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前略を使う際の注意点と例文・草々と早々・拝啓との違い

更新日:2024年01月24日

書類の書き方

『前略』と『拝啓』はどう違うのか?『前略』はどんなときに使うのか?前略を使う際の注意点は?さらに『草々』と『早々』はどう違うのか?など、例文を交えながら解説します。手紙の基本形式(構成)や、頭語や結句と呼ばれる手紙言葉についても、あわせて解説します。

ビジネス上の取引先であっても、苦情・督促には前略が妥当です。使い方としては、「前略 ○○の代金お支払いの件についてお伺いいたします。」などとして、緊迫した状況であることを伝えます。 また、社外への納期延期依頼など業務上で急を要する内容のメールには、「前略 ○○の納入日につき、延期のお願いを差し上げます。」というような使い方もできます。

手紙で前略を使う場面

お見舞いの手紙には前文を省略することもあります。「前略 このたび入院されたとお聞きし大変驚いています。」と、事情を知ったこと、驚いていることを伝えてから本題に入ります。 お詫びの手紙での「前略」の使い方としては、「前略 ○○さまにお詫びしなければならないことが生じました。」など、手紙を書くことになった動機を伝えます。また、「前略 先日はご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。」など、謝罪の言葉から入ってもいいでしょう。

前略の結びは?

「前略」の結びは「草々」です。頭語には決まった結び言葉があり、結句といいます。末文の最後に使います。行末から一字分ぼど上で終わるように書きます。

前略の結びは草々だけ?

「前略」に使える結句は「草々」の他に「不一」や「不尽」があります。「冠省」という前略に似た意味を持つ頭語にも対応します。「前略」「冠省」に対応する「不一」と「草々」を重ねて、「草々不一」とする使い方もあります。 女性の場合は「かしこ」という結句も使えます。

早々は間違い

「前略」の結句として「早々」は使いません。ビジネス上のメールなどでは、「早々」を見かけることもあります。字面も似ていますし、受ける印象も妥当な感じがします。ですが、少なくとも手紙においては、「前略」の結句に「早々」はありません。 言葉の使い方というのは、時代の流れに合わせて変わっていきます。今後、「早々」がスタンダードになっていく可能性も十分にありますが、現状では「草々」を使いましょう。また、「かしこ」は、ビジネス上では使わない方がいいとされています。

前略と拝啓の違い

「拝啓」も頭語です。意味は、「謹んで申し上げます」と、なり「前略」と共に、一般的な手紙には最も使われる頭語です。違いは「拝啓」のあとには前文がくるということです。 「拝啓」のあとには時候の挨拶、安否の挨拶と続け、本来の形式にのっとり書いていきます。親しい間柄においても使われますし、その際は柔軟に時候の挨拶だけにしたり、安否の挨拶だけにしてみたりと、横書きの手紙と合わせて使い方は工夫できます。「拝啓」の結句は「敬具」です。 より、あらたまった手紙には「拝啓」の代わりに「謹啓」を使います。「謹啓」の結句は「謹言」となります。意味は同じですが、儀礼的な手紙の場合に使います。

前略は使えない?

主に、「前略」について説明してきました。意外にも使える場面、使い方が限られていると、感じませんでしたか。頭語というのは手紙の内容や送り先との関係によって決められます。自分が書く手紙は誰に、なにを伝える手紙なのか。それを明確にすることが大切です。1つの言葉を持ち出してきて、使い方を考えるというのはそもそも矛盾しています。 現代では、手紙を書く機会というのは、それほど多くないでしょう。しかし、手紙の形式や構成、ルールには、普段のメール、会話に活かせるヒントが多くあります。自分が言いたいことではなく、相手のことを第一に考える。相手の立場になってみる。手紙の根本はここにあります。 良き手紙を書けるようになることは、相手のことを想像する力を身につけることでもあります。「前略」の使い方を中心として、手紙について解説してきました。明日からの、メールや会話にも『手紙の心』は活かせます。 相手を思いやり、想像し、今までよりも円滑な人間関係を育みましょう。

初回公開日:2017年10月24日

記載されている内容は2017年10月24日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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