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ビジネスやメールにおける「考える」の敬語表現

更新日:2024年04月08日

敬語表現

日本語の「考える」という意味合には、その対象が自分だけの場合と、他人を察している場合とに分かれ、それによって用いられる敬語や英語の表現方法は違います。また、類義語の「思う」は前者の場合で適用され、この敬語の「存じる」を「考える」の意味として使うこともあります。

「考える」と「思う」の敬語表現は違ってくる

まず敬語には、相手を立てたり、目上に人に対して話したりする時に用いられる尊敬語、自分の立場を下に下げて話す時に用いられる謙譲語、話し相手に対して丁寧に述べるときに用いられる丁寧語の3種類あり、「行く」や「見る」などの基本動詞を変換して用いますが、種類によって変換方法が異なりますが、敬語に変換する方法はある程度の規則性があります。

具体的には、尊敬語では、「お∼なる」や「お∼なさる」、「貴~」、「御~」などがなり、謙譲語では、「お∼する」や「拝~する」、「弊~」などがあります。丁寧語では「~ます」となるパターンが多いです。なお、「~」には基本動詞や紙、店などの名詞が入ります。

以下に「考える」と「思う」の敬語表現をそれぞれ3種類ごとに記します。

「考える」の敬語表現

まず、「考える」を基本法則に従ってそれぞれ直すと、尊敬語では、「お考えになる」、謙譲語では「拝察する」、丁寧語では「考えます」となります。なお、謙譲語で「拝考する」でなく「拝察する」になる理由としては、「察」という漢字には考察のように、調べて明らかにするという意味合いがあることが考えられます。

また、この他にも尊敬語では「ご高察なさる」、謙譲語では、「考えておる」や「愚考する」などが用いられることもあります。

「思う」の敬語表現

次に、「思う」を基本法則に従ってそれぞれ直すと、尊敬語では、「お思いになる」、謙譲語では「拝察する」、丁寧語では「思います」となります。なお、「考える」のときと同じく、謙譲語で「拝思する」でなく「拝察する」になる理由としては、「察」という漢字には先述した、調べて明らかにするという意味合いの他に、推察のように、推し量る、思いやるという意味合いがあることが考えられます。

また、この他にも尊敬語では「おぼし召す」、謙譲語では、「存じる」などが用いられることもあります。

これらのように、同じ自分の頭を使う動作である、「考える」と「思う」の表現方法は共通の意味合いがある謙譲語の基本パターンの「拝察する」を除いて異なりますが、これは前者が客観的な判断をすることを指すのに対し、後者は主観・感情的な心の動きや瞬間的な判断をすることを指すといった違いがあるからです。

「考える」の敬語表現はビジネスシーンでそのまま使えるのか

まず、会社などの組織の中で生きていく中では、社長や係長のように役職や年齢によって上下関係がハッキリとしていることが多いので、ビジネスシーンにおいては若手社員を中心に自分が下の立場にいることをアピールしないと先述した上の立場の人に対して大変失礼なことをしてしまう可能性が高いです。

また、お客様のように来店および来社した人が立場的に上になることも多いので、上司や客などが関わる動作などに対しては尊敬語を、自分自身やその身内に関する動作などに対しては謙譲語で表現できるようにすることが重要になってきます。また、丁寧な言葉遣いも相手に対する敬意を表すことから丁寧語も必要になってきます。

「考える」の敬語表現としては尊敬語では、「お考えになる」や「ご高察なさる」などがあり、謙譲語では、「拝察する」、「考えておる」、「愚考する」などがあります。丁寧語では「考えます」であり、基本的はメールなどの文面上や社内ミーティングなどの会話などのビジネスシーンにおいて、これらの表現を用いることはできます。

ただし、このように尊敬語や謙譲語での「考える」の敬語表現は複数種類ありますが、考える対象が、その人1人だけなのか、相手に対してなのかによって区別されます。

「考える」対象が1人だけの場合の敬語表現と使用例

次のページ:英語ではビジネスシーンで「考える」をどう表現しているか
初回公開日:2017年03月29日

記載されている内容は2017年03月29日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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