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「座して待つ」の意味・由来と使い方・例文|類義語・対義語・英語

更新日:2024年10月18日

言葉の意味・例文

「座して待つ」という言葉の由来や意味をご存じでしょうか。本記事では、「座して待つ」の意味や使い方を例文で説明しているほか、語源や英語での表現についても紹介します。「座して待つ」を使った会話をしてみたい方は、是非チェックしてみて下さい。

「座して待つ」という言葉があります。 「座して待つって格好良い言いまわしだけれど、どうやって使うんだろう」 「ぼんやりしてるだけなんだけど、座して待ってるって言えるのかな」 「英語で、座して待つは何て言えば良いんだろう」 使ってみたいと思っても、このような疑問が浮かんできて、使うことをためらう人も多いのではないでしょうか。 本記事では、「座して待つ」という言葉の語源や由来に始まり、いろいろな使い方や言い換え表現、英語では何と表現するのかといった知識を紹介しています。 この記事を読むことで、「座して待つ」という言葉の意味を正しく理解し、どんな場合に使えばいいのかを知ることができます。 語彙力を増やし、「座して待つ」という言葉を使いこなしてみたい方は、是非この記事をチェックしてみてください。

「座して待つ」の意味・由来

みなさんは、「座して待つ」という言葉を聞いたことがありますか。「座して待つ」を普段から使う人は少なく、「座して待つ」は馴染みのない言葉でした。 しかし、元東京都都知事の石原慎太郎氏が、豊洲市場問題で責任を問われているときに、会見で「(豊洲市場問題について)座して死を待つつもりはない」と発言したことで、多くの人にその言葉が認識され、意味や語源が注目されるようになりました。 「座して待つ」とはどのような言葉なのかわからない人は、「座して待つ」の意味や語源、類語、使い方を確認しましょう。

何もしないでただじっと待つこと

「座して待つ」という言葉は、「座して死を待つ」という表現から「死」を取ったものです。 「座して死を待つ」という言葉は、物事の解決をするためにこれから努力することを表現した言葉です。しかし、この言葉に「死」という単語が含まれることから、相手に不吉な予感を感じさせたり、重たいという印象を与えたりするので、「死」を取った表現ができたのです。 「座して死を待つ」から「死」が取れて「座して待つ」という言葉になりました。本来あった「傍観する」や「黙って見過ごす」という意味合いの他に、「忍耐強く、じっと座っている」ひいては「何もしないで、ただじっと待つこと」という意味を持つようになったのです。

諸葛孔明の「惟(ただ)坐(ざ)して亡(ほろ)ぶるを待つ」に由来

「座して待つ」の本来の表現である「座して死を待つ」という言葉は、「惟(ただ)坐(ざ)して亡(ほろ)ぶるを待つ」という言葉に由来しています。 これは三国志で有名な諸葛亮孔明が「後水帥(こうすいし)の表」の中で述べたものです。「惟坐而待亡、孰與伐之」という一文で、「座して死を待つよりは出て活路を見出さん」と訳すことができます。 孔明が弟子に対して教えを説いたときの言葉で、「何もやらずにじっとしているくらいなら、やるだけやってその中から人生の選択肢を見出したほうが良い」と意味になります。

読み方は「ざしてまつ」

「座して待つ」を品詞ごとに分解すると、「座する」と「待つ」の2つの動詞に分解できます。 「座する」は「座る」の意味で「ざ(する)」と読みます。「待つ」は「ま(つ)」なので、「座して待つ」は「ざしてまつ」と読むことになります。

「座して待つ」の使い方・例文

「座して待つ」の意味や語源を理解したところで、具体的にどのように使うのか例文を見ながら確認しましょう。 「何もしないでじっと待つ」という意味で使うときには、以下のような例文が作れます。 ・この国の次の王に相応しい後継者が他にいないことから、あの人はただ座して待つだけで王の肩書が手に入ります。 ・犯人の手掛かりが全く見つからないのを、私は座して待っていました。 ・座して待つばかりでは、この国の経済はますます悪化するばかりです。 では、「座して待つ」の後ろに他の言葉がつくと、どのように使えるでしょうか。例文を一緒に見ていきましょう。

座して待つより~

諸葛亮孔明の有名な言葉である「座して死を待つよりは出て活路を見出さん」は、「座して待つ」ことよりも「行動した方が良い」もしくは「行動すべきだ」という意味合いで使われています。この言葉のように、「座して待つより」を使うときは、その後どのような行動するのかを示す文を後ろに入れて使います。 ・座して待つより、競合他社のトレンドを調査して対抗策を練りましょう。 ・座して待つよりも、自分から行動することが大切です。

座して待つしかない

「座して待つ」には、「何もせずにじっと待っている」という意味合いがあります。「じっと待つ」ということは、何かの手を打つわけでもなく、一切の関与をせずに待っているだけ、ということなので、「事態を傍観しているだけ」という意味にも取れます。 したがって、「待つ」以外のことができないのが「座して待つしかない」なので、例文は次のようになります。 ・私たちは、手術を終わるのをただ座して待つしかない。 ・合格発表を座して待つしかないので、とても不安だ。

座して待つのみ

「座して待つのみ」は、理由はどうであれ自分が行動に移さず何もしない方がかえって良いときに使う表現です。自分が行動できない状態で、解決策が見出せずにただ待っているときに使うこともあります。 ・これからの2人の関係は彼の動向によるので、私はただ座して待つのみです。 ・この問題は上層部の人間が解決策を考えるため、それ以外の社員は座して待つのみの状態になりました。

座して死を待つ

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初回公開日:2017年12月18日

記載されている内容は2017年12月18日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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