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【業界研究】警備業界の現状・動向・課題について

更新日:2024年10月06日

業界・企業研究

警備業界の仕事は人々の生命、身体、財産を守る仕事になりますが、日本に警備業が誕生したのは1962年のことです。日本警備保障(現セコム)という会社が、日本初の警備保障会社となりました。

仕事内容

警備業界の仕事は、警備業法という法律で、1号業務から4号業務までの4つに分けられています。

  • 1号業務:施設、空港警備、機械警備(1号業務のみで、日本の警備業界の仕事の50%を占めています)
  • 2号業務:交通誘導、雑踏警備(大勢の人出がある場所での誘導警備になります)
  • 3号業務:貴重品運搬、核燃料等運搬(運送中の現金等の事故発生を警戒し、防止します)
  • 4号業務:身辺警備、緊急通報サービスなど(一般的にボディガードと呼ばれているものです)

①:セコム:8,222億円 ②:綜合警備保障:3,282億円 ③:セントラル警備保障:414億円

①:セコム:601万円 ②:セコム上信越:554万円 ③:綜合警備保障:516万円

業界の動向

中小企業への支援サービス

2015年に施行され、従業員50人以上の事務所に義務付けられた「ストレスチェック」の義務化や、2016年に施行された「マイナンバー制度」に関して、大手2社は対応の遅れが目立つ中小企業の支援サービスを開始しました。

セコムでは、心の健康状態を調べるストレスチェックの実施、データ保管などをまとめたサービスを開始。また、地方銀行と連携してマイナンバーの収集、保管などを安全にできるシステムの提供もはじめました。

ALSOKは、マイナンバーを保管する建物への監視カメラや出入管理システムを提供しています。

ホームセキュリティサービスの普及

ホームセキュリティは、侵入者や火災を感知すると、遠隔地にある警備会社の監視卓に異常信号が送信され、当該建物に警備員が駆けつけるサービスであり、契約件数が増加しています。

2016年の時点で、セコムは契約件数が114万件を超え、法人契約を上回りました。一方のALSOKは37万5,000件です。ホームセキュリティサービスは防災、非常通報、火災監視を基本サービスにさまざまなオプションサービスがあり、顧客にとって利便性がはかられています。

個人の警備

大手2社によって、GPSを活用した顧客の安全確認サービスが普及しつつあります。

具体的には、児童の登下校時に保護者や職員に対して個々の児童の登下校をメールで知らせ未登校の児童を把握するサービス、児童が所持している端末機器から保護者等に身の危険を知らせることができるサービス、児童の所在位置を探索するサービスになります。

セコムでは、そのサービスを児童のみではなく、一般顧客にまで応用しています。顧客が、屋内屋外関わらず身の危険を感じた場合や体の変調をきたした場合に、GPS機能のついた端末ひとつで対応してもらうことが可能となっています。

市場動向

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