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「お手数をおかけして」の意味・目上の人へ使うのは失礼か

更新日:2024年01月15日

言葉の意味・例文

よく耳にする「お手数ですが」「お手数をおかけします」の意味や使い方はご存知ですか?よく似たフレーズや類語、シーンに合わせた使い方についても例文を交えながらご紹介しております。社会人として恥をかかないようにビジネスマナーを身に付けましょう。

「お手数をおかけして」はどんな時に使う?

『お手数をおかけしまして』の意味と解説

まず「お手数」というのが何かをするにあたって必要となる労力や行動の事をいいます。ここでは『手数をかける』なので、相手の方が自分のために労働や行動をおこし、時間を費やしてくれるという意味になります。 そしてよく似た言葉として『手間をかける』というのがあります。「手間」というのも「手数」と同じで、何かをするにあたって必要となる労力や行動の事をいいますが、「手間」の場合は対象者に自分自身がふくまれます。 なので、『手間をかける』は自分自身が労働や行動をおこし時間を費やすことをいいます。分かりやすくいうと「手間」の対象者は自分自身と相手をさします。「手数」の対象者は、自分自身はふくまず、相手のみをさします。なので「手数」は掛ける、または掛けてしまうものをいいます。「お手数を掛けさせてしまい、申し訳ありません」とは言わず、『お手数をおかけして、申し訳ありません』となります。

『お手数をおかけしまして』はどんなふうに使われてるのか

『お手数をおかけしまして』の基本的な使用例は、『お手数をおかけしまして~』と使用します。ですが、使用法を間違うと失礼にあたるので気を付けて使いましょう。 例えば、よく耳にする「お手数をおかけして、すいません。」はビジネス用語としては失礼にあたいします。「すいません」というフレーズが目上の方やかしこまった場で使用するのは好ましくないです。使うときは気の知れた仲間内、上司や取引先だけに使用するようにしましょう。 他の使い方としては、クッション言葉として使用します。『お手数をおかけしまして』というフレーズは相手の方に要求しにくい内容の時などに使用すると、言葉の印象が優しくなり相手の方に頼みごとがしやすくなります。

「お手数をおかけして」によく似たフレーズは?

『お手数をおかけして』とよく似た表現で使われるフレーズをご紹介していきましょう。 まずは、『ご面倒をおかけして』というフレーズは『お手数をおかけして』の時と同じく、相手の方にお願いや依頼など、何かを要求する際に使用します。『ご面倒をおかけして、申し訳ありません』というように、相手の方に手間をかけさせてしまったことに対し、お詫びの気持ちを込めた言葉として使用いたします。ですが、一般的には『お手数をおかけし』の方が丁寧な表現として好まれます。 他には、『ご迷惑をおかけして』という表現があります。この表現は、自分が起こしてしまった行動や状況(失敗)のために、相手に悪い影響、迷惑をかけてしまった場合などに使用します。『ご迷惑をおかけし、申し訳ありません』というように、相手への謝罪に近い表現になります。 また、『お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします』のフレーズは使用できますが『ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします』と使用するのは失礼になりビジネスマナー違反になるので、使用しないように注意しましょう。

「お手数をおかけして」はとても丁寧な敬語

『お手数をおかけして』というフレーズは凄く丁寧な敬語になります。細かく解説しますと、『お手数をおかけして』の「おかけします」は「かける(掛ける)」なので、謙譲語である「お~する」に言い換えると、「おかけする」になり、「ます」を使っているので丁寧語になります。 また、ここで使用されている「かける(掛ける)」には、「相手に○○をかける」と使用されます。たとえば、「相手に迷惑をかける」、「相手に負担をかける」など相手に何かを強いるという意味で使われます。ですので、『お手数をおかけして、申し訳ございません』は直訳すると、「手間(労働、面倒)を強いて、すいません」となります。

『お手数おかけ致します』は二重敬語になる?

『お手数をおかけいたします』は一見、「お手数」に「いたします」を足した二重敬語ではないかと思われがちですが、謙譲語の中に「お~する」と同じように、「お~致す」という用法があるため、『お手数をおかけいたします』は二重敬語ではなく正しい表現になります。 ですが、文章内容によってはしつこく感じてしまうことがあるので、前の文章の内容とバランスを考えながら注意して使用するようにしましょう。

目上の人へ「お手数をおかけして」と言うのは失礼か

『お手数をおかけして』というのは、相手の方に、お手間(労働、面倒)をわずらわせてと、申し訳ないと、気を使っている言葉になるので、『お手数をおかけして』というフレーズは失礼にはなりません。だだ『お手数をおかけして』のあとに続ける言葉に問題があります。 よく何気に使用している『お手数をおかけして、すいません』はビジネス用語としてはタブーです。問題があるのは「すいません」のフレーズです。謝罪で使用するならば『お手数をおかけして、申し訳ございません』が適切です。 会話の上ではさほど違和感はありませんが、メールなど文章にすると、略式になりすぎていてカジュアルな感じがでるので、やはり好ましくありません。ただ、気心の知れた仲間内や、上司に使用するには、問題はありません。

シーンにあった「お手数をおかけして」を使いましょう

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初回公開日:2017年11月17日

記載されている内容は2017年11月17日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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