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「お電話差し上げる」は正しい敬語表現なのか・使い方と例文

更新日:2024年02月02日

敬語表現

ビジネス上「お電話差し上げる」という表現を聞いたことがある方は多いでしょう。この「お電話差し上げる」とは正しい敬語表現なのでしょうか。また、類語表現にはどんなものがあるのでしょうか。「お電話差し上げる」についてまとめましたのでご参照ください。

「お電話差し上げる」は正しい敬語表現なのか

ビジネスシーンにおいて、電話応対は非常に重要です。電話の相手も上司や取引先、顧客など気を遣わなければならない人ばかりです。そのような電話応対でよく使う言葉として「お電話差し上げる」という表現があります。 しかし、この「お電話差し上げる」という敬語表現は、正しいかどうかで賛否両論ある言葉です。ここでは、「お電話差し上げる」の表現が正しい敬語表現なのかについて紹介します。

「お電話差し上げる」の敬語表現は正しいのか

「お電話差し上げる」という表現は、「お電話」と「差し上げる」に分解できます。そして、「差し上げる」とは謙譲語であり、また「お電話」も「電話」の丁寧語として頭に「お」をつけた言葉です。結論から言えば「お電話差し上げる」は、間違った敬語ではなく正しい敬語だといえます。 「お電話差し上げる」という表現は、例えば、次のように使われます。「わかりました。では、後ほどお電話差し上げます。」ビジネス上の電話応対として使用する場合は、「お電話差し上げる」の語尾を丁寧にして「お電話差し上げます」という言い方で使うことが多いです。

「差し上げる」は謙譲語

「お電話差し上げる」の「差し上げる」とは、「あげる」とか「与える」の謙譲語です。謙譲語とは、自分の行動をへりくだって表現することで、相手への敬意を払う表現です。この表現は、どんな場合でも使って良い表現ではありません。 「差し上げる」という表現は、相手に恩恵を与える時のみに使える表現です。これを間違えてしまうと、相手にかえって不快な思いをさせてしまう表現になります。例えば、次のようになります。「あなたに教えて差し上げます。」 もし、相手が強く望んでおり、貴方の立場が上の場合であれば、この表現も悪くはないでしょうが、通常のビジネスの取引でこの表現で言われたら、相手を不快にさせてしまいます。表現を間違えると「差し上げる」は、上から目線の表現になるということです。

「お電話差し上げる」は目上の人にも使える

目上の人に対して「お電話差し上げる」というフレーズを使うのは問題ありません。前述したように、「お電話差し上げる」は正しい敬語表現だからです。しかし、最近では「お電話差し上げる」という表現をあまり良く捉えない方も増えています。 「差し上げる」という謙譲語は、前述の「教えてさしあげましょうか」などの使い方によっては、上から目線な言葉に聞こえるという理由からです。「差し上げる」という言葉は、相手にとって何かしらのメリットや得となる物をあげる時には問題ありませんが、そうでない場合には、上から目線で「あげてやった」というニュアンスとなるからです。

「お電話差し上げる」は正しい敬語表現だが違和感を感じる人もいる

では「お電話差し上げる」の場合の電話は、相手にとってメリットや得なのでしょうか。ビジネス上の電話応対では、相手に得か否かによって表現を変えているわけではありません。電話内容が相手にとって得か否かは関係なく、「お電話差し上げる」という表現を使うために、人によっては、どこか上から目線で言われているような違和感を覚える人がいるということです。 しかし、この「お電話差し上げる」という表現は敬語表現としてや誤っていませんし、電話応対マニュアルでもよく載っている表現です。そのため、目上の人に対しても「お電話差し上げる」という表現を使うことは問題ありません。

「お電話差し上げる」の言い換え表現

「お電話差し上げる」という表現が、目上の人に対しても使ってよい表現であると説明しましたが、それでも違和感を覚える人がいることが気になるという場合は、以下のように言い換えた表現にしてみることもできます。  ・「お電話させていただきます。」 ・「ご連絡いたします。」  ・「お電話させていただければと存じます。」 ・「こちらからかけさせていただきます。」 ・「折り返させていただきます。」 ・「お電話いたします。」

「お電話差し上げる」の言い換え:お電話させていただく

「お電話差し上げる」の類語表現として「お電話させていただく」という表現があります。これは、「電話する」の「する」をへりくだった表現にしたものです。「差し上げる」は、「あげる」とか「与える」の謙譲語ですので、「する」の謙譲語の「させていただく」であれば、相手に上から目線だという誤った認識を持たれずに済みます。

「お電話差し上げる」の言い換え:ご連絡いたします

「お電話差し上げる」の類語表現として「ご連絡いたします」という表現があります。「電話」という言い方ではなく、「連絡」という言葉に言い換えて、暗に「電話で連絡します」ということを表しています。 ただし、状況によっては、相手がメールで連絡が来るのか、電話で連絡が来るのか判断できない場合もありますので、その場合は「電話でご連絡いたします」と連絡手段を明示しておくと良いでしょう。

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初回公開日:2017年12月05日

記載されている内容は2017年12月05日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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