宮司の年収と仕事内容・神主/宮司/禰宜の違い｜宮司になるには？

神社によっては年収３００万円以下の場合もあるそうで、宮司さんの中には複数の神社の責任者を兼任されている方もいます。山間部や人が訪れなくなってしまった神社や地域の鎮守様と呼ばれるような小さな神社では、収入が見込めないため、管理をしながら企業で働いている宮司さんもいらっしゃいます。また、各種学校で教鞭をとっている方も多くいます。 教職員の副業は原則禁止なのですが、例外があり、神職がその一つです。理由は神職が営利目的の職業ではないと判断されるためです。これは企業の副業禁止の例外のケースでもあります。 敷地内に幼稚園や保育園を併設し職員を兼任している人もいます。伝統や礼儀を重んじる神道なので、日本の教育現場に生かすことができます。神道を学ぶ中で人としての生き方を学んだ神職が教育に携わることは有意義であると思われます。

神社には金銭以外に供物が奉納されます。一定期間神前に供えられた後、祈祷料の一部として神職に分配されてるので賃金とは別の現物収入になるのです。奉納品は米や野菜、酒などの生活必需品が多いため神主（神職）さんの生活の支えになっています。

それぞれの神社は宗教「法人」で独立採算ですので、公務員のような身分保障がないです。つまり祈祷料や物販による収益が得られない場合、廃業になってしまいます。神社が廃業せずに運営できる理由の一つとして、氏子（うじこ）や崇敬者（すうけいしゃ）と呼ばれる人達の寄付による支援があります。氏子や崇敬者は、それぞれの神社に鎮座する神様に自身の安寧を願い寄付をします。

神社に鎮座している神様は、「氏神様」として住民に大切にされてきました。その周辺地域の住民は、神輿を担いだりお神酒を出したりして神社を支援しています。地域が活性化し、住民同士の繋がりが強固になることは人間関係が希薄になりがちな現代社会において貴重なことです。

神社本庁である「伊勢神宮」以外は「氏神（うじがみ）神社」と「崇敬神社（すうけいじんじゃ）」の２種類に分けられます。氏神神社とは、自らが居住する地域の氏神を祀っている神社です。崇敬神社は、由緒や地勢的な問題などにより、氏子を持たない神社です。崇敬神社は地縁や血縁的な関係以外で、個人の特別な信仰等を持った崇敬者によって支援されています。 崇敬者も氏子も、神社の維持や教化活動のために尽力することに変わりはありません。

お待たせしました。宮司になるには、どうすればいいか説明していきます！神職につくには免許が必要です。この免許が必要というルールは神社本庁で決まっているそうです。免許を取得でき、神道について学べる学校や養成所があります。

入学に際して特別な条件がなく、試験に合格すれば社家関係者以外でも神職資格を取得するために学ぶことができます。神職資格を取得できる大学は「國學院大學」と「皇學館大学」です。それぞれの大学で神道の専門学科が設置されています。東京都渋谷区にある國學院大學では「神道文化学部」三重県伊勢市、名張市にある皇學館大学では「神道学科」です。 在学中に所定の単位を取得することで神職階位である正階が得られ、実習を履修すればさらに一つ上の階位である明階を得ます。

神社が設置する神職養成所に入って神道を学び、神職の資格を取得するという方法です。入所に関しては神社本庁からの推薦状が必要で、神職養成所は全国に６か所あります。 山形県の「出羽三山神社神職養成所」、宮城県の「志波彦神社 塩竈神社神職養成所」愛知県の「熱田神宮学院」三重県の「神宮研修所」、京都府の「京都國學院」、島根県の「大社國學館」になります。それぞれ神社が運営しており、神社本庁である伊勢神宮の運営する「神宮養成所」、出雲大社が運営する「大社國學館」が有名です。京都御所のすぐ近くにある京都國學院は古い歴史を持っています。