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「遺憾」の意味と用例・「遺憾」には謝罪/怒りの意味はない

更新日:2024年10月03日

言葉の意味・例文

「遺憾に思う」という言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。この「遺憾」とはどのような意味なのか知っていますか?日常会話ではあまり使わない言葉ですが、記者会見などでよく使うこの「遺憾」という言葉についての意味と使い方、例文をご紹介しますので、ご参照ください。

「○○は、この決断に遺憾の意を表した」などのように、使われる表現です。この「遺憾の意」とは、「残念に思う気持ち」のことです。 (例文) 「政府は、北朝鮮に「遺憾の意」を伝達した。」 「○○は、日本のこの決定に遺憾の意を表しました。」

「遺憾」の用例と意味:遺憾ながら

「遺憾ながら」とは、「残念ながら」という意味です。たとえば、以下のように使います。 (例文) 「遺憾ながら、○○の会議を欠席させていただきます。」 「誠に遺憾ながら、採用を見送らせていただきます。」

「遺憾」の用例と意味:遺憾なく発揮

「遺憾なく発揮」という表現があります。これは、「いかんなくはっき」と読み、「持てる力を余すことなく使い切ること」を意味します。たとえば、以下のように使います。 (例文) 「実力を遺憾なく発揮する」 「彼の芯の強さが遺憾なく発揮された。」 「その才能を遺憾なく発揮されることを期待しております。」

「遺憾」をよく使うイメージのある人

「遺憾」という言葉をよくニュースで耳にするでしょう。この「遺憾」という言葉は、どういった人が使うのでしょうか。ここでは、「遺憾」という言葉を使うイメージのある人をご紹介します。

「遺憾」をよく使うイメージのある人:政治家

政治家は、よく「遺憾に思います」とか「極めて遺憾に思う」という表現で「遺憾」を使っています。たとえば、他国が自国に不利益なことをしたという場合に、記者会見などで「極めて遺憾に思います」などと言います。 これは、「大変残念に思う」「相手に対して非難の気持ちがある」ということです。相手に対する直接的な非難ではないため、後で問題になることが少なく使いやすい言葉です。そのため、政治家はこの言葉を多用します。

「遺憾」をよく使うイメージのある人:経営者

従業員が不祥事を起こした場合に、経営者が記者会見などで「遺憾に思います」とこの「遺憾」という言葉を使うことがあります。たとえば、以下のように使います。 (例文) 「この度、弊社社員が起こした不祥事につきまして、誠に遺憾に思います。」 または、何かしらの取引に失敗したという場合にも使われます。 (例文) 「今回の○○プロジェクトにおいて、貿易交渉を締結させることができず、大変遺憾に思います。」

「遺憾に思う」は責任逃れ?

「遺憾」という言葉には、「残念に思う」とか「心残りである」という意味があることがわかりましたが、そういった気持ちを伝えることは、相手への批判や非難とも受け取れます。 政治家が記者会見でこの言葉を使用するのは、自国に不利益なことをした相手国への残念な気持ちや非難を表しますが、具体的なことへの非難や行動、怒りなどは表しません。

「遺憾」は使い方によっては無責任

従業員の不祥事などで、経営者が「遺憾」という言葉記者会見で使うと、その様子が「どこか他人事のようだな」と受け取られる可能性があります。 「遺憾に思う」というと、何か真摯な態度を示したかのように受け取りがちですが、実はただの気持ちの表れであって、具体的に怒りを表したわけでも決意を表したわけでもないということからです。 「遺憾」の意味を知っている人にとってみれば当然です。「遺憾」は便利な言葉ですが、ただの自分の気持ちの表現だということを覚えておきましょう。

「遺憾」には謝罪の意味は含まれていない

よく勘違いされていることに、「遺憾」という言葉に謝罪の言葉が含まれていると受け取っている人がいるということがありますが、「遺憾」という言葉には、謝罪の意味は含まれていません。 不祥事や悲しい事故があったときにコメントを求められて「誠に遺憾に思います」と言ったとしても、それは「大変残念に思います」という意味であって、相手への謝罪ではないということです。

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初回公開日:2017年12月09日

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