「誘い受け」の意味・使われている場所・「襲い受け」との違い

Twitterやネット掲示板を利用していると、よく目にする「誘い受け」。この言葉の意味をご存知でしょうか。意外とハッキリとした意味もわからず、雰囲気で使用している方もいらっしゃるので、今回は「誘い受け」という言葉の発祥や意味をご紹介します。 「受け」といっても、そのキャラの性格やポジションによって表現がたくさんあります。派生したものや、最近出てきたものもありますので、今回はその中でも「誘い受け」に似たジャンルを詳しく掘り下げてみましょう。同人活動や漫画ゲームに関心のある方にとっては、意味を知ることで創作の幅を広げるきっかけになるでしょう。

誘い受けの意味は、言葉やしぐさで相手を誘って誘惑することです。例えば、有名な台詞として「今日は帰りたくないな」と言って相手を誘惑すること。意中の人の目の前で「なんだか暑いな」と言いながら、意図的に肌が見える仕草をとることも一例とされます。 主に同人界隈で使われたり、漫画・アニメ・ゲームの感想を述べる上で使われる言葉です。しかしSNSが主流になった近年では、対人間でも使われるようになりました。「明日、どこか行きたいな」といった、誰かから誘われることを待つような言動に対して「誘い受け」という言葉が使われる場合があります。

「誘い受け」という言葉がよく使われるのは、恋愛をテーマにした漫画や小説が多いです。作品で扱われている場合、受けの種類や性質として1つのジャンルと見られます。特に同人界隈では、どんなジャンルであっても得意な方と苦手な方が存在するため、「誘い受け」表現がされているかを明記している場合がよく見られます。 次によく目にするのがネット上のSNSや掲示板といった、交流の場所。「映画観に行きたいけど、1人じゃ行けない」と言った発言でも、誘い受けだと思われる場合があります。この場合は、誰かから誘われるのを待っているという意味で使われます。

2chやTwitterでは、誘い受けという言葉は「かまってちゃん」と似た意味で使われるネットスラングの1つです。「今度イベントに参加したいけど、1人じゃ寂しいな」とツイートしたとしましょう。この一言が、誘われることを待つだけで、自発的に動こうとしていないという意味で「誘い受け」と捉えられるケースがあります。 「かまってちゃん」と同じく、ネットスラングとして「誘い受け」は良い意味では使われません。意思表示だけして何もしない人と、疎まれるケースがよくあります。特に2chやTwitterでは過激な言葉が飛び交う場所ですので、そういう意味で呟いたわけでなくても攻撃される場合があります。注意しましょう。

どうして2chやTwitterといったSNSで好まれないかというと、面倒だと思われるからです。それに、ネット上の書き込みでは、多くの方が見るので、本来の意味から湾曲させられて広がることもあります。また、よく意味を知らずに言葉を使う方も稀に見ます。そういった場合、曖昧な知識しかない言葉は使わないようにするか、意味を調べてから使いましょう。 日頃の生活でも、例えばあなたと親しい友人が週末に行くイベントについて話をしていたとします。そこに、急に現れた関係のない知人が「いいなぁ。私もあのイベント気になる」と言ってきたら、少し面倒に感じでしまうケースが多いでしょう。本人に悪気がない分、改善が難しい問題でもありますが、親しい間柄であれば改善に協力してあげましょう。

「誘い受け」という言葉は、今やネット上の人間関係で使われ、耳にすることがしばしばありますが、実はBL作品で使われていた言葉です。BLとは「ボーイズラブ」と読み、男性の同性愛を描いた作品のことを指します。BL作品を始めとした恋愛を描いた作品では、「攻め」と「受け」を設定したカップリングという概念があります。 「攻め」や「受け」は同性愛、異性愛と関係なく使用されることが増えてきました。異性愛で例えると「攻め」は男性側、「受け」は女性側を指します。「誘い受け」は、「受け」が「攻め」を巧みな言葉や仕草で誘惑し、肉体関係へ誘う言動や仕草を意味します。

出典: Free photo: Book, Rose, Pen, Ring, Love - Free Image on P...

「誘い受け」という概念はBLだけに留りません。「百合」と呼ばれる女性同士の恋愛を描いた作品や、「NL（ノーマルカップリング）」と呼ばれる異性恋愛を描いた作品でも使われるようになってきています。異性恋愛であっても男女の立場が逆転する描写も存在します。 カップリングの好みは千差万別で、中には特定のカップリングが苦手な方もいらっしゃいます。時に言い争いになるケースもあるので、同人活動をされている方は、TwitterやPixivでも独自の対策を多くとられています。同人初心者の方は、まず専門用語の意味を知ったり、自分が入りたいジャンルの様子を伺ってから飛び込むようにしましょう。

最初に断っておくと、「受け」の概念は個人差が強く出ます。一般的に「受け」と捉えられやすいキャラであっても、「受け」と捉えられず「地雷」と表現する方も多く居らっしゃることを覚えておきましょう。「受け」に回るキャラは気弱な性格であったり、どこか守りたくなるようなキャラに当てはめられることが多いです。 対して、百合は本来「攻め」「受け」と表現することがありませんでした。というのも、BLでは肉体関係を描写する上での男役を「攻め」、女役を「受け」と表現できますが、女性同士では表現方法が異なります。そのため、百合では両者両役を意味する「リバ（リバーシブル）」や、「タチ（攻め）」「ネコ（受け）」と呼ばれていました。しかし最近では「攻め」「受け」と表現することも増えてきています。

カップリングの定義、立ち回りは個人での価値観が大きく関わります。があるからという考えや、多数派だからといって、そのカップリングが正解というわけではありません。Twitterを始め、最近はPixivを見ると顕著にわかりますが、一般的にマイナーであるカップリングをメインとして活動されている方もいらっしゃるので、個人の価値観を押し付けないよう気をつけましょう。 特にカップリングの世界に慣れていない間は、カップリングにまつわる会話でのトラブルも見受けられます。漫画作品やゲーム作品、芸能分野を取り扱う場合で暗黙のルールがあったり、同じ言葉でも違った意味で使われる場合もあります。作品や同人界隈の事情を理解していない場合は、まず観察することから入るよう心掛けましょう。