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「していただく」の意味と使い方・敬語・漢字と言い換え方法

初回公開日:2017年11月24日

更新日:2020年06月05日

記載されている内容は2017年11月24日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

敬語

ビジネスの場ではさまざまな敬語表現が使われますが、その中でも特によく使われる表現の1つが「していただく」です。この表現はどのような意味があり、またおもにどのように使われるのでしょうか?頻繁に使われる「していただく」という表現の意味や使い方を見ていきましょう。

「していただく」の意味と使い方はどのようなもの?

仕事の中で正しい敬語を使うことができるというのは、ビジネスマンにとっては必要不可欠なスキルです。そして、ビジネスの世界では365日24時間中さまざまな敬語が飛び交っています。敬語が飛び交う場も会社の中やパソコンの画面、電話口などさまざまです。 一口で敬語といっても、その中でよく使われるものもいくつかあります。その中の1つとして挙げられるのが「していただく」という表現です。「してくれる」の敬語の形となっていますが、この「していただく」という表現の意味やその使い方の例はどのようなものが挙げられるのでしょうか。

特定の方に何らかの行動をとっていただくこと

「していただく」という表現は、特定の敬意を払うべき方に何らかの行動をとってもらうこと(つまり、その方が何らかの行動を「してくれる」ようにすること)を意味します。その「特定の敬意を払うべき方」とは、会社の上司や役員(社長を含む)の場合もあれば、取引先の企業の関係者、さらにお客様の場合もあります。 発言する人が「していただく」を使う場合は、その対象となる人がその場にいてもいなくても、その方に対して敬意を示していることとなります。 例えば、会社に取引先の方に来ていただくのであれば「お越しいただく」という表現になり、目上の方に何か食べてもらうのであれば「召し上がっていただく」という表現が使われます。

「了承していただく」とはとどのつまり、どういうこと?

「していただく」がよく使われる例として、「了承していただく」という表現があります。実際のビジネスの現場では、多くの場合、「了承していただきますよう」や「了承していただけますか」といった表現で使われます。 「了承」とは、辞典に書かれているうえでは「事情を汲んで納得すること、承知すること」を意味します。つまり、何らかのよくない事情があった場合やそれが予想される場合、受け手側に対して「不快に思われることもありますけれど、どうかご理解ください」というニュアンスで使われる場合が多いです。 このため、「了承していただく」がよく使われる状況としては、何らかのトラブルがあった場合に対応する際などが挙げられます。

「していただく」を漢字で書くと?

「していただく」の意味や使い方についてあらかた見てきました。 ところで、この表現はひらがなで書かれることが多いように見えますが、漢字で表記した表現は存在するのでしょうか? ここでは、それについて見ていきましょう。

「して頂く」という表記に

「していただく」を漢字で書くと、「して頂く」という書き方となります。「頂く」は「もらう」「食べる」「飲む」の謙譲語で、もともとは何かのものを特定の敬意を表すべき方から受け取った場合、その方のことを敬うために使う表現です。 例えば、ある目上の方のお宅で食事をごちそうになった時は、「お食事をいただきました」というような表現をします。 ちなみに、「いただく」には「頂く」のほか、「戴く」という漢字の表記もあります。こちらの方は本来は「頭の上に載せる」という意味があり、使われ方としては自分よりも非常に目上の方から物品を受け取った際に使われます。

「いただく」はひらがなと漢字とでは使い方が少し違う

「していただく」を漢字で書くと、「して頂く」という表記になることを見てきました。実は、「いただく」の部分はひらがなで書く場合と漢字で書く場合とでは使い方が若干異なってきます。 まず、ひらがなで書く場合は、補助動詞として動詞の後につけて使います。「召しあがっていただく」や「閲覧していただく」というような使い方を例に挙げることができます。 「していただく」をメールや文書の中で書く人の中には、「召し上がって頂く」や「閲覧して頂く」という表記を使う人が少なくありませんが、本来は「頂く」ではなく「いただく」と書くのが正式な使い方です。 一方の、「頂く」の方は「もらう」の謙譲語として使われるため、名詞にそのままつけて使います。「お食事を頂く」や「おみやげを頂く」というような使い方がそのよい例です。

「していただく」は敬語でもどのようなカテゴリー?

「していただく」は見た目がそのまま敬語です。それでは、敬語にも尊敬語や謙譲語、丁寧語というカテゴリーがありますが、「していただく」はそのうちのどれに当てはまるのかを見ていきましょう。 結論から先に書くと、「していただく」は謙譲語の仲間とされます。これは先ほども見たように「いただく」が「もらう」「食べる」「飲む」の謙譲語であることと、ひらがなで書く場合は動詞につけて使う補助動詞であるためです。

「していただく」の尊敬語で表すと?

「していただく」が「してくれる」の謙譲語の仲間であることはわかりましたが、ついでに「していただく」「してくれる」の尊敬語にあたる表現も知っておきたいところです。いったいどのような表現となるでしょうか? 尊敬語で表現する場合は、「してくださる」という形になります。つまり、目上の方が何らかの行動を自ら進んでやってくれる場合に使われる表現です。 例えば、「御社が新規プロジェクトに参加してくださることに感謝いたします」という場合は、噛み砕いて考えるならば、相手の会社が新規プロジェクトに自ら進んで参加してくれることに感謝する、という意味合いになります。

「していただく」と「してくださる」はどう違う?

