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「振り返り」の類語と振り返りをする方法・書き方|ノート

初回公開日:2018年03月27日

更新日:2020年02月06日

記載されている内容は2018年03月27日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

書き方・例文

あらゆるコト・モノが目まぐるしく変化する現代社会においては、ゆったりとスキルアップする余裕はなく、一つ一つの経験を着実に自分のスキルとして蓄積していく必要があります。効果的な「振り返り」方法をマスターし、自身の経験をスキルへとステップアップしていきましょう。

「振り返り」をマスターする

「振り返り」をマスターする

ビジネスの世界は、教科書のようなものに沿って学習すればビジネススキルが身につくという世界ではありません。そして、時代も技術も物凄いスピードで目まぐるしく変わっていく現代社会においては、正解のない未知の領域にどのように携わっていくことができるかが求められます。 このようなビジネスの現場ではゆったりとスキルアップを図る余裕はありません。全てのビジネス活動経験を確実に次のチャレンジの糧、あるいはヒントにしていくことだけが変化に対応できるスキルアップの方策となります。 日々の活動を「振り返り」することで、全ての経験をスキルとして蓄積し、未知の領域に踏み込んでいくことができます。 こちらでは「振り返り」の方法を整理し、効果的な「振り返り」方法をマスターすることで、ビジネスパーソンとしてさらなるステップアップをはかります。

「振り返り」とは

「振り返り」とは

「振り返り」とはどのようなものでしょうか。「振り返り」とは、日々の活動の断面を切り取り、より効率的に取り組める方法はなかったか、あるいはうまくいかなかった要因はなんであったかを見極め、次に同様、同類の事項が発生した場合にはどのように対処するかを分析・検討することです。

「振り返り」とPDCA

日々の活動で、「振り返り」すべき事項を見つけて分析・検討することも効果はあります。しかしもっと効果があるやりかたはPlan-Do-Check-Action(PDCA)の一環として「振り返り」を組み込むことです。日々の活動や経験は意識的な活動と無意識の活動組み合わさっています。無意識の活動を続けてもゆったりとスキルは身に付きます。 しかし我々には時に任せてスキルをマスターする余裕はありません。せっかく経験した一つ一つの経験を確実に自身の糧としていくためには、できるだけ多くの活動を「意識的な活動」にする必要があります。 そのような結果になったのは意識的な活動の結果である、だから修正するためにはここをこのように修正したらよいのではないかという分析が効果を発揮します。意識的にとった行動であれば、それを修正したり強化したりすることができます。

「振り返り」ポイントをあらかじめ計画しておこう

そのためにはPDCAのサイクルをはじめから意識し、「振り返り」を実施するポイントをあらかじめPlanしておく必要があります。 例) Plan ・多くの人から有益なアンケート結果を得るためには、あらかじめアンケート内容を事前告知したうえで作業してもらようにしたらどうか →「振り返り」することができるように目的と対応内容を事前に設定します Do ・このようなアンケートをお願いしますので、アンケート内容を意識して作業願います Check ・前回よりは効果的なアンケート結果を得ることができた(計画どおりうまくいったから今後強化できる) ・しかし、アンケート内容を手元で見ることができずアンケート記載時に思い出して内容記載しているケースがありそうだ Action ・次回作業時には一つの作業完了後にすぐアンケートに応えてもらうよう手順を変更してみよう

「振り返り」の類語

ここでは「振り返り」の類語を確認します。ここでとりあげる類語は「振り返り」という用語の類語ではなく、作業や経験を振り返り、次に活用していくという行為としての「振り返り」の類語を確認します。 確認する用語は「感想」「反省」「内省(リフレクション)」です。

「感想」と「振り返り」の違い

ある作業の「振り返り」をする場合、どう思ったかを述べる場合があります。 ・予想以上に時間がかかり辛かった ・手順が整備されておらず、時間のわりにできあがり数が積みあがらなかった 上記は「感想」であって、次に同様・同類作業を行う場合の糧にはなっていません。発生した原因分析や次にどうしたらもっと望ましい結果につながるかといった解析が伴っていないからです。

「反省」と「振り返り」の違い

「反省」は失敗した結果を顧みて直すべきポイントを考えることです。失敗をしてしまった原因は何か、次に同様作業を実施する場合にはどのような対策が必要であるか分析検討します。 一方「振り返り」は失敗した結果だけではなく、うまくいった結果についても要因を分析し、その強化方法についても分析・検討します。 また、PDCAの一環としての「振り返り」ですから、結果を想定した対応内容をPlan時に決定する、という計画時のポイントがあります。Check時にはその対応計画を振り返ります。 例) ・ある効果を想定して検討したAというやりかたでいくことを計画(Plan)した ・実行した(Do)結果はBであった ・当初考えたAというやりかたのCの部分に改善ポイントがあると分析した(Check) ・次回はAを改善したDという方法で対応し(Action)、結果を「振り返り」する

