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更新日:2024年09月25日
「〜かつ〜」という表現をみなさんも一度は使ったことはありませんか?類義語も多く、混同して使用される場合も多い表現ですが、正しい使用法があります。今回は、そんな「かつ」という言葉について、詳しく解説していきたいと思います。
「正規表現」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 正規表現は、パソコンで文字列の中から指定した条件に合うものを部分的に抽出したり、置換したりする方法のことです。ワイルドカードとも呼ばれます。たとえば膨大にある顧客データの中から、○○県の▲▲という地名に住む人だけを抽出する必要があったとします。▲▲という地名は、別の都道府県にもあるので、▲▲で抽出しても必要のないデータが入ってしまいます。そんなとき、正規表現を使うと、○○県かつ▲▲、という条件を指定して抽出することができます。 また、この機能を利用して、市町村の合併があったときにも住所録を置換で最新の表記方法にすることができます。正規表現はテキストエディタやプログラミングでよく使われますが、覚えておくと便利です。
ワードではワイルドカードを使って、複数の条件をあてはめて検索することができます。 例)全国に住む顧客のうち、東京都に住んでいて、かつ天神という地名に住む人だけを検索したいとき →天神という地名は日本全国にあるので、ワードの検索画面でワイルドカードにチェックを入れて、検索ボックスに「東京都*天神」と入れます。「*」は0文字以上の文字列を意味します。これで東京都と天神というふたつの単語を条件に検索することができます。このように正規表現(ワイルドカード)は、通常の検索より複雑な検索や置換を短時間で済ませることができるので大変便利なものです。
「かつ」というのは、ふたつの行為や事柄を同時に並行させるという意味です。ふたつのうち、ひとつが欠けていたらそれは「かつ」にはなりません。「または」というのは、ふたつのうち、どちらかひとつ、という意味です。両方同時に、ということはありません。必ずひとつだけです。 日常生活において「かつ」はふたつ、「または」はひとつだけです。夏休みの宿題で「数学の問題集1冊かつ自由研究」と言われたら、数学の問題集1冊と自由研究の両方をしなければなりません。しかし「数学の問題集1冊または自由研究」と言われたら、数学の問題集1冊か、自由研究のどちらかひとつだけをすればいいことになります。このように「かつ」と「または」では明確な違いがあります。
日常生活における「かつ」と「または」では明確な違いがあるとお話しましたが、数学の世界では違ってきますので注意が必要です。数学ではよく 「AかつB」という表現をしますが、この場合は日常生活と同じです。「Aであり、しかもB」という意味です。AとBをふたつ揃えます。 しかし「AまたはB」といったら、日常で使っている「または」とはだいぶ違ってきます。数学でいうところの「AまたはB」は、Aだけ、もしくはBだけ、もしくはAとBの両方、という3パターンのことをいいます。日常生活では両方揃っていたら「または」とは言いませんが、数学の世界では「または」はふたつとも、ということもあるのです。つまり「または」は「かつ」を含む結果になります。ちょっとややこしいですね。
いかがでしたでしょうか? 今回はよく聞く「かつ」について考えてみました。日常生活のみならず、パソコンの世界や数学の世界でもよく使われる言葉ですが、ところ変われば使い方も変わるものですね。法律用語になると解釈が複雑になることもありますが、契約書を読んだり作成したりするときには、間違えないよう、十分注意したいものです。
記載されている内容は2017年05月30日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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