IT人材のためのキャリアライフスタイルマガジン

「お伺いしたい」の意味・正しい敬語か・使い方と使用例

初回公開日:2017年12月08日

更新日:2020年05月29日

記載されている内容は2017年12月08日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

敬語

ビジネスシーンでよく聞く「お伺いしたい」という言い方ですが、ちゃんとした使い方をできていますか。実は間違いやすい言い回しや、意味によっての使い分けなどご紹介します。避けて通れない「お伺いしたい」のご自分の使い方を、改めて確認してみてください。

「お伺いしたい」間違いなく使えていますか

耳にする機会が多く、頻繁に使われている言葉でも、その意味と似たような言葉との違いをわかって区別した使い方ができている人は、実は多くはないのではないでしょうか。 ビジネスシーンでの電話や訪問時などをはじめ、インタビューなどでテレビでも聞く機会もあるので社会に出る前から耳にする機会も多く、知っているつもりの「お伺いしたい」「お伺いします」という表現について、改めてご説明します。この機会に正しい使い方と言い換えの表現方法など、確認してみましょう。

「お伺いしたい」の意味

「お伺いしたい」の意味
※画像はイメージです
出典: https://pixabay.com

「伺う」の意味

「伺う」は、聞く・尋ねる/問う・訪れる/訪問する、のすべての謙譲語にあたる敬語です。そこに希望、要望を表す「~したい」が付随した「お伺いしたい」は、直訳すれば「聞きたい」「尋ねたい(質問したい)」「訪問したい」と言った意味となります。日常的に使われるのもそのどちらかでしょう。 謙譲語ですので「お伺いしたい」を使うのは自分自身、もしくは自分側の人間(自社の人間、家族など)のみです。目上の人や取引先などには原則として使用してはいけません。

訪問を表す「お伺いしたい」

訪れたい・訪問をしたい、をへりくだって相手に伝える時に使われるのが「お伺いしたい」です。多くの場合「お伺いしたいのですが」や「お伺いしたいと思います」など相手のスケジュールを気遣うようなシーンで使われます。 【例】 ・「それでは明日15時にお伺いしたいと思いますが、ご予定いかがでしょうか」 ・「実物を見ていただきたいので一度ご自宅にお伺いしたいのですが」 ・「弊社の○○と二名でお伺いしたいのですがよろしいでしょうか」

聞くを表す「お伺いしたい」

聞くの謙譲語でもある「伺う」、「聞きたい」といった意味合いの謙譲語はあまり使う機会がないように思えますが意外とあるものです。「拝聴する」「拝聞する」よりもカジュアルな表現で「お聞きする」の類語としても使えますので「伺う」に単なる「聞く」の意味合いがあることは覚えておくと便利です ・「じっくりとお話をお伺いたいところですが、次の予定が迫っておりまして」 ・「先生の講演であればわたしもお伺いしたいです」 ・「次はぜひ○○についてのお話をお伺いしたいです」

質問をしたいときの「お伺いしたい」

「訪ねる」「問う」の謙譲語にあたる「お伺いしたい」はテレビなどでも聞くことのある言い方でしょう。会見やインタビューなどで質問をしたい相手、質問したい内容などをあらかじめ述べる時に使われます。 【例】 ・「次に○○さんにお伺いします」 ・「○○の時の心境をお伺いしたいのですが」 ・「それでは会場の皆様にお伺いします」

「お伺いしたい」は正しい敬語か

人によっては「お伺いしたい」「お伺いします」などは間違った敬語だから使わないようにと言われたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし一方で、ビジネスマナーの本や会社の研修などで「お伺いしたい」というように指導をするケースもあります。 また、お伺いしたいと全く同じく「伺いたい」という言い方も使われます。「お伺いしたい」は本当に正しい敬語なのか、どこが問題なのか、「伺いたい」と何が違うのか、「お伺いしたい」の敬語についてご説明します。

二重敬語

「お伺いしたい」は二重敬語にあたるので失礼だ、使ってはいけないという考え方もあります。二重敬語とは尊敬語・謙譲語などの敬語を二重に使ったもので、現代の日本語マナーにおいては過剰であるとしてふさわしくない、反対に失礼だとされています。ビジネスや公的な場、特に文語としての使用は避けましょう。 謙譲語である「伺う」にさらに謙譲語の「お~なる」を付けることで、二重敬語となりますが、「お召し上がりになる」「お見えになる」などと同じく習慣として定着しているとして文部科学庁文化審議会答申の「敬語の指針」(平成19年2月2日)に載っており、国として「敬語として使用しても問題ない」と言う認識となっています。

(2) 「二重敬語」とその適否 一つの語について,同じ種類の敬語を二重に使ったものを「二重敬語」という。例えば「お読みになられる」は「読む」を「お読みになる」と尊敬語にした上で,更に尊敬語の「……れる」を加えたもので,二重敬語である。「二重敬語」は,一般に適切ではないとされている。ただし,語によっては,習慣 として定着しているものもある。 【習慣として定着している二重敬語の例】 ・(尊敬語)お召し上がりになる,お見えになる ・(謙譲語Ⅰ)お伺いする,お伺いいたす,お伺い申し上げる

「お伺いしたい」と「伺いたい」

「お伺いしたい」は先に述べたとおり、現代の日本語としては間違いではないということがわかりました。では似たような表現で「伺いたい」という表現もあります。どちらを使うのがより良いと言えるのでしょうか。 「伺う」という言葉では謙譲語のため、「お」を付けることは従来の日本語では間違いとされていました。そのため敬語の基本をご存知の方であれば「お伺い」という言葉に違和感を覚える方もいらっしゃるでしょう。「伺いたい」は、その際に推奨されるべき本来の正しい日本語です。 結論としてはどちらを使ってもビジネス上は問題はありませんが、とくに敬語に対して厳しい方へ対しては、意識的に「伺いたい」を使うと良いでしょう。

