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更新日:2024年07月28日
「ほうれんそう(報・連・相)」はビジネスの基本です。その中でも、「報告」が一番多い機会でしょう。「(取り急ぎ)ご報告まで」のフレーズをよく使いませんか? しかし、略したフレーズは使い方に注意が必要です。「ご報告まで」の意味、使う場合の注意点などをまとめます。
目次
まずは「報告」そのもの意味を確認しましょう。報告とは、“告げ知らせる、特に、任務・調査などを行った情況や結果について述べること。また、その内容。”との意味があります。完了した件について知らせるのが、「報告」であり、報告するのは、部下から上司または後輩から先輩への流れになります。上司から部下、または先輩から後輩へは「連絡」になります。
一般的に使用されている「ご報告まで」の場合、意味が3通りで使われている傾向があります。 1. 拝啓と敬具の場合の敬具のように、知らせたい事項のあとに「ご報告まで。」と慣例的に使う場合 2. 完了した事項に関し、結果のみの知らせで経過は省く、または経過と結果が書かれていても結果に主に伝えたい場合 3. 報告するに値する件かどうか自分では判断できない、または些細な事項に関してなので、一応知らせておきたい場合 定型文句ともいえる一言なので、あまり意味を深く考えずに使う人も多く見受けられます。 文末の締めの言葉として使われることが多い「ご報告まで。」は、会話では使われず、メールなどの文章に使われます。 例 ・指示された書類は訂正し、先方に再送いたしました。ご報告まで。 ・先日お願いしていましたカタログが届きました。お礼かたがたご報告まで。
「取り急ぎ」には、“とりあえず急いで、さしあたって”の意味があります。「取り急ぎご報告まで」は、「取りあえず急いでこの報告だけはしておきます」との意味で、本当に至急知らせたい要件の際に使用する言葉です。いつも使える言葉ではないのです。しかし実際には、「ご報告まで。」と同じように、定型文句として文末に使われる場合やたいして緊急でもないのに使用されている場合も見受けられます。 「取り急ぎ」という言葉がついているので、「ご報告まで。」と違うのは、上記の1、3の意味では使われない傾向にあります。 例 ・本日、〇〇株式会社から内定通知が届きました。取り急ぎご報告まで。 ・明日のミーティングは10:00からに変更になりました。とりいそぎご報告まで。
「ご報告まで。」に限らず、言い切りの形「~まで。」には、ぶっきらぼうな印象や相手を拒絶する感じ、選択権や決定権が自分側にあるような印象を与えてしまう可能性があります。また、「取り急ぎ」などの前置きがない場合には、詳しいことを省略している=面倒がっている、軽くみられていると感じて、相手への敬意が足りないと不愉快に思う人も少なくありません。特に「報告」は、目下から目上へのお知らせなので、気をつけたいところです。
「ご報告まで。」は、すでに「報告」に「ご」がついた丁寧な表現です。しかし、丁寧であるのに敬語表現に値しない理由は、「~まで。」の言い切りの印象でしょう。まずは、この言い切りの形をもっと柔らかく丁寧な表現に言い換えして、相手に本来の意味を伝えることが大切です。
・ご報告いたします。 ・ご報告申し上げます。 ※ご報告させていただきます。 敬語の二重表現には当たらず、慣例として通用する表現です。 「ご報告まで。」の意味として紹介した2の使い方で経過の報告は併記していない場合には、 ・ご報告のみで失礼いたします。 としてもいいでしょう。 また、3のように、自分では報告に値するか判断がつきかねる場合には、 ・念のため、ご報告いたします。(ご報告させていただきました。) とするといいのもいいかも知れません。
言い切りの形で、よく考えればぶっきらぼうなイメージもある「取り急ぎご報告まで。」は、丁寧なつもりであまり深く考えずに文末に加える人も多いでしょう。ただ、いい印象を受けない人も多いことを考えると、丁寧にしたい気持ちが相手にきちんと伝たわらない可能性もあるということです。気持ちが伝わりやすい言葉遣いに直しましょう。 ・取り急ぎご報告いたします。 ・取り急ぎご報告申し上げます。 言い切り型でないだけで、誤解を与えにくい表現になります。 さらに丁寧な表現にしたいのであれば、「取り急ぎ」を「まずは」に言い換えるといいでしょう。より丁寧で柔らかいニュアンスになります。 ・まずはご報告いたします。 ・まずはご報告申し上げます。
記載されている内容は2017年05月22日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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