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更新日:2024年08月10日
蓮根のイメージが強い蓮ですが、蓮や睡蓮は蓮華と総じて仏教では神聖な花とされています。その花言葉は生態や古代の象徴性または神話が由来となっているものが多く、古くから人に高潔・高貴な印象を与えていたことが分かります。今回は、蓮と睡蓮の花言葉について説明しました。
黒蓮華の象徴性は分かりませんが、仏教の中で描かれることがあった花色です。実際に黒色をした蓮華は存在していないため、濃い青色をしたものや青色が枯れなどで黒味を帯びた姿が黒色に見えたと考えられています。話上でも青黒いと言われており、そのことが現代でされている推測につながっています。 金蓮華は如来や浄土で用いられることが多い色で、実際には見られません。ヒマラヤの聖地に咲いているとも言われていますが、その花は蓮華ではないと考えられます。日本でも購入可能な珍しい植物として地湧金蓮(ちゆうきんれん)という品種がありますが、名前の由来は「地から湧いた金の蓮」です。しかし蓮の仲間ではなく、バショウ科ムセラ属性の植物です。
スイレン科スイレン属の睡蓮は、蓮と混合されることが多い植物です。5月~9月に開花時期を迎え、白色・ピンク色・黄色などカラーバリエーションを持ちます。別名はwater lily(ウォーターリリー)で、学名はNymphaea(ニンファー)と言います。この学名の由来となった存在はNymph(ニンフ)で、神話上に登場する精霊の一種です。 ニンフは個人を指す言葉ではなく、その精霊の総称とされています。学名の由来となったのはギリシャ神話に登場する勇猛なヘラクレスに捨てられたと語られるニンフで、捨てられた惨めさから川に身投げしました。その時、ニンフは水辺の精霊に変化したそうです。人がいる時は睡蓮の姿をし、人がいない時は精霊の姿で過ごしたとされます。
「滅亡」「信頼」「信仰」「甘美」「優しさ」「純情」「純粋」「清純な心」「潔白」の花言葉が付けられており、「滅亡」は先ほどのニンフのお話が由来とされています。ニンフが身投げした川はナイル川と考えられていることから、睡蓮にはナイルの花嫁という別名が存在します。また、睡蓮を折ろうとすると水中に潜む魔物に引きずり込まれるという言い伝えがあります。 「純粋」「純情」「清純な心」「潔白」の花言葉は、花色の1つである白色のカラーイメージから付けられたとされます。天使の羽や白無垢、白大蛇や白百合の話から分かりますが、世界的に白色には神聖なイメージや清らかなイメージが持たれます。その連想およびイメージが、これらの花言葉に影響しているようです。黄色には「優しさ」「甘美」の花言葉があります。
「信頼」はピンク色の花言葉で、「信仰」は睡蓮が古代エジプトに於いて太陽の象徴とされたことに由来します。睡蓮は朝になると花が咲き始め、夕方になると閉じる生態を持ちます。その様子が、太陽を好む姿勢を思わせたとされます。このことに関しては、ワヲタとその恋人が描かれたロマンチックで悲恋な言い伝えが存在しています。以下、言い伝えの概要です。 ワヲタ(太陽)と恋人の女性が湖のほとりにいましたが、恋人の両親は交際に反対したそうです。その苦しみによって、恋人は湖に飛び込んでしまいます。ワヲタは救けに行きましたがすでに彼女は消えており、そこには睡蓮が咲いていました。以降、ワヲタ(太陽)が出ている間だけ睡蓮(恋人)が咲くようになりました。
「清らかな心」の花言葉は、泥水の中で美しく花を咲かせる様子から連想されました。極楽浄土の形が由来という説もあります。「神聖」の花言葉は、誕生してすぐに歩き始めたお釈迦様の足跡のお話に由来しています。「雄弁」は、雄弁で知られるエジプト神話に登場する主君および死の審判者であるオシリス神からイメージされました。 仏教と言えばタイやインドなどが思い浮かびますが、エジプトでも蓮の花は神聖なものとして扱われていたようです。ツタンカーメン王のお墓からは蓮のモチーフが施された出土品が見つかっており、このことから高潔で高貴な花として扱われていたことが推測されています。アジアの中で、これほどまでに神聖で高貴な扱いがされる花は他にないでしょう。
「沈着」の花言葉は古代中国における俗世(世俗的なこと)に染まらない君子の姿が由来で、何事にも動じない冷静沈着なイメージが「沈着」の花言葉につながったとされます。「休養」は朝に咲き始めて夕方が近付くにつれて閉じる生態が由来とされ、規則正しい様子を「休養」の言葉で表しています。僧侶は基本的に規則正しい生活を送るため、関連付くものがあります。 「離れゆく愛」は、開花時期と散り方が由来です。開花時期は4日ほどと比較的に少し短く、1枚1枚花びらを散らしていくことから消えていく惜しさをかきたてたとされます。 「救ってください」は泥水の中にいる姿が由来ですが、花側が救けを求めている意味ではなく仏教に精進する者が「あなたのように苦ゆえの悟りを得たい」という花に向けた仏教の考えが表された花言葉です。
「救ってください」「離れゆく愛」「滅亡」は、怖い花言葉かもしれません。各花言葉の由来を見てみると「滅亡」には悲観的な要素が色濃くありましたが、「救ってください」に関しては仏教の考えを基に悪い意味で付けられた花言葉ではないことが分かります。「離れゆく愛」も生態が関係しているため、怖いというよりは失うのには惜しい気持ちが強い印象です。 「滅亡」の花言葉には悲しみと共に絶望であり、惨めさと悔しさなど妬みにつながるような複雑な感情が入り混じっているため怖い花言葉とも考えられます。しかし、彼女は後に水の精霊となって静かに暮らしていることから恐れる必要はないでしょう。
清らかな印象の花言葉と滅亡などの怖い花言葉があった蓮ですが、仏教に於いては神と関連付けられる神聖で高貴な花です。沼地などで見かけることができる上に蓮根として栽培されていることもあるため日本では鑑賞できるスポットが多くありますが、自然で育つものは栽培などの理由がない限りとらずにそのまま鑑賞することをおすすめします。 種類が多く多彩なので、見かけた品種や状態によって色合いが異なって見える時もあります。数あるスポットに足を運んでみると、仏教で語られる蓮華の色を見つけることができるかもしれません。また、仏教に関係した建物などを見る時には蓮華の装飾を探してみるもの良いでしょう。
記載されている内容は2017年09月08日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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