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「顔を出す」の尊敬語・顔を見せるとの違いと使い分け

更新日:2024年10月03日

敬語表現

顔を出すの意味と使われ方、顔を出すの尊敬語、顔を出すと顔を見せるの違いと使い分け、メールで顔を出すということを伝える文例を説明いたします。「顔を出す」の使用方法は単純ではありません。日本語特有のルールがたくさん隠されています。これから説明いたします。

「顔を出す」の意味と使い分け

1.顔を出すとは?

「顔を出す」を辞書で調べてみると、かおをだす【顔を出す】とは、①隠れていたものが現れ出る。「お日さまが顔を出す。」②会合などに出席する。③人の家を訪ねる。と書かれています。①の「お日さまが顔を出す。」とよく使用しますが、「お月さまが顔を出す。」とは使用しません。②の会合などに出席すると使用する際は、一般的に該当の会合やミーティング・宴会などにフルタイムで出席できない時に使用することが多いようです。「中途退席する」「遅れて出席する」「遅れて出席して、中途退席する」などに使用します。 この際はキーマンとなる方や幹事を務められる方に会って、挨拶して出席したことをアピールすることで「顔を出す」ことに意味を生じます。③人の家を訪ねると使用する場面は関東ではみられません。②の会合などに出席することに焦点をあてていきます。

①姿を見せる。顔を見せる。 ※人情本・春色梅美婦禰(1841‐42頃)四「もう十日の余も㒵(カホ)を出さなひから」 ② 人の家をたずねる。また、あいさつに行く。 ※俳諧・五万才(1801‐04)五「其形(そのなり)で後家の桟敷へ顔を出し」 ③ 集会や会合に出席する。 ※良人の自白(1904‐06)〈木下尚江〉続「顔を出さない方が可う御座んすの」 ④ ある物が、その一部分だけ外に見える。 ※滑稽本・七偏人(1857‐63)四「大きな尻っ尾が如亀(にょっき)り顔を出して居やすが」

2.初対面の方にはNGです。

「顔を出す」という言葉は、初対面の方には使用を避けることをお勧めします。しかしながら、プライベートで親しい方やビジネスである程度お付き合いのある方などであれば、「顔を出す」という言葉を使用しても良いケースもあります。当該の会合等へ出向いた際に「今日は顔を出してくれて、ありがとうございました。」のような感じで使用します。また、当該の会合に誘われた際に「あとで顔を出しすます。」などと使用する時もあります。 しかし、初対面の方の際は「今日はお足をお運びいただきまして、ありがとうございます」などと言葉を使用します。謝って使用すると大変失礼です。使う場面をよくイメージして使用することをお勧めします。社会人生活が長い方は自然との身に付くことでありますが、社会人生活が短い方は、言葉を発する前に今一度確認してからにしましょう。

3. 「顔を出す」の反対語は?

「顔を出す」という言葉は、「最近、あの人はまったく顔を出さない」と使用する場面が日常会話で出てきます。「最近、あの人は来ませんね」「最近、あの人は居るのかなあ?」の様な意味合いで使用します。また「あの人はさっぱり顔を出さない」と言う使用方法も出来ます。「顔を出す」の反対語で「顔を出さない」ように他人の現況などを話題にする際に使用するケースがよく見られます。前章と同様に初対面の方に使用する「足を運ぶ」「今日はお足をお運びいただきまして、ありがとうございます」などの反対語で「足を運ばない」と使用することはありません。例として「最近、あの人はまったく足を運ばない」と会話をしている場面はありません。特に社会人生活が短い方は気を付けて使い分けをすることをお勧めします。

4.「顔を出す」は尊敬語?

「顔を出す」という言葉を尊敬語ではありません。尊敬語として間違って使用している方も多いと言われています。尊敬語として間違って初対面の方に「顔を出す」と使用しては無礼にあたります。「足を運ぶ」を使用することが重要です。「顔を出す」を意味する尊敬語がありますので、違いを覚えておくことが重要です。手紙やメールの文章にも「本日は、お足をお運びいただきまして、ありがとうございました。」などお礼を兼ねて使用するケースが多くあります。「本日は、お顔をお出しいただきまして、ありがとうございます。」との使用はありません。

5.「顔を出す」の尊敬語は何か?

「顔を出す」の尊敬語は多様にあります。元来、初対面ではない方で、プライベートで親しい方やビジネスである程度お付き合いのある方へ使用する言葉です。尊敬語は辞書で調べても特にありません。しかし丁寧に使用するケースは「お邪魔させていただきます。」「あとでお伺いいたします。」などを使用します。親しい友人の方々へは「あとで顔を出すね。」「夕方、顔を出すからね。」と使用するケースが多くみられます。初対面の方々や上司にあたる方々・お取引先に該当するお客様の方々へは、「明日、お邪魔させていただきますので、宜しくお願い申し上げます。」「夕方、お伺いいたします。」などと使用するケースが多くみられます。

6.「顔を見せる」との違いは?

「顔を見せる」とは相手の都合に合わせて使用します。自分が顔を見せる時、自分は見られる時、相手に見てもらう時に使用します。つまりは、相手が自分を見たいと思っていると察して行動する際に使用します。例えば、「お見舞いのため病室に顔を見せにいく。」「叔母様に顔を見せて来るよ。」「ちょくちょく顔を見せに来てね。」など、相手をメインとして使用します。「顔を見せる」に対して「顔を出す」は自分の都合に合わせて使用します。自分が顔を出す時、相手が迷惑と感じる否かを考慮せずに構わず行動する。例えば、「お見舞いのため病室に顔を出す。」「叔母のところに顔を出してくるよ。」「ちょくちょく顔を出すからね。」など、自分をメインとして使用する言葉です。

7.メールで「顔を出す」を使用するには?

「顔を出す」の使用は、プライベートで親しい方やビジネスである程度お付き合いのある方などに使用します。Eメールや携帯電話メール、LINEなどでメッセージをやり取りする際は「□□様 明晩の自治会役員は顔を出せますか?」「○○様 今週の土曜日に集まりがあるから、顔を出せるかな?」「△△殿 明日のICTセミナーがありますが、アフターで懇親会があるので顔を出してもらえますか?」のように使用するケースが多いようです。初対面の方や目上の方・ビジネスでお取引があるクライアントの方々へは、「顔を出す」を使用すると大変失礼なメール文章になってしまいます。 Eメール等で「顔を出す」を使用するのであれば、「□□様 明晩は自治体役員がございます。お越しいただけますか?」「○○様 今週の土曜日に集まりがあります。お越しいただけますか?」「△△殿 明日のICTセミナーがございます。セミナー終了後に懇親会がございますが、お越しいただけますでしょうでしょうか?」などのケースがよく見られます。

8.メールで「顔を出す」を丁寧に使用するには?

次のページ:9.「顔を出す」の使い方をしっかり覚えましょう
初回公開日:2017年03月30日

記載されている内容は2017年03月30日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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