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「当該」の意味と使い方とは|該当の違い・当該を含む語句の使い方

更新日:2024年01月17日

言葉の意味・例文

ビジネスシーン、日常生活の公式なスピーチや文章でみかける「当該」という言葉について、意味や使い方、似ている言葉「該当」との使い分けなどについて解説します。公式な場面で使う言葉「当該」だからこそ間違いなく使い回して、品格のある文章をつくりましょう。

「当該」と「該当」の違い

「当該」と「該当」は、条件や内容・状況が先に述べられていることが前提で、繰り返しを避けるために使われるのは同じところなのですが、違いをまとめると以下のようになります。 「当該」は、先に述べられた内容に限定したものを指す場合、後ろには名詞をつけ「当該○○」と使われます。「当該○○」でひとつの名詞のように扱うことができます。 「該当」=先に述べられた条件と同様のものも含めた複数を指し、後ろには「する」をつけて「該当する○○」と使うのが一般的です。後ろに名詞を直接つけた、動詞を省略した「該当○○」との使い方もあります。

置き換えでわかる使い分け

名詞的な使い方の「当該」と動詞的な使い方の「該当」の、具体的な使い分けを例で見てみましょう。 自動車メーカーの△△社は、同社が販売するSUV車のブレーキに不具合の可能性があることを発表した。 (中略) △△社は「○○車種」の所有者に対し、近くの△△社販売店での無料点検を呼び掛けている。 「当該車種」とした場合には、中略部分に単語が入る、車の場合には限定的な車種が入ることが考えられます。 「該当車種」とした場合では、意味は通じますし間違いとは言い切れませんが、謝罪文として省略した形よりも「該当する車種」とするのがよりよいでしょう。もしくは、「リコール対象の車種」と言い換えることもできます。「該当する車種」とすると、中略部分には「どんな車種がリコールに当てはまるかの条件」が直前に入るはずです。「○○年以降の車種」や「○○の部品を使用している車種」「○○のオプションをつけている車種」など条件になるでしょう。

当該を含む語句の意味と使い方

よく使われる「当該」を含む語句で、さらに詳しい意味と使い方を解説します。

当該者

"受講者の個人情報を取り扱うに当たって、当該者の権利及び利権を侵害することのないような管理及び運営を行うこと。" 「当該者」は、話題になっている物事に直接関係する人のことを指しています。また、申請などにおける本人のことをいう場合もあります。当該者の類語は、対象者・当事者・当人・本人・渦中の人などがあります。例での「当該者」は、直前に述べられている「受講者」を限定して指しています。類語との置き換えも可能ですが、「当該者」を使うことで重要性と正確性、その場面に相応しい堅苦しさ=厳格さを高められています。

当該国

ウィーン交通条約しか締約していない国では、日本発給の国際運転免許証は原則として効力を有さないし、当該国発給の国際運転免許証を所持していても日本国内では運転できない。

この場合の「当該国」も、世界中にたくさんある国の中から、すでに述べられている、もしくはリストとして国名を挙げた「ウィーン交通条約しか締約していない国」を指し示しています。

当該企業

企業のある活動が、当該企業の全体の利得に対する貢献の程度について検討すべきです。

文章中の「当該企業」は、直前の「企業」を受けており、ある活動をしている企業のことを指しています。

ビジネスシーンでは、当該と該当を使い分けよう

「当該」と「該当」は普段はあまり使うことがないので、正しい使い分けを身につけるチャンスが少ない言葉です。しかし、ビジネスシーンでは意味やニュアンスの違い、使い方によっては、誤解を招くことがあるかも知れません。また、気持ちを伝えるべき重要な場面で誤用してしまうと、さらに事態が悪くなってしまうことも考えられます。特にビジネスシーンでは、普段は何気なく使っている言葉でも、気になった時には意味もニュアンスもしっかり確認するのが大切です。ビジネススキルのひとつでもある文章力、語彙力を鍛えていきましょう。

初回公開日:2017年05月31日

記載されている内容は2017年05月31日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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