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間違いも多い「留意点」「注意点」の意味の違いと使い分け方・例文

更新日:2024年07月13日

言葉の意味・例文

今回は業務マニュアルなどでよく目にする「注意点」と「留意点」ということばについてご紹介します。日常的によく使う「注意」と「留意」ということば。このふたつのことばの違いから「注意点」と「留意点」の違いを探ります。この機会に意味や使い方について考えましょう。

「注意」も「留意」も使用できるケース・例文

「このソフトを使用するときの注意点」と、 「このソフトを使用するときの留意点」 という2つの文章があるとします。 このとき、ソフトの使用者により強く「気をつけるべき」と促しているのは、前者の文章です。例えば、書かれている注意点を守らなければ、データを破損してしまったり、ソフトをインストールしたパソコンに不具合が出たりするなどの被害が出てしまうかもしれないときに「注意点」を使います。 次に、後者、「このソフトを使用するときの留意点」を見ていきましょう。こちらは、例えば、前者との比較でいえば、ソフトで実現できないことや制限されていることがある場合に、その旨を伝えるときに用います。前者とは違って、実害があまり発生しない状況です。 ただし、ソフトにある機能が実装されていないにもかかわらず、その機能を求めてソフトを使用しようとする人が後を絶たないようなときには、使えない旨を強く周知するために「注意点」という言葉を使って、ソフトに機能がないと伝えなければならなくなるかもしれません。時と場所によって、使い方は変わってくるのです。

「注意」は使えるが、「留意」は使えない例文・ケース

上の例文では、「注意点」も「留意点」もどちらも使用できました。しかし、「注意」は使えても、「留意」が使えない場合もあります。下の例文を見てください。 「転落事故に注意する」 ここでの注意を留意に置き換えることはできません。なぜなら、転落事故は「注意」、つまり意識を集中すべきことであって、心に留めておくレベルの事柄ではないからです。意識を向ける対象が「留意」程度の意識ではなく、「注意」というより強い意識を求めているといってもいいでしょう。 「泥棒に注意する」という使い方も同様です。何かしらの損害を被る恐れのある物事の場合は、「留意」は使われません。「注意」やより強い言葉である「用心」「警戒」などが使われます。

「注意点」と「留意点」の英語表現

ビジネスメールを英語で書かなくてはいけない人は、英語で「ご留意ください「注意点」という場合にはどういた表現になるのでしょうか。

「注意点」の英語表現

「注意点」という単語は英語の場合、使用する表現によって、単語が変わります。 意味と意図を踏まえて適切な表現を選択しましょう。

意味英文
注意点a word [note] of caution
(何かをやる上での)こつと注意点tricks and traps
法律上の注意点legal notice

「留意」の英語表現

意味英文
留意attention, notice
留意するtake notice (of)
pay attention (to)
give heed (to)

attentionという表現はよく「注意」と訳されることが多いですが、さきほど見た注意と留意の意味の違いのように「留意」の意味でも十分に通ります。 日本語訳で覚えるのではなく、単語が使用されるケースから適切な表現を選び取りましょう。

「注意点」と「留意点」のまとめ

いかがでしたでしょうか。 今回は「注意点」と「留意点」の違いについて見てきました。「注意点」は意識を集中すべき事柄に使うことば、一方の「留意点」は意識を留めておくべき事柄に使うことばでした。文章を読んでいるときだけでなく、文章を作成時に「注意点」や「留意点」ということばを使いたくなったら、この記事を思い出してみてくださいね。 ビジネスパーソンにとって、ことばは自分の能力を示すひとつの指標。意味の理解が中途半端なままなんとなく使っていると、取引先に誤解を与えたり、業務に支障が出てきたりと、自分の能力を疑われる事態にもつながりかねません。 「注意点」と「留意点」だけに限らず、ことばの意味には細心の「注意」を払って、日々の仕事に取り組んでいきましょう。 日々わからない言葉は調べることを習慣にしたり、ビジネス用語辞典を読んで言葉の知識をつけていくことが重要です。

初回公開日:2016年11月08日

記載されている内容は2016年11月08日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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