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【業界研究】トイレタリー業界の現状・動向・課題について

更新日:2024年11月09日

業界・企業研究

トイレタリー業界は、明治時代以降、石鹸や洗剤を中心に形成されました。そして、日本人の生活様式の欧米化とともに人々の生活に浸透し、経済発展による社会の多様化に合わせて商品も多様化・細分化して、今日に至っています。

各社は、店頭価格の低下を受けて、競合より優れた高付加価値商品を開発することで対抗していますが、これは変動する需要への対応や開発技術においてさらに高いレベルが要求されるということであり、コスト管理などを含めた経営判断を難しいものにしています。

中国市場でのシェア拡大なるか

国内市場の不振を打破するため、トイレタリー業界大手は積極的に海外市場に参入しています。

花王は2016年より、中国の消費者向け越境電子商取引サイト「JD Worldwide」での販売を開始しました。また、PALTACも中国最大の医薬品卸である国薬HDが運営するECサイトを通じて、中国における正規日本製品の販売を開始するなど、中国における消費者向けECの販売拡大に各社注力しています。

ただ、中国市場ではP&G、ユニリーバといった外資系メーカーがすでに1980年代から展開しており、どれだけ市場に食い込めるかが大きな課題となっています。

業界の今後の将来性

内需拡大と海外進出

近年の人口減少や国内市場での冷え込みを受けて、トイレタリー業界各社は内需の拡大と海外進出という2つのキーワードを軸に市場の開拓を進めています。

成熟した国内市場に対しては高付加価値商品を開発することで活性化を促しています。この動きを象徴しているのが液体洗剤の売上増であり、2010年前後を境に液体洗剤の売上は粉末洗剤のそれを上回りました。

各社とも商品に香りのバリエーションや、除菌効果、コンパクト性などの機能性を追加して差別化を図っており、トイレタリー業界市場の緩やかな増加基調の一因となっています。

ただ、今後の成長の鍵を握るのはやはり海外進出になります。ユニ・チャームは国内市場の成熟化をいち早く察知し、1990年代後半よりアジアを中心に海外展開を進めました。その結果、2015年に総売上における海外売上高の割合を61.4%にまで伸ばすことに成功しています。

そして、海外といっても、中国や東南アジアだけではなく、中東諸国、北アフリカ、ブラジルと新興国は存在していることも事実であり、トイレタリー業界の未来は、現地で消費者のニーズを捉え、商品ブランドを構築してシェアを伸ばすことができるかどうかにかかっているといっても過言ではありません。

業界研究本

日本経済新聞社の記者が徹底取材をして、日本の180業界の最新動向や課題、将来の見通しを解説しています。企業間の相関図、企業・製品のシェア、業界のトレンドを示す表やグラフがビジュアライズされており、業界のことが一目でわかるようになっています。業界研究をするにはまず目を通しておきたい1冊です。

国内の全上場企業の業績予想を中心に、所在地から財務情報まで、会社のことを知るのに欠かせない情報をまとめたハンドブックです。就職活動における業界研究から、株式投資といったビジネスユースに至るまで幅広く使えるのがの理由です。

毎月1回発行される化粧品・トイレタリー業界の専門業界誌になります。業界動向、企業分析、新製品情報等のほか、百貨店のメーカー別化粧品売れ行き月間ベスト10が掲載されています。図書館などに置いてあることも多いので、バックナンバーも含めて目を通しておけば業界研究として十分なものになるでしょう。

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