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更新日:2024年09月29日
是正処置が必要になった際、言葉のイメージから「なんとなくこれでいいだろう」と是正処置に至っていない単なる「処置」にとどまってしまうことがあります。「是正処置」とは何なのか、本来の定義と作られた背景からまずはみていきましょう。
是正処置は一時しのぎのものではなく、起こった問題が二度と起こらないようにするための処置です。そのためには、問題の原因をとことん追求する必要があります。 先ほど言った「雨漏りがする」という問題に対する「穴をふさぐ」という処置は応急的な処置であり、再発防止には繋がりません。その部分の穴をふさいで雨漏りを防いでも、今度は違う部分に穴があき雨漏りが再発する恐れがあるからです。「穴をふさぐ」などの応急処置は「緩和処置」ともされており、これはクレームを受けた場合などにまず第一に取るべき処置ではありますが、是正処置とは違うものです。
是正処置は根本から原因を突き詰めます。「雨漏りがする」のはなぜか考え、「天井に穴があいているから」、という答えにたどりついたら、また更に「天井に穴があいた」のはなぜか考えます。穴があいたのは「天井が老朽化していた」から、老朽化したのは「老朽化しやすい素材だった」から、…などというように、なぜそうなるのか、と考えるのを繰り返し、再発しないための抜本的な対策を取るのが是正処置なのです。根っこから問題を取り除くというのは、応急処置とは違い、コストや手間が必要になることが多いです。現場での是正処置についてはそういったことも考慮します。
大切なことは、真の原因にたどり着くことである。 そのためには、「なぜ」「なぜ」「なぜ」「なぜ」「なぜ」となぜを5回繰り返すと根っこにある真の原因に突き当たると言われている。
「是正処置」の意味、位置づけ、内容をこれまで見てきました。そして効果的な是正処置を行うために必要な「なぜ?」の連鎖。実際の職場には、「是正処置」の真の意味を知ることなく、「穴をふさぐ」のような応急的な処置しかしていない是正処置報告書も散見しています。ISOを適用し、品質マネジメントに対する意識を高く持つためには、起こる問題に対してどういった姿勢で対応するかもまた重要になります。お金と手間をかけた上で単なる「処置」にとどまってしまわないように、一つの問題に怠惰にならず、最低でも五回「なぜ?」と問うてみることが、結局は最善手となるでしょう。
記載されている内容は2017年03月23日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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