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更新日:2024年10月11日
皆さんは「気をやる」という言葉をご存知でしょうか。現代ではあまり聞き慣れない言葉ですが、江戸時代にはよく使用されていた言葉です。では、江戸時代のどのような場所で使用されていたのでしょうか。「気をやる」の意味を理解すると、その場所も見えてきます。
ここまでも「気をやってはいけない」という例文を使い、「気をやる」の使い方をご紹介しましたが、他にも「気をやる」を使用する会話文は多くあります。もちろん、ここまで説明しましたとおり、江戸時代で「気をやる」という言葉が使用される場所は遊郭がほとんどです。 しかし、遊女にとって「気をやる」ことは恥ずかしいことでした。そのため、「気をやる」という言葉を使用する場合、ほとんどが否定的な内容で使用されます。先ほどご紹介した「気をやってはいけない」も否定的な言い方です。 今回、「気をやる」の意味や使い方、類語についてご紹介しました。最後に、この「気をやる」という言葉を日常的に使用していた女性達について少しですが紹介します。
まずは遊女について説明しますが、遊女を知る前に、彼女たちが働いていた遊郭についてご紹介します。遊郭とは、皆さんもご存知のとおり、今で言うところの風俗店です。よく歴史の話にも出てくる吉原が非常に有名です。しかし、吉原の遊郭は非常に敷居が高かったため、多くの男性は入ることができず、憧れの地とも言われていました。 その遊郭で働く女性達を主に遊女と言います。彼女たちは基本的に遊郭から出ることは一切許されなかったと言います。遊女は27歳になるまでは遊郭から出ることが許されないというルールがあり、例外として外に出るには、身請けされた場合のみとなります。外の世界を10年もの間、知ることができないため、寂しく、虚しい思いをした女性も多かったでしょう。 さらに、遊女は体を男性に売ることが商売です。今のように性病に関する知識も薄く、治すことも簡単ではなかった時代です。そのため、27歳になれば外の世界に出ることが許されるものの、27歳にならずに亡くなってしまう女性も多かったと言います。非常に悲しい時代です。
遊女と女郎は一緒だと思われている方が非常に多いです。しかし、実際には少し違う点があるということをご存じでしたか。 遊女は性行為を提供するお仕事ですが、元々は舞踊やお琴など芸能的なサービスも行っていました。位の高いお店である遊郭で働く女性を遊女と言い、その中でも特に位が高い遊女が花魁と呼ばれます。 一方、女郎は家族の借金のカタとして、女衒(ぜげん)と呼ばれる人身売買業者に売り飛ばされた女性達を指します。したがって、遊女とは遊郭に入る経緯が違う上、中には遊郭ではなく、宿場とされる宿泊場所で体を売らされていた女性達も多かったと言います。これが遊女と女郎との違いです。 もちろん、最初は下っ端から始まり、良いお客さんに気に入ってもらうことで、花魁までのし上がっていくことも可能でした。そこまで登りつめることができれば、退職時に良い男性の元へ嫁ぐことができたり、より良いお店へ出向くことができます。
いかがでしたでしょうか。今まで歴史小説を読んでいると、今回ご紹介した「気をやる」など、「この言葉の意味がわからない」という経験があったという方もいらっしゃるでしょう。 しかし、今回この記事で「気をやる」という言葉の意味や使い方、さらには使用していた遊女達について簡単にですが理解して頂けたのではないでしょうか。ぜひ、もう一度歴史小説を手に取り、改めて読み直してみてください。
記載されている内容は2017年11月30日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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