙を書いている本人です。暴言を吐いた自分であり、違約をした私自身です。それなのに失礼をしてしまった相手に対して「これに懲りず付き合ってください」、「これに懲りずまた誘ってください」と言っている、『自分なんかをパーティーに誘って暴言を吐かれ不快になった、誘わなきゃ良かったという失敗』や『私自身の約束を受けてしまい時間を無駄にした、こんなことなら約束受けなきゃ良かったという失敗』をした謝るべき相手に「そんな失敗したからって懲りるなよ」と言っているようなものです。火に油とはまさにこの事、まったくお詫びになっていないし更に失礼をしています、しみじみそう思いませんか。

これに懲りて正しく謝りたい

そう考えるとこれに懲りずに、というのはなかなかお詫びで使う機会はなさそうですし、理解している相手に使ったら逆効果な上評価まで下がりそうです。となるとお詫びする必要がある場合はなんと言い換えればいいのでしょう。ビジネスシーンや目上の方には本当に使えないのでしょうか。

懲りた気持ちを表現したい

今後のおつきあいが重要なビジネスシーンや目上の人に対して失態をしてしまいお詫びする場合、「今回のミスを自省し懲りました」という強い意志を表現し、心から謝りたいところです。 そこで「このような失礼をし本当に自身、嘆かわしく感じております。二度と同じ事が無いように誠心誠意努めてまいります。大変申し訳ございませんでした。」こんな風に相手を敬った言い方はどうでしょうか。失敗したのは自分であり、しかもしてはいけない相手に対してだと自覚している、あなたはそれ程重要な相手だ、と感じます。ここに「今後ともどうぞ・・・」と続ければこれっきりになる可能性はかなり減りそうです。

懲りた自分を反省する

それでも友達や後輩、目下にあたる相手に詫びるのなら自分が懲りた事を伝えるために「何度も失敗しているのにこれに懲りずかまってくれてありがとう。もうこんな思いはさせないようにします、ごめんなさい。」といった使い方ができる場面もありそうです。悪いのは自分、本当に申し訳なかった、という真摯さを心底丁寧に伝えるにはストレートでわかりやすく、表情が伴えばむしろ有効ですよね。 ほかに目上の方に対してでも、何度やってもうまくいかない自分が叱責された時「これに懲りずに諦めないで練習します!」とか、どうしても手に入れたくて何度もお願いして断られ呆れられ追い返されそうな時「これに懲りずにまた伺います!」などと強い意志を表す方法もあります。

懲りない有効利用

推奨はしませんがあえての悪用方法も提案しておきますと、関わりたくない相手に嫌われたり避けられたりするためにわざと迷惑をかけて「これに懲りてもう声かけないでくださいね、また同じ目に合いますから。」などと謝っているようにみせかけて、相手を遠ざける嫌味な使い方をしてはいけませんよ。どこで誰が見ているか、聞いているかわかりません。そんな使い方をして懲りるのは結局あなた自身なのです。

これに懲りて正しい謝罪をいたしましょう!

今まで気づかず聞き流していたこの一言、何かのタイミングで目にしても引用しないよう認識したいものです。他の人が使っていたり、自分に向けて言われた時も納得しながら受け流せます。これに懲りて今後は恥をかくこと無く胸を張ってきちんと謝ることができますね。たとえどんな窮地に立たされても動揺せずに落ち着いて、素直で率直な言葉で謝リましょう。 「本当に反省しています。もうしません、ごめんなさい。」 これに勝る謝罪はありません。

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