「内省(リフレクション)」と「振り返り」の違い

「内省」とは「自分の考えや行動を深く省みる」ことですが、人材育成における「内省(リフレクション)」とは本人が日常業務や現場から一度離れて、自分の積んだ経験を「振り返り」することを指します。経験を振り返り、糧とするという観点では「内省(リフレクション)」と「振り返り」は全く同じことを指しています。 さらにいうと「内省(リフレクション)」を人材育成サービスとして取り上げている企業もあり、人材育成の重要な手法として認知されています。 人材育成サービスで実施される「内省(リフレクション)」はワークショップ形式で他者を交えて実施する方式が主流です。他者からの問いかけがより深い「振り返り」を得るきっかけとなり、一層の効果が得られます。

「振り返り」をする方法

「振り返り」をする方法

効果的な「振り返り」を実施するためには、できるだけ多くの経験を「無意識」ではなく「意識的」な経験とする必要があります。ある過去の断面を切り取って「振り返り」を実施するのではなく、計画時点で「振り返り」をするポイントと期待値を決めておき、あらかじめ「このような効果を期待して、このような対応をする」と決めた内容について「振り返り」を実施します。 そうすることで、「振り返り」ポイントで期待値にどれくらい近づいたのか、期待値が達成できなかった理由は何で、次に期待値に到達するためにはどしたらよいのか、あるいは期待値を過達して達成できたが、それは何が効果を発揮したのか、もっとよい結果を得るためには何を強化したらよいのかを「振り返り」実施します。 このように「振り返り」を行うことで、多くの経験が自分自身の糧になり、積み上げる高さを高くすることができます。

「振り返り」を実践するときはノートを活用しよう

「振り返り」には、PDCAを記録するノートの活用をお勧めします。事前にPlanしたことを記録しておくことで、「振り返り」を実施するCheckのタイミングで冷静に記載事項に従って「振り返り」を実施できます。 また「振り返り」の結果を記録することで、少し時間を経てから見直した際に、どれくらい自分が成長したかを「振り返り」することが可能となり、短い時間だと実感することができない成長を実感し自信に繋がります。 ノートにはPlanに対してCheckできるようにあらかじめスペースを確保しておきます。見開き左ページを二分割し、一番左にPlanを記載、その右をDo欄として残しておきます。見開き右ページも左右に二分割し、左側をCheck欄、右側をAction欄とします。 振り返り事項が積みあがりますので、Planの欄に記載するときには、十分な余裕を持って記載しておくことをお勧めします。

「振り返り」の書き方の例

「振り返り」の書き方の例

それでは、「振り返り」の書き方、実践方法をシーン別に取り出して確認します。

看護師の「振り返り」を考える

患者さんの生命を預かるために高度な知識と24時間サポートする体力、精神力が必要な看護師は、短い時間で一人前になることが求められます。教育係の先輩とともに「振り返り」を実施することで、先輩とともに体験した経験を確実に実力にしていくことが求められます。

看護師の「振り返り」例 Plan編

・Plan 期間:3/1~3/14 内容:Aさんとともに呼吸器外来の看護技術を体験する 対応内容:✖✖機器と✖✖機器は呼吸器外来にしかないため、1回目と2回目は先輩作業の観察とメモ取り、3回目と4回目は先輩作業の手伝い、5回目、6回目は先輩サポートを受けながら主体的に作業させてもらい、以降は一人で実施できるようにする 目標:スピードを重視するため作業立ち位置を意識して、各対応を実施する ・Do (省略)

看護師の「振り返り」例 CA編

・CheckとAction 1回目:電源投入は患者さんのそばで実施する必要があるが、近すぎると治療の邪魔になりそうだと考えた。 2回目:患者さんの足元近くであれば距離感を保ちながら素早く作業できそうだと考えた。 3回目:患者さんの足元を意識しすぎて、全体状態が把握できなかった。両方を意識するために、勝手にやるのではなく声掛けしてやってみたい 4回目:声掛けがうまくいき、すぐに適切な場所に微修正することができた。 →対応してみて、すぐ「振り返り」を実施し、振り返った要領で再度実行し、その効果を即時で確認することができました。意識的に考えた行動が成果をあげましたので、着実に身につくことになります。

作文の「振り返り」例

作文は正解のある作業ではありません。書き上げた作文について部分部分をレベルアップするために「振り返り」を実施します。少しづつ、ただし着実に実力につなげていくために意識的に記載内容を「振り返り」、「振り返り」の効果を確認し、また微修正するといった「振り返り」の継続が実力をあげていくことになります。 修学旅行に関する作文を例に「振り返り」を実施します。

作文の「振り返り」実践①

・Check いつ何をしてどんなことを思ったかが経過時間にそって列挙されているだけで、その作文をとおして、作者は何を言いたいのかが表現されていない。 ・Action 次回は言いたいことを意識して書いてみる。 ・Plan 修学旅行は人生においてそうそう滅多にない得難い経験であることを実感したので、そう思った自分自身のできごとに絞って、列挙してみる ・Do (省略)

