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更新日:2024年11月11日
マスコミとは、Mass Communicationの略語になります。マスは「大衆・大量」で、コミュニケーションは「伝達」です。
広告費という観点でマスコミ業界を見てみると、テレビ、新聞、雑誌、ラジオといったメディアすべてで広告費は減少しています。唯一、ネット広告費のみが前年比2ケタの伸びで増加しています。
インターネットが誕生する以前は、ニュースやトレンドなどの「情報」や、映像や音楽などの「コンテンツ」はすべてパッケージ化されて、流通・販売されていました。いわゆる、「情報やコンテンツ」には必ず「流通やインフラ」が付随するビジネスでした。
しかし、インターネットが新たなコミュニケーションの手段として急速に発展したことで、既存のメディアの盤石な構造が変化を余儀なくされてしまったのです。今では、モバイル環境でさえ大容量の「情報やコンテンツ」を伝送できるまでに進化しています。これは、「情報やコンテンツ」をそのまま「流通やインフラ」を使うことなく、データで伝送できることを意味しています。
これは、マスコミ業界も例外ではありません。業界全体でさまざまな対応をせまられています。新聞社では記事を大手ポータルサイトに提供する流れができました。出版社は専用ビューアを開発し雑誌や書籍、マンガを電子化してモバイルやタブレットで読めるようにして、インターネット上で利益を上げようと動いています。放送業界は、見逃し配信サービス「TVer(ティーバー)」を在京民放5社でスタートさせました。
そして、インターネット上では、新しいプレイヤーがデジタルならではのビジネスを次から次へと立ち上げています。Googleは検索ポータルとして一大広告企業になりました。Amazonや楽天はネットでショッピングモールを運営し、小売産業を激変させています。これらの企業の成功はインターネットがビジネスという領域における新しいフロンティアであることを証明したことになりますが、そのフロンティアから遠く離れた場所にあるのがマスコミ業界なのです。
マスコミ業界はいまだ、自分たちが保有する「情報やコンテンツ」とインターネットとを、融合させることに苦心しています。
人に寿命があるように、商品やビジネスにも寿命があります。これをプロダクトライフサイクルといい、市場参入から退出までを、導入期、成長期、成熟期、衰退期と、生命になぞらえて説明したものです。
現在、マスコミ業界は成熟期にあります。この成熟期においては、業界の再編や価格競争が起こります。この先に待ち構えているのは、業界が縮小する衰退期か、もしくは新たなサービスや市場を掘り起こし、再び導入期に戻すかの2択です。そして、ある程度市場が成熟すると、必ずと言っていいほど、異業種との化学反応が起きます。その結果、新たな市場が生まれます。
すべてを横断し、供給者と消費者、または消費者同士を直結していくインターネットが浸透した今、マスコミ業界も既存のビジネスモデルだけで展開していくことは困難になってきています。そして、今後、どのようなビジネス連携が起こり、驚くようなサービスが始まるかは誰にもわかっていないのです。
マスコミ業界としては、とうぜん、再び導入期に戻したいはずですし、マスコミ業界自体の力を考えれば、それは十分に可能なはずです。しかし、そうするには新たなサービスや市場を掘り起こす必要が出てきます。
つまり、結局はインターネットが鍵になります。インターネットの力で、化学反応を起こせるかどうかに未来はかかっています。化学反応を起こし、新たな市場を生みだすことができれば、業界も自ずと拡大するでしょう。
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