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「お休みさせていただきます」の正しい敬語表現・使い方と例

更新日:2024年02月11日

敬語表現

体調不良やよほどの急用で、やむなく休みを取るときの連絡によく使われる表現が「お休みさせていただきます」というものです。一見すると二重敬語のようですが、この表現や使い方は果たして適切なのでしょうか?やや妙な「お休みさせていただきます」についてみてみましょう。

やむなく休むときによく使われる「お休みさせていただきます」

ある日の朝、あなたが起きようとするとなんだか体が熱くて頭痛までする状態です。熱を測ってみたら38度5分、とても会社に出かけて勤務できるような体調ではありません。 そこで、会社に電話で欠勤の連絡をすることになります。たいがいの人が「申し訳ありませんが、熱が38度5分あり、とても出勤できる状態ではないため、お休みさせていただきます」という風に伝えるでしょう。 しかし、ここで使われている「お休みさせていただきます」という言い回し、どこか妙に見えませんか?なんだか二重敬語のようにも見えますが、一方で自分がそれを報告する相手である会社の人間に対して何歩も譲っているようにも見えます。今回はこの一見奇妙そうな「お休みさせていただきます」という言い回しについてみていきましょう。

「お休みさせていただきます」は敬語としてOK?

体調不良の時や急用の時の連絡は常識

体調不良や急用などで会社勤めやアルバイト、学校の授業(特に必修のもの)などを休まなければいけないときに、職場の上司や学校の先生などに休む旨を伝える連絡をすることは常識です。むしろ、これをやらないと無断欠勤(いわゆるバックレ)や無断欠席ということにもなり、上司や先生の方も心配になるうえ、災害等でもないのにわざわざ安否確認のための連絡するということをする羽目になります。

「お休みさせていただきます」は適切な表現なのか?

さて、ここで上司や先生に連絡する際、ほとんどの人は「〇〇のため、今日はお休みさせていただきます」と伝えることでしょう。 しかし、この「お休みさせていただきます」という表現、たしかに敬語の体裁をとっているのですが、はたして正しい敬語表現といえるのでしょうか?

結論から先に言いますと、実は不適切な表現です。というのも、まず休む主体は自分であるにもかかわらず、「お休み」といっているからです。基本的に敬語、特に尊敬語では「お」や「ご」が動詞や名詞の頭につく場合、自分よりも目上の人間に対する敬意を示しています。 そのため、自分が休むのに「お休み」という言い方をするのは不適切なのです。

さらに、「~させていただく」という表現もこのケースでは不適切な使い方です。というのは、「~させていただく」というのはすでに許可を得ている場合や、相手の提案や要望、指示を受けて行動する場合に使われる表現だからです。 そして、「~させていただく」という表現には自分の強い意志が反映されています。そのため、休みの許可や承認が必要な時に「お休みさせていただきます」と伝えるのは、かえって上司や先生に対して失礼な態度といえるのです。

「お休みさせていただきます」の適切な敬語の表現は?

それでは、「お休みさせていただきます」の適切な敬語表現とはいったいどのようなものでしょうか?先ほど見てみたポイントを踏まえると、「お休みします」や「お休みいたします」、「休みをいただきます」という表現が適切のようです。

「お休みします」の場合

ここでの「お休み」は、休みを美化した形です。 報告する相手(会社の上司や学校の先生)に報告する体裁をとるために、休みの美化形である「お休み」という形を使っています。

「お休みいたします」の場合

休みの美化形である「お休み」と、「する」の謙譲語である「いたします」を組み合わせて使っています。 このような体裁をとることで、報告する相手に対して休みを取る自分がへりくだる形をとっています。

「休みをいただきます」の場合

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初回公開日:2017年04月03日

記載されている内容は2017年04月03日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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