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「相当」の意味と使い方|法律・相等/同等/相応/該当との違い

更新日:2024年04月13日

言葉の意味・例文

「相当」という言葉の意味をきちんと調べたことがありますか?特に意識しなくても、多くの人が「相当」という言葉を使っていますが、突然、法律などの文章で「相当」をみかけると、意味の解釈に戸惑うこともあります。本記事では、「相当」の意味や使い方についてご紹介します。

「同等」とは、「程度・等級などが同じであること。同値」の意味です。「相当」の意味と比べてみると、「ほぼ」という意味が、抜けていることがわかります。「同等」も、完全一致を意味しています。 【文例】 ①技術者2種の資格は、新制度の初級技術者と同等の扱いになります ②技術者2種の資格は、新制度の初級技術者に相当します ①の文では、二つの資格は全く同じものとして扱われるという意味になります。②の文では、二つの資格は、ほぼ同じものとして扱われますが、状況によって、異なった扱いとなる可能性もある、という意味を含んでいます。

相応(そうおう)

「相応」とは、「ふさわしいこと。つりあっていること」という意味です。「相当」も「ふさわしい」という意味を含んでいますが、「つりあっていること」の意味も伝えたい場合は、「相応」が適切な言葉です。 【文例】 ・自分の能力に相応した、大学を選択する ・身分不相応な暮らし 文例で使用している「相応」は、どちらの文にも「ふさわしい」という意味のほか、「つりあっている」の意味も含んでいます。これらを、「相当」で言い換えてしまうと、「自分の能力に相当した大学」「身分不相当な暮らし」となり、「能力や身分に見合った選択対象」という意味やニュアンスが、表現できません。

適合(てきごう)

「適合」は、「ある条件や事情にぴったり当てはまること」を意味します。「相当」が、「ほぼ同じ程度」と、一致に関する程度をぼかしているのに比べ、「適合」は、完全一致を意味しています。つまり、一致の程度をぼかしたい場合は、「相当」を使い、完全一致を表現するならば「適合」を使用することになります。 【文例】 ・血液型が適合したので、輸血を行うことができた この文例を「適合」から「相当」に言い換えてしまうと、大変なことになります。血液型が完全一致していないにもかかわらず、輸血を行ってしまったという意味に変わってしまいます。

該当(がいとう)

「該当」とは、「ある条件・資格などに、当てはまること」という意味です。「相当」には、「ふさわしい」という意味はありますが、何かにあてはめるという意味はないので、「相当」と「該当」では、意味の重なりはないといえます。 【文例】 ・条件に該当する物件を求めて、不動産屋巡りをした ・条件に相当する物件を求めて、不動産屋巡りをした 文例にあげた「該当」を使った場合の文章では、「条件と一致する物件を探している」という意味になります。「相当」を使った文章では、「条件の一部が一致したり、条件をほとんど満たしている物件を探している」と読み取ることができます。

「相当」の意味と使い方を押さえておきましょう

「相当」には、複数の意味があり、「名詞・形容動詞」として使った場合と、「副詞」として使った場合では、全く違うニュアンスになってしまいます。しかし、日本で育ち、日本語を使い続けてきた人は、「名詞だから」とか「副詞だから」と考えて、意味を判断しなくても、会話や文章の流れから、容易にどちらの意味か判断できています。 「相当」という言葉の使い方として、特に意識しなくても、おそらく、正しい使い方ができているものと、考えられます。しかし、この機に「相当」の持つ意味をしっかり理解し、日常の中でも、法律の中で語られる「相当」であっても、臆せず、周囲の人に解説できるくらいの、自信を持ちましょう。

初回公開日:2018年01月12日

記載されている内容は2018年01月12日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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