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「送ってください」を丁寧に言い換えるには?ビジネスメールの例文も紹介

更新日:2024年10月17日

敬語表現

ビジネスシーンで使う機会が多い「送ってください」の正しい使い方はご存じでしょうか。本記事では、「送ってください」の丁寧な言い換え表現や実際にそれを使ったビジネスメールの例文を紹介しています。「送ってください」を活用したい方は、是非チェックしてみてください。

ビジネスシーンでは、相手から何かを送ってもらうための依頼をする場面が多くあります。 「取引先のパンフレットをもらいたいが、『送ってください』とメールしたらいいんだろうか」 「上司に『資料を送ってください』とメールしたら、失礼だと言われてしまった。どう書いたら良かったんだろう」 送ってほしいという依頼をするにあたっては、こうした多くの疑問や不安があるのではないでしょうか。 本記事では、「送ってください」という言葉を取り上げ、実際に使用する場合にはどのような点に気をつけたら良いか、敬語表現ではどんな言い回しになるのかを紹介しています。 この記事を読むと、「送ってください」を使う場合に必要な敬語表現、相手への敬意を込めた言いまわしを知ることができます。その知識を元に、失礼のないビジネスメールを作成できるようになるでしょう。 「送ってください」を正しく使いたい方は、是非この記事をチェックしてみてください。

「送ってください」の意味

仕事をしていると、物や書類、メールやFAXなど、必要な物や情報を送ってもらう機会が良くあります。特に事務作業などをされている方は、こうしたやり取りが日常的に必要です。 品物や書類、FAXといった形のある物や、データなどの形のない情報を送ってもらうためには、「送ってください」という言葉を使います。何かを送ってほしいときには、電話やメール、対面でのやり取りの中で「送ってください」という希望を、必ず伝えなければなりません。でなければ、相手は「取りに来てくれるのだろうか」と思ってしまうかもしれないからです。 「送ってください」を使わなくては、何かを送ってほしいという意図が相手に伝わりません。そのため、良く使う言葉なのですが、使い方を間違うと失礼な言い方になる事もあるので注意しましょう。

「ご送付」に言い換えが可能

「送付」という言葉があります。「送付」とは「物あるいは書類などを送り届ける」という意味です。したがって、「送ってください」という言葉は、「ご送付ください」と言い換えることができます。 「ご送付下さい」は「送ってください」の尊敬表現です。対面での会話や、友人同士など親しい人とのやり取りで使うことは、あまりありません。しかし、ビジネスシーンでは日常的に使われる言い回しです。 ただし、「ご送付してください」や「ご送付なさってください」という表現は、間違っているので注意しましょう。 「ご送付願います」は敬語表現としては正解ですが、「願います」という言い切り方が、相手を敬っていないような印象を与えかねません。ことに、目上の人に対しては、「ご送付くださいますよう、お願いいたします」などのように、より丁寧な表現を心がけましょう。

「送ってください」の丁寧な言い換え敬語

「送ってください」という言葉は、ビジネスシーンでそのまま使っても問題ないように聞こえる表現です。たしかに、「くれ」の丁寧語である「ください」を使っているので、目上の人に使っても構わないように思えます。 「送ってください」をそのまま使うのは良くありません。「ください」はあくまでも「くれ」の丁寧語であり、相手への敬意を込めた尊敬表現や謙譲表現とは違います。丁寧語は文章全体をもっと丁寧にするために文末に付ける言葉です。 また、元になる「くれ」が命令語であるため、一方的にいいつけられているような印象を相手に与えてしまいます。「送ってください」と言われると不快に思われる方もいることでしょう。とくに、目上の方や役職が上位の方に対して使った場合、「失礼じゃないか」と怒ってしまう方がいるかもしれません。 敬意を払わなければならない相手には、「送ってください」をより丁寧な敬語表現で使う必要があります。どんな言い換え敬語があるかを見ていきましょう。

