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更新日:2024年11月09日
花には花言葉がありますが、それは良い意味のものばかりではなく、「死」や「死別」に関係した花もあります。大切な人にお花をプレゼントする際、失敗することのないように、そんな花々のちょっと切ない花言葉の由来などに触れながら、花言葉について学んでみませんか?
百合にはたくさんの種類があり、百合全般の花言葉は「純粋」「無垢」「威厳」ですが、その中で「死」に関わる花言葉を持つのが黒百合です。黒百合の花言葉は「恋」と「呪い」で、戦国武将の佐々成政(さっさなりまさ)と小百合に纏わる「黒百合伝説」に由来すると言われています。 黒百合伝説 成政は侍女の小百合を寵愛していましたが、成政があまりにも小百合を可愛がるので、小百合は他の側女たちから妬まれていました。そして成政が生死をさまよう佐良越えで留守の間、側女たちは早百合が小姓岡島金一郎と密通したという嘘の噂を広めます。それを聞いた成政は怒り狂い、真偽を確かめもせずに小百合を斬殺してしまいました。 その際に小百合は無念の怒りから、「もし立山に黒百合の花が咲いたら、佐々家は滅亡するでしょう」と呪いをかけて息絶えました。そして立山に黒百合の花は咲き、小百合の死後数年して、成政は豊臣秀吉に一揆の責任を負わされ自害することとなりました。
スノードロップの花言葉は、「希望」「慰め」ですが、「あなたの死を望みます」という意味もあります。それは、イギリスのある言い伝えに由来していると言われています。愛する恋人を戦いで亡くした乙女ケルマが、スノードロップの花を摘み横たわる彼の傷の上にそっと置いたところ、瞬く間に彼の肉体は雪の片(スノードロップ)となってしまいました。 この言い伝えにより、スノードロップは「死」を象徴する花として扱われ「希望」という意味と合わさることで「あなたの死を望みます」という花言葉になったと言われています。
アネモネの花言葉は、西洋では「期待」「見捨てられる、見放される」、日本では「はかない恋」「恋の苦しみ」「見捨てられた」「見放された」などがあげられます。アネモネは「死」を意味する花として扱われていますが、それは「アネモネの悲しい伝説」に由来すると言われています。 美少年アドーニスの神話 愛と美の女神アプロディーテーと冥府の女王のペルセポネーは、ともにアドーニスを愛していましたが、アドーニスがアプロディーテーと共にいることを望んだため、ペルセポネーはそれに不満を抱いていました。そこでペルセポネーは、アプロディーテーの恋人である軍神アレースに、「あなたの恋人は、アドーニス夢中になっている」とたきつけます。 怒ったアレースは猪に姿を変え、狩りをしていたアドーニスを殺してしまいました。アプロディーテーはアドーニスの死を大変悲しみ、やがてアドーニスの流した血から、アネモネの花が咲いたと言われています。
彼岸花は別名、曼珠沙華(マンジュシャゲ、またはマンジュシャカ)、西洋ではリコリスと呼ばれている花ですが、その花言葉には「情熱」「独立」「再会」「あきらめ」「転生」「悲しい思い出」「思うはあなた一人」「また会う日を楽しみに」などがあります。 花言葉自体に「死」を意味するようなものはないのですが、赤い彼岸花の色や形が炎を連想させることや毒性の強い植物であること、恐ろしい迷信があることなどから死や不吉なイメージの強い花でもあります。「彼岸花を家に持ち帰ると火事になる」「彼岸花を摘むと死人がでる」「彼岸花を摘むと手が腐る」などといった迷信があります。
杉の中でもイトスギの花言葉は「死」「哀悼」「絶望」です。ギリシャ神話に登場する人物であるキュパリッソスの逸話から、イトスギが死や喪の象徴とされるようになったといいます。 キュパリッソスの逸話 キュパリッソスは、ケオース島に住んでいる美少年でした。島には金色に輝く角を持った雄鹿がいて、人々にとても大切にされていました。キュパリッソスは特にこの鹿と仲良しでしたが、ある時誤って投槍で鹿を殺してしまいました。キュパリッソスはそれを深く悲しみ、神々に永遠に嘆き悲しむことを願ったところ、神々はキュパリッソスをイトスギ(悲しみの象徴)に変えたそうです。 また、イエス・キリストが磔にされた十字架は、イトスギで作られていたという伝説もあり、文化や宗教との関係が深い木でもあります。
桜の全般の花言葉は、「優れた美人」「純潔」「精神美」「淡泊」「精神美」「淡泊」です。桜の花の美しいイメージや、ぱっと咲いてさっと散ってしまう潔いイメージから、このような花言葉になったと考えられます。桜は種類によって花言葉が異なり、ソメイヨシノの花言葉は「純潔」「優れた美人」、枝垂れ桜は「優美」「ごまかし」、山桜は「あなたに微笑む」、八重桜は「しとやか」「豊かな教養」「理知に富んだ教育」です。 特に「死」を意味する花言葉は無いようですが、日本の軍歌「同期の桜」の中にも、「咲いた花なら散るのは覚悟、みごと散りましょ国のため」という歌詞があるように、桜が美しく咲いて潔く散っていく様子は、日本人の心の中に「死」を連想させてしまうのでしょう。
白バラは、キリスト教の聖母マリアを象徴する花で、その花言葉は「純潔」「私はあなたにふさわしい」「深い尊敬」です。しかしその反面、折れた白バラの花言葉は「純潔を失い死を望む」であり、萎れた白バラには「束の間の印象」、17本の白バラには「取り戻せない絶望の愛」といったマイナスなイメージの意味もあります。 結婚式のブーケにもよく使われる白いバラですが、花言葉が気になる人は、花の状態や本数でも意味が異なることを覚えておくといいでしょう。また、花言葉とは無関係ですが、病人が白いバラの夢を見ると死期が近いという言い伝えから、西洋諸国の中には、病室に白いバラを置くことを避ける伝統があります。
花言葉は、ギリシャ神話に由来するものが数多くあります。ギリシャ神話の悲しいエピソードから、死や別れを意味する花言葉を持つ花も少なくありません。アネモネ「見捨てられた」「見放された」「はかない恋」「恋の苦しみ」キンセンカ「別れの悲しみ」「悲嘆」「悲しみ」「失望」です。
記載されている内容は2017年08月29日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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