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虚礼廃止のメリットと企業事例5つ|虚礼廃止を案内をする文例2つ

更新日:2023年12月19日

ビジネスマナー

虚礼廃止により、年賀状やお中元・お歳暮といった風習をなくす企業が増えています。虚礼廃止の実践により、業務の効率化や経費の削減も実現できます。ここでは、虚礼廃止のメリットや実践している企業事例、実践する際の案内文例などをご紹介します。

虚礼廃止の企業事例

虚礼廃止は無駄の削減だけではなく、公正な取引関係の構築にも役立ちます。 お中元やお歳暮、ご祝儀などの金品のやり取りをしていると、金額の多寡が発生します。金額が多い相手の取引を優遇するのは、公正な関係とは言えません。 虚礼廃止をすれば、金品の授受が発生しないので、そのような不公平が生じるのを防止できます。 実際に虚礼廃止を行っている企業事例をご紹介します。

事例1:ソニーグローバルソリューションズ株式会社

ソニーグローバルソリューションズでは、「ソニーグループ行動規範」に基づき、あらゆる形態の贈収賄を禁止しています。 具体例として、サプライヤーからの過度なゴルフや飲食の接待、金銭・商品券を受け取ること、贈答・接待について要求やほのめかすことなどを禁止しています。 ソニーグループの役員や社員がこれらに違反する行為をした場合、「サプライヤー・ホットライン」で情報を受け付けるという体制も整えています。

事例2:パナソニック株式会社

パナソニックでは「クリーン調達宣言」において、「『中元・歳暮』等の贈答品を受けとりません」と明記しています。 「クリーン調達宣言」とは、公平かつ公正な取引を行う宣言です。その中に、「正しい調達活動の実践」として、会食の接待やゴルフ・旅行、中元・歳暮等の贈答品、祝儀等を含む金銭等をすべて受け取らないと明記しています。

事例3:LINE株式会社

LINEでは2013年8月、当時の社長である森川亮氏が自身のブログで「LINEでは接待及び贈答品の受け取りを禁止としました」と発表しました。 その目的は、パートナーとの関係において誤解を生じさせないためです。パートナーを関係の深さや長さでは選定せず、ユーザーからの評価を重視することにより、オープンでフェアな関係を継続しようとしています。 また、接待や贈答品を受けることによる社員や役員の勘違い防止も目的としています。

虚礼廃止の案内をする文例

虚礼廃止を行う場合には、取引先企業に事前に文書等で知らせる必要があります。 虚礼廃止は双方で行うものなので、一方的に年賀状やお中元・お歳暮を送るのを止めても、相手からは送られてきてしまう可能性があります。 トラブル防止のためにも、早めに知らせるようにしましょう。虚礼廃止の案内文例をご紹介します。

虚礼廃止の案内文例1:取引先企業向け

甚だ勝手ではございますが、弊社では今後中元・歳暮の贈答を廃止することにいたしました。 これまでは感謝の気持ちを込めてお贈りさせていただきましたが、今後はその気持ちを今まで以上に仕事に向け、さらに誠心誠意お応えしたいと存じますので、ご理解の程よろしくお願いいたします。 貴社におかれましても弊社あての中元・歳暮のお心遣いはどうかご無用に願いたく存じます。

虚礼廃止の案内文例2:送られてきたお中元・お歳暮を断る場合

このたびはお心遣いのお品をいただきまして、まことにありがとうございます。 ご厚意は大変ありがたく頂戴いたしますが、弊社では皆様との公平な取引のため、お取引先様からのご贈答は全て辞退させていただいております。 つきましては、甚だ失礼とは存じますが、お送りいただいた品を返送させていただきます。誠に勝手なことでありますが、あしからずご了解下さい。 まずは、お礼方々お詫び申し上げます。

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初回公開日:2019年10月04日

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