「お伺いさせていただきたい」「お伺いいたしたい」

「お伺いしたい」という形は間違いではなく「伺いたい」同様に現代ではただしい敬語として使うことができます。では、それ以外にビジネスシーンで聞こえてくる「お伺いいたしたい」「お伺いさせていただきたい」という形はどうなのでしょうか。

「お伺いいたしたい」は二重敬語

ビジネスシーンで聞かれる「お伺いいたします」ですが、前にご紹介した「お伺いします」に、さらに「する」の謙譲語「いたす」を足した形になります。「御(お・ご)」+「伺う」(謙譲語)+「いたす」(謙譲語)となりますので明らかな二重敬語となります。 「お伺いしたい」と同様に、慣例的に使われているフレーズではありますが、敬語の指針では触れられておらず、現代日本語としても正しい敬語である根拠がありません。特別な理由がなければ「お伺いいたしたい」は使わず、「お伺いしたい」もしくは「伺いたい」を選択するほうが良いでしょう。

「お伺いさせていただきたい」は要注意

「お伺いさせていただきたい」に含まれる「~させていただく」という言い回しも良く聞かれるものですが、こちらも注意が必要です。「させていただく」は自分に恩恵のある場合にのみ使用することができます。この訪問の目的が、例えば契約をもらう時などであれば「させていただく」自体は間違いではありません。 しかし前述のとおり「伺う」自体が謙譲語なため、「伺う」(謙譲語)+「させていただく」(謙譲語)は二重敬語となります。そのうえ、訪問の目的次第では言葉の間違いも加わってしまうので間違いだらけの敬語となってしまいます。「お伺いさせていただきたい」が癖になってしまっている方もいるかもしれませんが、今後は使わないようにしましょう。

用途別「お伺いしたい」の使い方

メール

メールでの「お伺いしたい」の使い方は主に「アポイント」となるでしょう。相手とのアポイントは電話の方がスムーズではありますが、忙しくなかなか直接連絡の取れない相手ではメールになることもあります。メールは文字のやりとりで履歴が残るため、日時の間違いや行き違いなどがなくメリットもあります。 メールでのアポイントの場合は、「◯月○日◯時にお伺いします」ではなくある程度の余裕を持って相談します。例えば「来週中」や「◯月○日の午後に」など相手が選ぶことのできるような提案の仕方をしましょう。後で例文をご紹介します。

電話

電話でのアポイントの際も「お伺いしたい」を使用します。日時の幅を持たせるなど、基本的なマナーはメールの時と同じと考えて良いでしょう。 電話ではそれ以外にも質問をするときの「お伺いしたい」使われます。「◯◯の件お伺いしたいのですが今よろしいでしょうか」などと相手のことを気遣う際や取次ぎの際に用いられます。 ビジネスメールはなるべくわかりやすく簡潔に書くため、「お伺いしたいのですが、」などの言葉はメールが長くなり読みづらくなったり、曖昧な受け取り方をされる恐れがありますので省いたほうが良いでしょう。

「お伺いしたい」の使用例

お伺いしたいと思います

訪問を希望する際に使われる言い方で、主にアポイントを取るときに用いられます。 【例】 ・「◯月◯日か◯日の午前中でお伺いしたいと思いますが、ご予定いかがでしょうか」 ・「一度御社へお伺いしたいと思いますので、ご都合のよろしい日を何日かいただけますか」

お伺いしたいことがあります

こちらは質問をするときの前置きとして良く使われる言い回しです。いきなり質問に入るより相手に受け入れる姿勢を取ってもらう時間ができるため覚えておきましょう。「お伺いしたいことがございます」はこのさらに丁寧な言い方です。 【例】 ・「お伺いしたいことがございますので、折り返しご連絡ください」 ・「○○についてお伺いしたいことがあります、今お時間よろしいでしょうか」

お伺いしたいのですが

こちらはどちらの「質問」「訪問」どちらの意味にもとることができるので気を付けましょう。文脈で判断しにくい場合には別の言い方に言い換えましょう。 【例】 ・「来週のどこかでお伺いしたいのですがご都合いかがですか」(訪問希望) ・「◯◯の件についてお伺いしたいのですがご担当の方はいらっしゃいますか」(質問希望)

お伺いしたい所存です

こちらも使い方次第で訪問、質問両方に該当します。大変堅苦しい印象になるため、文章、もしくは謝罪などの畏まった場面では使用しても良いでしょう。それ以外は前述した言い回しで十分丁寧な言い方と言えます。 【例】 ・「先生にお目にかかれましたら、○○についてお伺いしたい所存です」(質問希望) ・「ぜひとも直接ご挨拶させていただきたく御社までお伺いしたい所存です」(訪問希望」

「お伺いしたい」は必ずマスターしたい言い回し

ビジネスシーンでよく聞く「お伺いしたい」という言い回し、それだけになんとなく聞いたままに使ってしまっていたことありませんか。「お伺いしたい」は営業などのアポイントを取る職種だけでなく、電話口などでもよく使われる言い回しですので、多くのビジネスマンにとって避けることのできない言葉です。 使い方や使用の注意点などをしっかりと理解しておきたい言い回しですので、この機会に改めて「お伺いしたい」の言い方をマスターしておきましょう。

関連タグ

アクセスランキング