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「梗概」の意味と書き方(卒論/レポート)・梗概の例

更新日:2024年01月20日

言葉の意味・例文

「梗概」とはあらすじのことで、物語や論文が何を書いたものなのかをコンパクトにまとめたものです。読み手にとって、読む前に作品の大まかな内容をつかみ、読み方の指針になります。梗概はどのように書けばいいのでしょうか。その書き方についてまとめていきたいと思います。

梗概の意味について

「梗概(こうがい)」、人によってはあまり見慣れない言葉かもしれません。「梗概」の意味についてまとめてみたいと思います。

梗概とはあらすじのこと

梗概とは、物語の大体の筋、あらすじのことです。論文やレポートでは概要や要約と書かれる場合もあります。その物語や論文を全て読まなくても何が書いてあるかが掴むためのものです。

こう‐がい〔カウ‐〕【梗概】 の意味 出典:デジタル大辞泉 物語などのあらすじ。あらまし。大略。「戯曲の―を話す」

どんな時に梗概が必要なのか

では梗概はどういった時に必要なのでしょうか。論文や小説などの文芸賞のコンクールなどに出品する作品に梗概の添付が義務付けられていることが多くあります。公募のコンクールなどでの選考の場合、審査員や下読みの人たちは膨大な量の作品を読まなければなりません。その際に、より素早く作品の内容を把握するために梗概が必要になってきます。また、読んでいて、何について書いているのかわからなくなってきた時、梗概を読んでその作品の意図を汲み読む際の指針にすることもできます。 人によっては梗概は読まずに本編だけを読んで作品の良し悪しを判断するという人もいますが、梗概があることでより作品を正確に理解してもらうことができるのです。

序論と梗概の違い

論文などにおける序論と梗概の違いについて見てみると、梗概に何が求められているのかがわかりやすくなると思います。序論がどうしてその研究を始めたかという「いきさつ」を書くことに対して、梗概や概要は序論から結論までを凝縮したものを書きます。つまり、「何のために、何をどう研究してその結果どういうことがわかったか」という論文の全容を簡潔に述べることが重要になります。小説などにおける梗概も同じで、物語の始まりから終わりまでの展開や筋をわかりやすく簡潔にまとめることが必要です。

梗概集とは

梗概集とは、学会や卒業研究や修士論文の発表会の際に、それを使うことで円滑にその会を進めたり、記録に留めたりするために作られる、発表された論文の梗概をまとめたものです。来聴できない人が、その内容をすぐに知るために使われることもあります。

梗概はどのように書けばいいのか

梗概の書き方について紹介します。

制限の中でどのようにまとめるか

梗概には、多くの場合、文字数の制限があります。求められる作品の内容やボリュームによって400字、800字、1000字など様々です。限られた文字数の中で、全体の内容を書くためにはどのようにすればいいのでしょうか。まずはその作品を説明する際に不可欠な言葉を書き出していくとわかりやすいかもしれません。必要不可欠な言葉を並べていくとその作品の大まかな流れの整理がつくので、まとめやすくなります。 また、一番重要な部分とそうでない部分など、本編の中での優先順位を自分の中ではっきりさせるといいかもしれません。梗概の中でも重要かつ不可欠な部分に文字数を割き、その他の部分を簡潔に書くことで印象に残りやすい梗概を書くことができます。もちろん、あくまで全体の内容がわからなければならないので、そこが偏り過ぎてしまわないように注意しましょう。

梗概を書く際の注意点

○簡潔で明快な文であること 凝った文章や美文である必要はありません。あくまで概要なので、簡潔で分かりやすい文章であることが最も重要です。 ○描写文は必要ではない 梗概の文章では客観的な説明文が求められます。小説の中で書くような描写文を入れる必要はありません。 ○筋を正確に要約をすること 梗概は物語の場合、何よりも筋がわかることが大事です。どういう設定か、主人公は誰で、登場人物とのように絡み、どのように話が展開し、どのように決着するのかなど、何がどうしてどうなったかを明確に書きます。ここで筋とは関係ないことや、細かすぎることまで書いているとバランスが悪くなってしまいます。話の流れが浮き彫りになるように書きましょう。 ○筋は結末まで書くこと 梗概に書く筋は、原則、結末まで書かなければなりません。序盤や、中盤までしか書かれていない梗概はいけません。ただし小説など物語の場合、この結末を書いてしまうと身も蓋もなくなってしまうという場合もあります。その場合は全体の9割までの起承転まで書かれていれば、結は匂わす程度でも大丈夫です。また筋が書けていればいいので、推理物などの場合、トリックの詳細まで書く必要はありません。 ○筋に関係のないことは書いてはいけない 梗概で、自分の作品のアピールポイントや考察などを書かないようにしましょう。あくまで筋をまとめたものが梗概です。 梗概は作品と別だからといっても、せっかく書くならばできる限り作品に対して面白そうだと読んだ人に興味を持ってもらえるものにしたいところです。梗概だけ面白くても仕方がありませんが、梗概を読んでつまらないという先入観ができてから読まれるか、面白いと思って読まれるかでは作品の印象が大きく変わってくると思われます。もちろん作品の内容だけで評価してくれると信じたいですが、万人がそうとは限りません。そのリスクはなるべく避けたほうがいいでしょう。

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初回公開日:2017年03月19日

記載されている内容は2017年03月19日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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