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「ありがとう存じます」の意味と使い方・正しいのか・敬語

更新日:2024年02月13日

敬語表現

日常生活で使う事が少ない「ありがとう存じます」とは、どのような意味があるのか。「ありがとう存じます」とは、正しいのか、敬語なのか、気になる事でしょう。社会人の常識として、知っておくべき言葉です。ここでは、「ありがとう存じます」について、紹介していきます。

「ありがとう存じます」の読み方とは?

「ありがとう存じます」は、「ありがとうぞんじます」と読みます。嬉しい時や助かりますという場面などで、思いを表明する時に使う丁寧な言い回しです。 例えば、助けてくれた相手に「助けてくださいまして、ありがとう存じます」や「大変お世話になり、ありがとう存じます」などの言い回しになります。 「ありがとう存じます」をそのまま読むと、「存じます」は、「おもいます」の意味があるので、「ありがとう」と「おもいます」を足して、「ありがとうおもいます」になります。これだと、変な読み方になります。

「ありがとう存じます」と「ありがたく存じます」の違いは?

「ありがとう存じます」と「ありがたく存じます」は、両方とも感謝の気持ちを表す言葉です。しかし、それぞれ意味が異なります。 「ありがとう」の場合は、自分の気持ちを相手に伝える言葉です。手助けをしてくれた人に対して「ありがとう」と言います。 「ありがたく」の場合は、自分の気持ちを自身に言う言葉です。自身が誰か何かに対して感じた時に「ありがたく」と言います。 そもそも、「ありがたく」が「ありがとう」に変化します。「く」が「う」に変化する事を音便と言います。この場合は、ウ音便になります。音便については、次の項目を参照して下さい。

音便とは?

音便とは、言葉が発音しやすいように、単語の一部の音が変化する事です。音便には、イ音便、ウ音便、促音便、撥音便の4種類があります。ここでは、「ありがたく」の「く」が「ウ」の音になるので、ウ音便です。 ウ音便では、形容詞の連用形が「存じます」や「ございます」を下に伴う場合に多く使われます。例えば、「ありがとう存じます」や「ありがとうございます」です。本来は、「ありがたく存じます」が正しいですが、「く」が「う」に変化する事によって、「ありがとう存じます」となります。 「ありがとう存じます」より「ありがとうございます」の方が、日常生活で多くの人が聞き慣れた言葉だと言えます。

「ありがとう存じます」は敬語なのか?

会話をする時や、文書を送る時などに敬語は使われます。「ありがとう存じます」の「存じます」は、「おもいます」です。これは、丁寧な敬語です。「ありがとう」に「存じます」と付ける事で、相手に敬意を払った表現になります。社会人の常識として、正しく使いましょう。

敬語について

敬語とは、話し手が相手に対して敬意を表す言語表現です。敬意の表し方によっては、尊敬語、丁寧語、謙譲語の3種類があります。 敬意の表し方は、それぞれ意味が異なります。ここでは、「ありがとう存じます」についての事なので、謙譲語になります。それぞれの意味を次の項目で説明していきます。

敬語の種類と意味とは?

尊敬語とは、その人自身や、行動、所有物や環境などを高めて表現する事で、相手に対する敬意を表します。「いらっしゃる」や「おっしゃる」などに使われます。 丁寧語とは、接頭語の「お」や「ご」を付けたり、語尾の「です」や「ます」を付けたりする事です。丁寧な表現をする事で、相手への敬意を表します。 謙譲語とは、自身や自身の行動、所有物や環境など、へりくだって表現する事で、相手に対する敬意を表します。 この3種類は、どれも相手が自身よりも上の場合に用いられる敬語です。

「ありがとう存じます」は方言なのか?

方言とは、標準語に対して、ある地方で用いられる言葉です。「ありがとう存じます」は、現代では、使われる事が少なくなりました。「ありがとう存じます」が多く使われていたのは、江戸時代です。江戸時代に上方で使われていた上方語です。 上方語とは、江戸時代に京都と大阪を中心に用いられた方言です。この時代は、多く使われていました。上方だけではなく、全国にも比較的通用し、一種の共通語のような感じで使われていました。 現代では、「存じます」が「ございます」へと省略形に変わった事で、「ありがとう存じます」と耳にしなくなったと言えます。

相手に敬意を払う表現を使いましょう!

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初回公開日:2017年11月29日

記載されている内容は2017年11月29日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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