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【業界研究】製粉業界の現状・動向・課題について

更新日:2024年11月09日

業界・企業研究

約6億トンの小麦が世界中で生産されていますが、品種や気候によってその特性は様々です。小麦には、粒が硬い「硬質小麦」と「軟質小麦」があります。

製パン大手の敷島製パンは2015年から国産小麦を使用した食パンの販売をはじめました。餃子の王将を運営する王将フードサービスも、店舗で提供する皿うどん以外の麺類に使う小麦粉を国産に切り替えています。

日清フーズのボトルタイプシリーズ

日清フーズは、主力ブランドでボトル入り商品を発売しています。

「日清 クッキングフラワー 薄力小麦粉」「日清 いろいろ作れるから揚げ粉」「日清 サク揚げ天ぷら粉」「日清 小麦粉・卵いらず ラク揚げパン粉」と、これまでに4種類のボトル入り商品を投入していますが、使いたいときに使いたいだけ使える手軽さが消費者のニーズとマッチして、商品となっています。

市場動向

大手4社の売上高

各社の決算報告によると、大手4社の売上高は1兆1,680億円で、前年比4.2%の増加となりました。

各社別の売上高は、 1:日清製粉(5,567億円) 2:日本製粉(3,116億円) 3:昭和産業(2,478億円) 4:日東富士製粉(519億円) となっています。

業界の課題

中小製粉企業問題

製粉業界は、大手4社による寡占が進み、大手4社だけで生産量全体の約78%ものシェアを占めています。

中小製粉企業のなかには、地場で生産される小麦を積極的に引き取り、産地と連携してブランド化し、特色のある製品を生産している企業も出てきていますが、それは中小のなかでも比較的経営基盤がしっかりし、必要な設備投資が行われている一部の企業に限定されているようです。

稼働率が落ち、経営的な体力もなくなっている中小をどうしていくのか、製粉業界全体で考えなければいけません。

囲い込み戦略

製粉業界の売上は、小麦粉を使うパン製造業者、麺製造業者、ビスケット製造業者等(需要家)の動向に左右されます。

製粉事業者と需要家が共同で、地域名を出した小麦粉を使って商品開発を行うことができれば、それは製粉事業者にとって需要家を囲い込むこととなり、安定受注への布石となります。

地域商品を発展させ、需要家にとって代替の効かない製粉事業者になれるかどうかが収益拡大のための鍵となるのです。

業界の今後の将来性

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