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「こんにちわ」と「こんにちは」はどちらが正しいのか・違い|メール

更新日:2024年04月17日

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挨拶といえば、欠かせないもののひとつが「こんにちは」ではないでしょうか。あなたの頭の中に浮かんだのは「こんにちは」ですか。それとも「こんにちわ」ですか。今回は、「こんにちは」と「こんにちわ」のどちらが正しいのか、どうして2つ存在するのかなどについてご紹介します

「こんにちわ」と「こんにちは」はどちらが正しいの?

最近のニュースなどテレビでも取り上げられていますが、日本人の日本語の使い方の間違いについて議論されています。テレビで議論されるほど、使い方が難しいのが日本語です。 その中でもよく目にするのが、挨拶である「こんにちわ」と「こんにちは」の2つではないでしょうか。この2つは、挨拶の言葉ですので、使用する機会も多い言葉です。では、「こんにちわ」と「こんにちは」はどちらが正しいのでしょうか。

挨拶の語源は?

「おはよう」の語源は、「お早いおつきでございます」という歌舞伎の座長を出迎える下っ端の者の挨拶だといわれています。今も昔も、歌舞伎の舞台にはかなりの準備時間が必要です。 確かに、あの化粧を施すだけでもかなりの時間を要します。他にも衣装やリハーサルなどを考えると、開演時間よりかなり早く来なければいけません。 このような場面に、相手をねぎらうための挨拶でした。このことからもわかるように、「おはよう」は相手をねぎらう意味が強い挨拶であり、その証拠に「おはよう」には挨拶の中で唯一後ろに「ございます」をつけられます。 一方、「こんばんは」の語源は、「今晩は良く冷えますね」や「今晩は星がきれいですね」など、本来ならば後ろに挨拶の言葉が続いていました。しかし、いつしか後ろの挨拶の言葉が省略されて、前半部分が固定されて、「今晩は」となりました。 では、肝心の「こんにちは」はどうでしょうか。「こんにちは」の語源は、「今日はご機嫌いかがですか」という挨拶を全て言ったり表記したりするのが大変なので省略した表現です。 こうして、後半部分を省略し、前半部分の「今日は」を残しました。つまり、「こんにちは」か「こんにちわ」の問題ではなく、昔の表記は「今日は」でした。

正しいのはどっち?

挨拶の語源を知り、漢字表記にしてみるとよくわかりますが、「こんにちは」と「こんにちわ」で、正しいのは「こんにちは」です。元々は、「今日は」と書かれていたのですから、最後の「は」は助詞です。助動詞ですから、間違っても「わ」ではありません。 そもそも、小学生のときの国語の授業で最初に教えられたときは、「こんにちわ」ではなく「こんにちは」だったでしょう。このことから考えて、正しい日本語表記は「こんにちわ」ではなく「こんにちは」です。

「こんにちわ」と「こんにちは」の違いとは?

「こんにちわ」と「こんにちは」は、文字だけ見るとさほど違いは感じませんが、その根底には何か違いがあるのでしょうか。「こんにちは」と「こんにちわ」に違いがあるとすると、どのような違いなのでしょうか。

「こんにちは」とはどんなもの?

「こんにちは」は語源の中でも紹介したように、「今日は」として、日本で古くから使われ続けてきた言葉です。 そもそも、日本に存在する辞書には「こんにちは」は掲載されていても、「こんにちわ」は掲載されていないでしょう。もし、掲載されていたとすれば、誤用としての掲載ではないでしょうか。 「こんにちは」というのは、それほど正しい日本語として認識されている言葉です。確かに、「今日は」はしっくりきますが、「今日わ」はどことなく違和感がありませんか。 パソコンなどで文章を作成するときには、「こんにちわ」と入力すると「こんにちは」に直されるケースもあります。

「こんにちわ」とはどんなもの?

では、「こんにちわ」はどのような言葉なのでしょうか。「こんにちわ」は、比較的若い人たちを中心に使われるようになった言葉です。 若い人たち同士で挨拶をするときには、「こんにちは」ではかた苦しいのであまりつかいません。「こんにちは」をフランクに言い換えた「こんちわっす」や「こんちわ~」や「ちわ~」のように、省略した挨拶を使います。 このように省略したときに、「は」ではなく「わ」を使うことが多いので、「こんにちは」も「こんにちわ」を使う人が多いのでしょう。 しかし、この「こんにちわ」はただの間違いと言いきってしまえないくらい使う人が増えていることをあなたはご存知でしょうか。 このように、間違った日本語を多くの人が使うというケースは何も「こんにちは」と「こんにちわ」だけではありません。 現在では相手を気遣う意味で使われている「大丈夫」という言葉は、もともとの意味は「丈夫な男児」という意味でした。「にやける」という言葉は、「ニヤニヤしている様」を表しているようですが、もともとの意味は「なよなよしている」という意味です。 全てあげようとするとキリがないくらい、昔の意味と今の意味が違ってしまった日本語というものは存在します。 そのため、「こんにちは」が正しくて、「こんにちわ」は正しくないといっていられるのは今だけなのではないでしょうか。 このまま、時がたつにつれて「こんにちは」より「こんにちわ」を使う人の方が増えれば、正しい日本語が「こんにちは」ではなく「こんにちわ」になる日がくる可能性もあります。 今は「こんにちは」が正しい表記ですが、「こんにちは」から「こんにちわ」になる日もくるのではないでしょうか。

「こんにちわ」と「こんにちは」はなぜ間違えられるの?

「こんにちわ」と「こんにちは」は、「こんにちは」を初めて小学校の国語の授業で教わったときのことを考えると、どちらを使うべきかわかるでしょう。 しかし、ここでひとつの疑問が浮かんでくるのではないでしょうか。なぜ「こんにちわ」という間違った言葉が生まれたかということです。 確かに、小学校の国語の授業では正しい表記である「こんにちは」を習いました。それなのに、どうして間違った表記である「こんんちわ」が、これほどまでに多く使われるようになってしまったのでしょうか。 これには、2つの理由が考えられます。

「こんばんは」との関係によるもの

1つ目の理由は、「こんばんは」との関係です。この「こんばんは」も「こんばんわ」とどちらが正しいか迷う言葉です。 しかも、昔は「こんばんわ」が正しい言葉であるとされていました。こうなると、2つの挨拶の言葉が混同してしまうこともあり、どちらが「は」で、どちらが「わ」なのか分からないという人が続出してしまいました。 こうして、挨拶の言葉は「こんにちは」と「こんばんは」が正しいという、今の形になりました。

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初回公開日:2017年11月06日

記載されている内容は2017年11月06日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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