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「協議」の意味と使い方|契約/法律・相談/審議/討議との違い

更新日:2024年04月24日

言葉の意味・例文

ビジネスの場でよく目にする「協議」という用語ですが、実は正しく理解せず使っている方も多い用語でもあります。その意味や利用場面、類語である「相談」「審議」「討議」を合わせて整理しています。「協議」を正しく使えるビジネスパーソンを目指しましょう。

協議承認の意味

公共施設の建設・建築あるいは開発においては、開発行為者が開発行為を管理主体である自治体に対し、公共施設の設計・計画を事前に協議する必要があります。これは、都市計画法32条に定められています。

都市計画法第32条 開発許可を申請しようとする者は、あらかじめ、開発行為に関係がある公共施設の管理者と協議し、その同意を得なければならない。 開発許可を申請しようとする者は、あらかじめ、開発行為又は開発行為に関する工事により設置される公共施設を管理することとなる者その他政令で定める者と協議しなければならない。 前二項に規定する公共施設の管理者又は公共施設を管理することとなる者は、公共施設の適切な管理を確保する観点から、前二項の協議を行うものとする。

協議により、自治体より許可を得た場合は、「承認」を得たことになります。この場合の「承認」は、自治体など公共団体がその計画に賛同し、法的にも裏付けがとれた状態となります。

協議離婚の意味

離婚にはさまざまな種類が存在しますが、その一つに「協議離婚」が存在します。双方が離婚に同意し、離婚届を提出すれば、その時点で離婚は成立することになります。これを「協議離婚」と呼びます。「協議離婚」では、離婚届に2名の証人による署名捺印が必要となります。 「協議離婚」に対し、「離婚調停」が存在します。こちらは、家庭裁判所に申し立てを行い、男女各1名の調停委員と裁判官の立ち合いで、当事者双方が話し合いで離婚に同意します。ただし、原則として夫婦は別々に呼ばれ、進行されていきます。 調整事項に双方が合意すると、調停調書が裁判所により作成され、離婚調停が成立した時点で法的には離婚が成立します。調停調書と離婚届を役所に提出して手続きは完了します。この場合、証人は必要ありません。

契約書の協議の意味と使い方

物事の契約に際し交わされる契約書に、「誠実協議条項」として「この契約書の条項に疑義が生じた場合は、甲乙協議して決定する」と規程されている場合があります。この場合の「協議」は、契約書当事者で相談する、話し合って解決するということになります。 一般的に、契約書にわざわざ明記せずとも、当事者間のやりとりというものは、「信義に基づいて誠実に協議」するものであります。そこをあえて条項として記載する理由としては、契約書に明記されていない事項が発生した場合に、協議せずに関連する法律どおり、すなわち裁判所で争うといった事態を懸念しているのではないかと考えられます。 契約に先立つ法務的な観点からのチェックに際しても、全ての条項を挙げていくことは難しい、あるいは費用も時間もかかるという事態に本条項の追加により対処できることになります。

法律における協議の意味と使い方

日常用語としての「協議」は、他人と相談するといった軽いものをいいます。一方、法令用語としての「協議」は単なる相談ではなく、十分に意見を交換した上で、両者の意思が合致する場合のことをいいます。 地方自治体など、行政機関が何かを実施する際に、そのことが国や他の地方自治体、あるいは個人に影響があるような場合には、「協議」を実施して合意する必要があります。 多くの場合は、法律に基づき協議会などを設置して、正式な話し合い、意見交換の場を設定した上で、決定を導いていくことが意識されています。

「協議」と似た表現の意味と使い方の違い

「協議」には、似た意味をもつ用語として「相談」などがあります。また、「協議」の類語には「討議」「審議」などがあります。いずれも一定の題目について関係者が集まって話し合いする、という意味があります。しかし、多少のニュアンスについては差がありますから、意味や使い方の違いを中心に整理します。

「相談」の意味と「協議」との違いは?

まずは、「相談」の意味を確認します。

そう‐だん〔サウ‐〕【相談】の意味 [名](スル)問題の解決のために話し合ったり、他人の意見を聞いたりすること。また、その話し合い。「相談がまとまる」「相談に乗る」「友人に相談する」「身の上相談」 類語:打ち合わせ(うちあわせ) 関連語:談合(だんごう)、示談(じだん)、鳩首(きゅうしゅ) 出典:デジタル大辞泉(小学館)

「相談」の漢字「相」は、「助ける、補佐する」といった意味や「互いに」といった意味があります。また、「談」の漢字には「かたる、話す」といった意味があります。この二つを組み合わせることで、相互に話し合うといった意味につながっています。 計画や方針の妥当性について、十分に議論するという部分では「協議」と同じ意味となります。しかし、「協議」は合意する、結論を得る、決定するといった意味も含んでいるので、語感の違いがあります。

「討議」の意味と「協議」との違いは?

次に、「討議」の意味の確認と「協議」との違いについて確認します。まずは、「討議」の意味を確認します。

次のページ:「協議」の意味と使い方を正しく理解して適切に対処しよう
初回公開日:2018年01月24日

記載されている内容は2018年01月24日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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