それでは、ここまで見てきた「していただく」と「してくださる」はどのように違うのかについても見ていきましょう。特に「していただく」が謙譲語で、「してくださる」が尊敬語であるという違い以外の点を見ていきます。 両者の主な違いとしては、使われる状況にあるといえます。まず、「していただく」の場合は、敬意を表すべき相手に何かをやってもらう際にお願いをするときに使われることが多いです。 よくお願いの際に、「していただきたいのですが」や「していただけけますか」といった表現が使われます。相手に何かを依頼する場合、はっきりと「してください」というよりも、ある程度オブラートに包んでお願いする言い回しが日本語ではよく使われるため、間接的な「していただく」を使う頻度が増すといえます。 「してくださる」は主に相手が何らかの行動を主体的にした場合の感謝や敬意を示す際に使われます。「してくださり感謝しますや「してくださって助かります」といった言い回しで使われることが多いです。

動作の主体が自分か、相手か

また、動作の主体にも違いが見られます。「していただく」の場合は自分が、「してくださる」の場合は相手がその動作の主体といえます。 例えば、自宅に相手の人が来る場合は、「自宅にお越しいただく」ということであれば、「自分が相手に頼んで自宅に来ていただく」ということになります。一方で、「自宅に来てくださる」ということであれば、「相手の方が自主的に自宅に来てくださる」という違いです。

使うべき状況に迷ったらどちらでもよい

「していただく」も「してくださる」もこのように状況によって使い分けするという点で違いがありますが、もしその使い分けをするべき状況でどちらを使えばよいかに困ったら、どのようにすればよいのでしょうか? そのような場合は、どちらを使ってもかまいません。というのは、「していただく」も「してくださる」も基本的にはそれほど違いはなく、先ほど見てきたのもあくまでも「こういう状況で使われる傾向にある」というだけのことであるため、厳密にこの状況ではどちらかを使わなければいけない、というわけではないからです。 このため、「していただく」のかわりに「してくださる」を使っても、またその逆でも十分に相手に意味は通じるので心配をする必要はありません。

「していただく」を使う際に気を付けるべきこととは?

「していただく」を使う際に気を付けるべきこととは?
※画像はイメージです
出典: Caution - Free pictures on Pixabay

「していただく」が謙譲語表現の敬語であり、ビジネスの中でもよく用いられることはここまで見てきたとおりです。 しかし、敬語表現でビジネスの中でもよく使われる以上、使い方を誤ると上司や取引先の方などからの評価が下がる場合もあります。どの点に気を付けて使えばよいかについてここでは見ていきましょう。

状況や使い方次第では失礼な言い方に聞こえる

ビジネスの中でよく使われ、かつお願いの場面でよく出てくる「していただく」ですが、使い方次第では相手にとって失礼に聞こえる場合もあります。 それは、いわゆる「上から目線」な態度で「していただく」を使う場合です。「していただく」という表現そのものは謙譲語の形を取っており、本来は相手を上げるために自分がへりくだる体裁ですが、その際の態度が強圧的であれば逆に相手にとっては慇懃無礼と取られかねません。 このため、お願いなどの際に「していただく」という表現を使うのであれば、その際の態度にも気をつけなければいけないといえます。

「していただく」の類語や言い換えの方法とは?

「していただく」という表現についてここまでいろいろと見てきましたが、それでは「していただく」と同じ意味や似たような意味の表現は他にもあるのでしょうか? ここでは、「していただく」と同じような表現や似たような意味の表現についていくつか取り上げていきます。ぜひとも覚えて、ビジネスの場などで役立てていただければ幸いです。

「するようにさせる」

「していただく」からすればくだけた表現ですが、その意味は「していただく」と同じように「相手に何かをさせる」という点では変わりはありません。 ただし、この表現はもちろん目上の方を対象として使うには不適切な表現です。むしろ、その人に何かを強制的にやらせるというニュアンスが強いため、あくまでも部下や同年輩、年下の人などを対象に使うようにしましょう。

「してもらう」

こちらも意味としては「相手に何かをさせる」という意味ですが、主に相手に何かをお願いするときによく使われます。 ただし、こちらも同じく主に相手へのお願いの際によく使われる「していただく」と違い、敬語表現ではありませんので、目上の方を対象に使うには不適切な表現です。

「していただく」は上手な使い方を

「していただく」についてその意味や使い方などをメインに見てきましたが、いかがでしたか? ビジネスの場でよく使われる表現ですが、相手の立場や状況などに応じて丁寧に使っていくことが大切です。また、非常によく似た表現として「してくださる」もありますが、こちらもあわせて使いこなせるようになると、より円滑なコミュニケーションができるようになります。 「していただく」や「してくださる」を使いこなせるようになるのは大切ですが、相手に対する態度も丁寧にすることによってこれらの表現を活かすことにもつながりますので、その点をいつも念頭に置くことも大切です。

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