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「目を通す」は間違った敬語?正しい別の表現と使い方

更新日:2024年08月06日

敬語表現

ビジネスの世界で第一印象や評価に直結する敬語。普段何気なく使っている言葉が、実は失礼に当たる言葉だったということが多々あります。「目を通す」もその代表的なもの。なぜ「目を通す」が不適切で敬語として成立しないのかを解説します。

ご覧ください

「目を通す」の言い換えとして、よく使われる表現は「ご覧ください」です。 敬語であり、相手を尊重している印象を与えるので、目上の上司や取引先にも使用が出来るでしょう。しかし、「ください」は相手に命令する印象も含まれるので、「ご覧頂けますでしょうか」といったように表現すると、命令する印象がかなり和らいで相手に伝わります。 実際に使用した例文をご紹介します。

ご参照ください

「目を通す」を「ご参照ください」と表現することは、敬語として適切です。目上の上司や取引先の相手に使用しても悪い印象をならないでしょう。 ここで気をつけたいことは、よく似ている「ご参照してください」と表現してしまうことです。「参照」という言葉自体に相手が既に見ている動作が含まれているので、「参照」の後に「して」は不要になります。

ご確認ください

「ご確認ください」は見た上で内容を確かめて欲しいときに使用することが適切です。 よくある間違いとしては「ご確認してください」と表現してしまうことです。「確認して」は動詞になるので、頭に「ご」をつけると不自然は表現となります。 頭に「ご」をつけない「確認してください」の場合には、命令するニュアンスを含むので、目上の上司には使用しないようにしましょう。 「ご確認ください」は使うシーンがとても多い表現です。少しの違いですが、表現が大きく変わりますので、注意して適切に使いましょう。

ご査収ください

「ご査収ください」は文字通り、よく確かめて何かを受け取る場合に使用することが適切な敬語です。 よく似ていて間違う表現は「ご検収ください」です。「検収」は自分側が注文した物に対して受け取るという意味があり、似ているようでかなり違う言葉になりますので注意しましょう。 あくまでも、書類や物を受け渡すときに使います。書類の内容をよく見て欲しいだけの場合には、「ご確認ください」を使用するようにしましょう。

「目を通す」の類義語

「目を通す」という言葉の類義語はいくつかあります。言葉は類義語を一緒に理解しておくことで間違った敬語を使うことを減らせます。 それぞれの類義語の意味の違い、適切に使うシーンについてご紹介します。

斜め読みする

「斜め読みする」の「斜め読み」とは、文章のすべてを見るのではなく、見出しや重要な部分のみを読み込む方法です。文章の要点や全体象を掴むように読むことを表します。 ざっくりと文章を読む印象がありますが、「斜め読み」の場合は要点をしっかり押さえつつ読む方法なので、意味が異なるということに注意しましょう。

通覧する

「通覧する」は、本や書類等を全体的に一通り見るという表現になります。「過去の作品を通覧する」「募集要項を通覧する」といったように、書類以外に対しても使える表現です。

一読する

「一読する」は「いちどくする」と読みます。「一通り読む」という表現なので、文章量がある書類を見て欲しい際に使用すると適切です。社内の目上の上司などには使用出来ますが、その際には頭に「ご」をつけて「ご一読ください」と伝えたほうが、相手に丁寧な印象を与えます。 読んで内容を確かめて欲しいという表現ですが、「ご確認ください」よりも「ご一読ください」の方が、内容を確かめて欲しいというニュアンスを和げて相手に伝えられるでしょう。

ビジネスシーンにおける「目を通す」の使い方

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初回公開日:2016年11月16日

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