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「協議」の意味と使い方|契約/法律・相談/審議/討議との違い

更新日:2024年04月24日

言葉の意味・例文

ビジネスの場でよく目にする「協議」という用語ですが、実は正しく理解せず使っている方も多い用語でもあります。その意味や利用場面、類語である「相談」「審議」「討議」を合わせて整理しています。「協議」を正しく使えるビジネスパーソンを目指しましょう。

とう‐ぎ〔タウ‐〕【討議】の意味 [名](スル)ある事柄について意見を述べ合うこと。「討議を重ねる」「対策案を討議する」 類語:討論(とうろん)、 ディスカッション 関連語:対談(たいだん)、鼎談(ていだん)、 面談(めんだん) 出典:デジタル大辞泉(小学館)

漢字「討議」の「討」の字には、「うつ(攻めて相手を倒す)。敵をうつ。征伐する。」「たずねる。しらべる。さぐる。」「もとめる。究める。」といった意味があります。「議」の「相談する」という意味と合わせて、相談して意見を述べ合うという意味になります。 「協議」は、相談の結果一定の結論を導き出すことが目指されています。一方、「討議」は自由な意見出し、あるいは議題となっている問題などについて、メンバーや関係者で集まって意見を出し合い、問題点の抽出等を行い、この内容が協議をするに値するかどうかを話し合う、という結論となります。

「審議」の意味と「協議」との違いは?

次に、「審議」の意味を確認します。

しん‐ぎ【審議】の意味 [名](スル)ある物事について詳しく調査・検討し、そのもののよしあしなどを決めること。「原案を審議する」 類語:合議(ごうぎ) 協議(きょうぎ) 会談(かいだん) 謀議(ぼうぎ) 評議(ひょうぎ) 出典:デジタル大辞泉(小学館)

漢字の「審」には、「つまびらか。詳しい。明らか。はっきりしている。」「つまびらかにする。こまかい点まで詳しくしらべる。明らかにする。」といった意味があります。そこに「はかる、相談する」という意味をもつ「議」を組み合わせることで、「詳しく調査し」「相談して結論を出す」という意味になります。 「審議」には、会議・機関に提案されたり件を詳細に検討を加え、討議、判定することという意味があります。 「協議」が話し合って結論を導き出すといったような結論を出すプロセスとして存在しており、話し合いと結論出しが等価であることに対し、「審議」は話し合いの意味よりも、相談された事項を、話し合いにて「よいか悪いか」「妥当か妥当ではないか」を「判定」する部分に重きが置かれていることになります。

「討議」→「協議」→「審議」の議論の変遷

上記各語の確認から、次のとおり整理できます。 自由な意見出しである「討議」を行い、「討議」を受けて方向感を決める「協議」が実施されたのち、詳細を決めてから最終確認、判定を行う「審議」に移るという流れです。 実は上記の流れは、国際会議や青年会議所などで会議進行に用いられている「ロバート議事法」に包含されています。

ロバート議事法とは

ロバート議事法とは、アメリカの陸軍将軍であったロバートが定めた議事運営方法であり、その目的は、組織や会合を民主的かつ効率的に運営するために定めた議事運営要領です。 詳細は別途確認するとして、効率的な議事運営要領に小数意見を含めて、意見を整理して組織としての意思を明確にするための流れとして、「討議」→「協議」→「審議」の流れが組み込まれています。 そこには、小数意見を含めた複数の意見を議事参加者で交換することを重視しつつ、多数決を含めた方向性結論付けである「協議」を経て、最終確認を行う「審議」にて採用するかどうかを相談するという意見の民主的な集約を主眼とした流れが明記されています。

「協議」の意味と使い方を正しく理解して適切に対処しよう

意外と正しく理解できていない、「協議」の意味やその使い方について紹介しました。また、法律上、契約上の「協議」の使用要領についても説明しました。 間違いやすい「協議」の意味と、その使い方を正しく理解し、ビジネスシーンで使いこなしていくことができれば、お客様や上司からも認められる存在になります。この機会にしっかりとマスターしておきましょう。

初回公開日:2018年01月24日

記載されている内容は2018年01月24日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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