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更新日:2024年11月09日
トイレタリー業界は、明治時代以降、石鹸や洗剤を中心に形成されました。そして、日本人の生活様式の欧米化とともに人々の生活に浸透し、経済発展による社会の多様化に合わせて商品も多様化・細分化して、今日に至っています。
増加する高齢者を中心に「ユニバーサルデザイン」が受け入れられています。
トイレタリー業界は、人口のボリュームやライフスタイルの変化に大きな影響を受ける業界として知られていますが、高齢化社会の到来とともに、各社揃ってユニバーサルデザインを積極的に導入するなど、使いやすさへの配慮をしています。
花王は、シャンプーとリンスを触って識別できるように、ボトルに凸凹のラインを入れています。また、クラシエもボディソープのボトル容器を広口にするなど設計を変更し、詰め替えが楽にできるようにしています。
花王は2015年、グループの子会社を統合しました。
同社は2006年に、産業再生機構からカネボウを4100億円で買収しましたが、カネボウの統合はせずに、カネボウ化粧品のブランドを維持しながら花王ブランドも強化するという戦略を立てていました。
しかし、2013年にカネボウ化粧品が肌がまだらに白くなる「白斑」問題を起こしたことで方向転換を余儀なくされ、別々だった販売子会社を統合するなどカネボウとの一体化に踏み切りました。
今後は、カネボウ化粧品との統合を契機にグループ体制を強化し、さらなる収益改善を目指す考えです。
経済産業省「生産動態統計」によると、トイレタリー製品の2015年の国内出荷額は前年比1.3%増の5,596億1,500万円となりました。
2014年は消費税増税にともなう駆け込み需要があったため、2015年の3月までは前年同月比で減少しましたが、4月以降は持ち直しました。インバウンド消費と合成洗剤の新商品の売上が堅調だったことが要因とみられています。
また、海外市場は、為替が円安傾向で推移したこともあり、売上が堅調となりました。
トイレタリー製品は生活必需品であるがゆえに価格が安いものが多く、トイレタリーメーカー各社が売上を伸ばすには大量の商品を製造・出荷し続けなければいけないという薄利多売の構図になってしまっています。
さらには近年、スーパーやドラッグストアといった小売りが安価なプライベートブランドの販売を開始したことで国内市場は飽和状態となり、メーカー各社への値下げ圧力も強まっています。
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