作文の「振り返り」実践②

Check できごとに絞るとどうしても単なる事実の列挙となり「得難い経験」という主観的な思いが表現されない。 ・Action 事実の列挙ではなく、想いの部分を表現するために思った内容を表現してみる ・Plan 「得難い経験」であると認識した想いを表現するために、その時の感動の気持ちを言葉に変換し、会話調で表現してみる ・Do (省略)

作文の「振り返り」実践③

・Check 「得難い経験」と思った雰囲気が伝わるようになってきて、単なる事実列挙から言いたいことが表現される構成に変わってきた。ただし、雰囲気がでてきただけで、読んでいる人はどうして作者がそう思ったのかがわかりにくいと分析した。 →課題部分を自分で「振り返り」することにより、次に活かせる普遍的な対応方法を見出すことができるようになりました。

レポートの「振り返り」例

レポートの「振り返り」例

作文とは異なり、レポートは伝えたいことを客観的に、しかも簡潔に記載、表現する必要があります。想いだけでは事実を把握するためのレポートにはなりません。作成したレポートをレベルアップするため、あるいはレポート作成スキルを向上するために「振り返り」を実践します。

レポートの「振り返り」例 当初「振り返り」

セキュリティに関する新製品に関するセミナーに参加した結果をレポートにして報告する。セミナーに参加する前から製品内容と当社における適用可能領域についてレポートすることが求められていた。 パンフレットも参考に新製品についての機能一覧と製品ベンダが考える適用領域については整理して記載できた。 しかしレポートのもう一つの目的である当社における適用可能領域については、「設置が可能」と記載されているだけで、狙いや効果といった適用目的が記載されていない。

レポートの「振り返り」に基づくPDCA

・Plan 当社におけるセキュリティ強化の方向性を併記し、製品導入の効果がどのように認められるかを記載する ・Do 当社における今後セキュリティを強化しなければならない領域について記載し、そのうえで、強化必要分野の一つに本製品が発揮できる効果が該当することを記載した ・Check 当社において強化が必要な領域に本製品が適合することは理解できるようになったが、本製品がベストマッチかはわからず、またでは今後どうするかという方針は見えてこない。 ・Action 本製品と競合する商品についても併記することとし、製品ごとの差異と得意不得意領域を記載。今後は各製品を事前評価し製品選定に繋がていくという方針を明記した。

PDCAの評価

→製品の単なる説明から、「振り返り」を実施することで当社における製品選定の方向性までを示すという当初目的に合致するまでレベルアップすることができました。 「振り返り」を実施する場合のポイントの一つとして、事前に目標を定め、「振り返り」時に目標との差異を確認することが挙げられます。差異を明確にしたうえで、その差異を埋めるためにはどうしたらよいか、Actionを検討し、微修正を加えます。 正解のない世界では正解に結びつく確たる方式は存在しません。目標との差異を検討しては試し、確認しては試すという「意識的な調整」が、経験を実際的なスキルに落とし込んでいく効果的な方法です。

プロジェクトにおける「振り返り」

プロジェクトとは、プロジェクトマネジメントの世界標準知識体系であるPMBOK(Project Management Body of Knowledge:プロジェクトマネジメント知識体系ガイド)によると「プロジェクトとは、独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施する有期性のある業務」であると定められています。 そして同じくPMBOKにはプロジェクトの経験を次の経験に効果的に生かしていくために、プロジェクトの終結プロセス群におけるプロジェクト統合マネジメント知識エリアのプロジェクト終結プロセスに組織のプロセス資産としてプロジェクト完了報告を残すことが定められており、本報告の中に「Lessons learned」(教訓)として残すことを求めています。その際に用いられる手法が「振り返り」です。

プロジェクトにおける振り返り会

プロジェクトの計画と結果を各成果物より抽出し、プロジェクトメンバー全員で「振り返り会」を開催します。 その中で、良かった点、悪かった点を議論、整理します。 ・良かった点:何をしたら良くいったのか、今後何を強化すればより良くなるのか ・悪かった点:なぜ悪かったのか、あるいは計画との差異が発生したのか。今後何を改善すれば良くなっていくのか 上記内容を成果物としてプロジェクト完了報告の形に整理することで、参加者の経験が、振り返りをとおして組織の経験に積み上げられていきます。 組織の活動としては、個々のプロジェクトの振り返り結果を組織に属するメンバーがいつでも参照できるように仕組みを整理する必要があります。

「振り返り」をマスターして適切に活用していこう

日々のビジネス活動の経験を次のチャレンジの糧、あるいはヒントにしていくためにPDCAと組み合わせた「振り返り」を実践する必要があることを整理しました。 時代も技術も物凄いスピードで目まぐるしく変化していく現代社会において正解のない未知の領域へ踏み込んでいくには、教科書や他人の体験談では対処できません。自分自身の考えで切り拓いていくしかありません。 自分自身の考え方をレベルアップしていくために、効果的な「振り返り」方法をマスターすることで、ビジネスパーソンとしてさらにステップアップしていきましょう。

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