①お送りください

「お送りください」は「送ってください」をより丁寧にした表現です。 「送ってください」は相手にお願いをするときに使う言葉なので、「送る」に尊敬語である「お」を接頭語として付けます。「ください」は「くれ」の丁寧語です。 したがって、「お送りください」は尊敬語と丁寧語を合わせた表現となり、「送ってください」よりも丁寧で、相手への敬意を込めた言い回しになります。敬語として、おかしな表現ではありません。 しかし、「ください」という命令語を使っているには違いないので、強い口調だと感じられてしまうことがあります。相手によっては、失礼な言い方をされたと受け取ってしまうかもしれないことに注意しましょう。 目上の人や上司、取引先の人などには、また別の言い換え敬語を使う必要があります。この後に、別の表現を紹介しますので、そちらもチェックしてみてください。

②お送りくださいませ

目上の人や、取引先が相手の場合には、「お送り下さいませ」という表現を使うと良いでしょう。 尊敬表現である「お送りください」に「ませ」を付けて、より丁寧な敬語表現にした言葉です。「ませ」は命令形ですが、丁寧語「ます」の命令形なので、敬語表現としてさしつかえありません。 また、「お送りくださいませ」とすると、語調が柔らかくなり、やさしい印象を与えることができます。「ください」は「くれ」の丁寧語なので命令形の意味合いを残してはいますが、「くださいませ」とすれば、相手に対して依頼する、懇願するといった気持ちを表すことができます。目上の人に使っても問題ないでしょう。 なお、「くださいませ」という表現は女性が使うことが多いため、女性専用の敬語だとされることもあります。しかし、男性でも女性でも使える表現なので、ビジネスシーンで使っていきましょう。

③お送りいただきたく存じます

「送ってください」を詳しく言うと、「送ってもらいたいと思います」という意味合いになります。「送ってもらいたいと思います」をより丁寧にすると、「お送りいただきたく存じます」となります。 「お送りいただきたく存じます」を文法的に見てみましょう。 まず、「送る」に尊敬を表す接頭語である「お」を付けます。「いただく」は「もらう」の謙譲語、「存ずる」は「思う」の丁重語です。最後に、丁寧語の「ます」を付けて、「お送りいただきたく存じます」となります。 丁重語という言葉がでてきましたが、丁重語とは、話を聞いている相手へ敬意を表したいときに使う敬語表現です。相手へ敬意を示すという意味では、自分の動作をへりくだって表す謙譲語と同じですが、別の分類となります。 いずれにせよ、正しい敬語表現なので、目上の人や上司、取引先相手にも使うことが可能です。ビジネスシーンで活用していきましょう。

④お送りいただければと存じます

何かを送ってほしい、と依頼するとき、相手に強制している印象を避けるために、「送ってもらえたら」という、やわらかいお願いの気持ちを伝えたいときがあります。「送ってもらえたらと思います」をより丁寧にした表現は、「お送りいただければと存じます」です。 「お送りいただければと存じます」を文法的に見てみましょう。 「送る」に尊敬の接頭語である「お」を付け、「もらう」の謙譲語である「いただく」と合わせれば、「お送りいただく」となります。これに仮定表現の「れば」を付けて「お送りいただければ」です。「存ずる」は「思う」の丁重語で、そこに丁寧語の「ます」を付けると「存じます」になります。 このように、「お送りいただければと存じます」というのは、とても丁寧な敬語表現なので、ビジネスのあらゆる場面で使うことができます。

⑤お送りいただければ幸いです

「お送りいただければ幸いです」も、「送ってください」の丁寧な言い換え表現として使うことができます。意味は「送ってもらえたら幸せです」となります。「送ってもらえたら嬉しいです」という気持ちの表れにもなります。 これも、相手に「強制されている」と感じさせないための、やわらかな依頼の表現です。 「お送りいただければ」は「送ってもらう」の謙譲表現で、ここに「幸い」と丁寧語の「です」を付けて、「お送りいただければ幸いです」となります。丁寧な敬語表現なので、目上の人や上司、取引先の人にも使えます。 「お送りいただければ幸いです」は、ビジネスメールでよく使う表現でもあります。メールでは、「お送りいただけましたら幸いです」や「お送りいただけますと幸甚に存じます」といった表現に言い換えて使うこともできます。

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初回公開日:2017年03月29日

記載されている内容は2017年03月29日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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