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ビジネスやメールにおける「考える」の敬語表現

更新日:2024年09月23日

敬語表現

日本語の「考える」という意味合には、その対象が自分だけの場合と、他人を察している場合とに分かれ、それによって用いられる敬語や英語の表現方法は違います。また、類義語の「思う」は前者の場合で適用され、この敬語の「存じる」を「考える」の意味として使うこともあります。

まず、尊敬語では上記のうち「お考えになる」が、ただ考えるだけの行為を表すので、これを用いることになります。これを用いた例として、「このプロジェクトの方針についてグループ長のお考えのお聞かせ願いませんでしょうか。」などがあります。

次に、謙譲語では、通常は「考えておる」から「~と考えております」という形で用いられていることが多く、具体的に、「今、その件について考えております。」などがあります。また、「愚考する」の愚考は自分の考えのことなので、これも使われます。具体的には書面上で用いられていることが多く、例えば、「私はこの提案に関しましては、以下のように愚考いたしております。」などのように使われます。

さらに、このケースだと、意味合いとしては「思う」とそれほど変わらないので、この敬語表現の謙譲語である「存じる」が用いられることもあり、具体的には、「これから、お食事をお出ししたいと存じますが、いかがでございましょうか。」のように使うこともできます。

「考える」対象が相手に対しての場合の敬語表現と使用例

まず、尊敬語では、上記のうち「ご高察なさる」が、考えた上で他人の心中を察する行為を表すので、これを用いることになります。これを用いた例として、「何卒、当方の事情をご高察賜りまして、悪しからずご了承のほどお願いいたします。」などがあげられます。ちなみに、これは提案などを書面で却下したことを通知する際などに用いられる傾向にあります。

次に、謙譲語では、このケースでも「~と考えております」が使われることが多いですが、「拝察する」の拝察は他人の心中を察することなので、これも使われます。具体的には書面上で用いられていることが多く、例えば、「今回の成功に対するメンバーの喜びは如何ばかりかと拝察申し上げます。」などがあげられます。

英語ではビジネスシーンで「考える」をどう表現しているか

まず、敬語表現を使うことで、部長などの目上の人や顧客などに対して敬意を表すことができ、その時に敬意を表す人の動作か、自分自身の動作かによって表現方法を変えて相手の立場を上げたり、自分の立場を下げたりすることができます。

しかし、ヨーロッパやアメリカなど英語を使う地域で生活する人には、このような考え方ではなく、みんなが平等であるという考え方が一般的であるとされることから、英語には動詞を受け身として表す受動態に変換したり、過去や未来等の時制を表す形に変換したりする仕組みがあっても、尊敬語や謙譲語のような敬語表現に変換する仕組みはありません。

ただし、英語でもWould you~?(~していただけないでしょうか)のような丁寧な表現はあります。

そもそも、「考える」を英語で表現するには微妙な意味のニュアンスによって使う単語などが変わってきます。

まず、中学校に入りたての頃の英語の授業において、「考える」はthinkであると教わった方もいらっしゃるのではないでしょうか。学習が進むにつれて、同じ「考える」を表す単語としてconsiderやsupposeなど登場してきます。

具体的に、これらの表現の違いとしては、まずthinkは自分が感じたことをストレートに述べたい時などに用いられることが多く、feelやassumeを用いても表現できます。次にconsiderは自分の頭でじっくり考えた上で意見の述べたい時などに用いられることが多く、regardやdeemを用いても表現できます。最後に、supposeは自分の考えに確信や自信があまりない時などに用いられることが多く、maybeやlikelyを用いても表現できます。

ビジネスシーンではconsiderが良く使われる

この中で、ビジネス面でよく用いられている、「考える」の単語としてはconsiderやregardなどが挙げられます。なぜなら、ミーティングなどで自分の意見を述べる際は、しっかりと考えた上で発言することが多いからです。具体的には「I consider this proposal valuable(私は、この提案に関して貴重なものであると考えます)」などが挙げられます。

ただし、提案を相手に検討して欲しい場合などは、先述した丁寧な表現を用いて「Would you consider this proposal?(この提案についてお考えいただけないでしょうか?)」などが挙げられます。

相手の気持ちを察する場合はsympathizeなどを用いる

また、相手の気持ちを察した上での「考える」を表す英語としては「思いやる」と同じ意味合いとしてsympathizeやfeelなどを用いることがあり、具体的には「I sympathize with you in your sorrow at your grandfather’s death(祖父が亡くなり、さぞご無念の事とご心中お察し申し上げます)」などのように敬語表現として用いることができます。

基本的に「考える」の表現は自分主体?

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初回公開日:2017年03月29日

記載されている内容は2017年03月29日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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