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【業界研究】カラオケ業界の現状・動向・課題について

更新日:2024年11月11日

業界・企業研究

2015年、カラオケ業界の2大メーカーが揃って新商品を発表したことで、カラオケボックス市場を中心にフルモデルチェンジしたカラオケ機器が導入されました。

カラオケ業界では一般的に料金は部屋代、飲食代の2つで構成されています。

部屋代は平日と休日、昼間と夜間で異なります。競争が激しい都心部では、平日昼間は300円といった低料金の施設もあります。利用者獲得のため、主婦・子供連れやシニア層を割り引くケースも増えています。このため、飲食メニューを充実させ、売上げアップを狙う施設も多くなっていますが、飲食代の売り上げはおおむね3割程度にとどまっています。

市場動向

カラオケ参加人口、施設数とも横ばい

カラオケ市場はここ数年横ばい状態が続き、カラオケ業界は安定傾向にあります。

カラオケ業界が最も利益を出した1996年の市場規模は1兆3,000億円で、前年比1000億円を超える伸びを見せていました。CDシングルのミリオンセラーが数十作品出ていた時期であり、カラオケとの好循環が生まれていた時代でした。

カラオケ参加人口は、3年連続で微増となっています。カラオケボックスの施設数・ルーム数もここ数年微増となっています。2000年代半ばごろまではレストランを併設した郊外型店舗の拡大が目立っていましたが、現在では、都心・繁華街へのカラオケボックスの出店が再び目立つようになっています。

その他にも、観光バスや結婚式場などでもカラオケ機器が導入されており、規模は大きくはありませんが、安定した市場の形成に一役買っています。

業界の課題

まだまだ少ない訪日客

訪日旅行客が増加するなかで、訪日客が多い地域にあるカラオケ店では看板を英語表記にするなど、各社は対応を進めています。

シダックスは「シダックス 六本木クラブ」に近い「ザ・リッツ・カールトン」などのホテルと連携して、日本独自のエンターテインメントとして、宿泊客にカラオケを勧めてもらうことで、月間で100〜200人前後の訪日客を獲得しているとのことです。

また、第一興商は、ビッグエコー秋葉原駅前店などで英語、中国語、韓国語などの看板を導入しているほか、受付表でも英語で利用時間や料金をわかりやすく説明しています。

しかし、一部の店舗で対応しているだけに過ぎず、まだまだ大きな収入源となっていないのが現状です。

「まねきねこ」の韓国店舗

カラオケ店「まねきねこ」を展開するコシダカは、海外でのカラオケ店事業を強化しています。

現在、韓国のソウルやインチョンなど都市部と郊外で5店舗を展開していますが、これを2020年までに100店舗に増やす計画です。韓国の利用者はほとんどが学生で、若年層を中心に根強いがあります。

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