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気象予報士の試験問題と過去問例|試験におすすめの参考書

更新日:2024年04月02日

資格・検定

非常に難関な試験として知られている気象予報士。ここでは気象予報士試験の試験内容と勉強方法、そして気象予報士の仕事の魅力について紹介していきます。ニュース番組に出るお天気キャスターだけではなく、さまざまなお仕事がありますよ。

市販の参考書を読み、関連する知識をたくさん身につける必要があります。学科試験は暗記がほとんどですので、エビングハウスの忘却曲線にのっとって復習するタイミングが非常に重要です。一度メモして覚えた内容はその直後に復習し、翌日も読み返して復習し、次は1週間後、2週間後、1ヶ月後と間隔をあけて復習していくと記憶に着実に定着していきます。 気象予報士試験は出題される分野が非常に広いため、1日に暗記する範囲を広くするとその後の復習の時間を確保できなくなります。少しずつですが着実に覚えていくことが望まれます。また、自分で穴埋め問題を作ってみたり、重要なワードや文言は音読して記憶に定着させる勉強法もおすすめです。

実技試験

実技試験の時間は75分ですが短く感じてしまうことが多いです。天気図などを読んで答えを導くためには付け焼刃の知識では到底太刀打ちできず、答えをアウトプットする能力が試されるからです。本番を想定して問題を解くときは、実際の試験時間より短く想定したほうが答えを考え出すスピードが鍛えられるでしょう。 設問になくても、等圧線などの情報を読み取り天候を予測して気象予報の勘を磨いていくことも大切です。前線の作図も慣れていけば、実務でも困ることはないでしょう。 地方名や海域名はすでに知っているという前提で出題されますので、地理に疎い方は苦戦するかもしれません。日本はもちろん、中国大陸や朝鮮半島、台湾などの地名や海域名などを 緯度や経度と照らし合わせながら覚えていきましょう。

独学で気象予報士試験を受ける

前述した通り、気象予報士試験は難関試験であり、合格率は5%前後という狭き門です。しかし、過去問はインターネットや書籍で容易に手に入れることができ、試験で出題される範囲や問題の形式はほぼ決まっています。そのため、独学で勉強することも可能です。 通信教育や資格予備校を利用して受験する場合、学費が莫大にかかります。独学ではそのコストを抑えられるだけでなく、自分のペースで学習を進められるメリットもあります。スケジュールを立てて勉強できるという人は独学の方がいいでしょう。 ただし、気象予報士の試験では化学や物理、数学の微分積分の知識が必要な問題が多数出題されます。高校で理数系の科目を勉強してないor理数系が苦手だったという方はいきなり勉強しても苦労するでしょう。試験勉強の前に中学レベルの数学や理科から勉強した方が合格の道は近いです。プライドは捨てましょう。 転職は人生を左右する大きな決断です。後悔しないためにも、あらゆる準備と対策を行いましょう。一人での転職活動に限界を感じたら転職エージェントに相談してみましょう。

過去問と例題

気象予報士試験の過去問はインターネットや書籍で多数出回っています。ここではヒューマンアカデミーが公開している想定問題を2題紹介します。

学科(一般)想定問題

霧の発生要因について述べた次の文章(a)~(d)と、該当する霧の名称の組み合わせとして正しいものを、下記の①~⑤の中から一つ選べ。 (a) 温かく湿った空気が冷たい地面・海面上を移動するとき下面からの冷却によってできる霧。 (b) 水面上の冷たい安定な空気塊が、暖かい水面からの急激な蒸発によって水蒸気の供給を受け飽和してできる霧。 (c) 風が弱く雲のない夜間に、大気の下層部が放射冷却などで冷えて温度が下がるときに発生する霧。 (d) 湿った空気が山腹を吹き上がる際、断熱変化による冷却によってできる霧。  (a)  (b)  (c)  (d) 1  蒸発霧 移流霧 放射霧 滑昇霧 2  蒸発霧 放射霧 滑昇霧 移流霧 3  移流霧 蒸発霧 放射霧 滑昇霧 4  移流霧 滑昇霧 蒸発霧 放射霧 5  滑昇霧 放射霧 移流霧 蒸発霧

この問題の正解は[3]です。 空気には水蒸気が含まれていて、冬の寒い日にガラスに水滴がつくのは水蒸気が冷やされたからです。この水滴が空気中に漂い、大陽の光の反射で白く見えているのが霧です。雲も同じ原理です。気象予報士試験ではこのような気象条件のメカニズムが多数出題されます。

学科(専門)想定問題

台風について述べた次の文章(a)~(d)の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の1~5の中から一つ選べ。 (a) 国内向けでは、赤道以北の東経100度~180度の北西太平洋に存在する熱帯低気圧のうち、中心付近の最大風速が17.2m/s以上となったものを台風と呼んでいる。例えば、東経180度以東の海域でハリケーンが発生し、西進して上記の海域に達した場合、これは継続してハリケーンと呼ばれ、台風とは呼ばれない。 (b) 台風の大きさは、最大風速が15m/s以上の強風域の半径により区分され、また、台風の強さは最大風速により区分している。 (c) 台風の中心付近では周囲と比較して気温が高く、これを暖気核と呼ぶ。暖気核は台風の眼で発生する下降気流に伴う断熱昇温に起因し、特に下層付近で明瞭に見られる。 (d) 台風が海上を通過した直後は、その海域の海面水温が一時的に下降することが多い。  (a) (b) (c)(d) 1 正  正   正  正 2 正  正   誤  誤 3 誤  正   正  誤 4 誤  誤   誤  正 5 誤  誤   誤  誤 この問題の正解は[4]となります。 台風は気象予報士試験でも最重要テーマの一つです。発生から成長、そして衰退して消滅する過程を知ることが防災上の意義において非常に重要となるからです。日本は温暖湿潤な中緯度帯(北緯30~45°)であり、なおかつ冬季は寒冷になる大陸東岸側(東経130~145°)の気候です。そして国土の上空には偏西風が吹いていて、様々な要因で気候に変動が現れます。それを「予測」するのが気象予報士なのです。

過去問は以下のサイトでも公開されています

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初回公開日:2017年02月13日

記載されている内容は2017年02月13日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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