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引用文献の書き方・参考文献との違い・スタイル別の記載方法

更新日:2024年09月25日

書類の書き方

引用文献の必要性と、記載に関するルール2点と日本とアメリカの著作権法の違いも示し、引用文献の基礎をお話しました。その上で、心理学研究の実例を示すと共に、引用文書検索に役立つ、情報データベース2サイトと、Microsoft Wordの機能についてもお話しました。

引用文献とは

引用文献とは、論文やレポートを作成する際に、自身の説の論拠となった考え方や研究成果を記した文言を引用した文献のことです。では何故、引用文献あるいは参考文献が必要なのでしょうか。研究活動というのは、全てこれまでの先人たちの研究等の上に成り立っているといえます。その上で、現代の我々が自説を主張する際、引用文献・参考文献を明示して、どこまでが先人の業績で、どこからが自身の業績かを明確にして、先人への敬意を表すことになるからです。 なお、引用文献・参考文献を明示することなく、あたかも自身の業績であるかのように書くのは、無断引用となり、最悪の場合「剽窃」とみなされてしまうかもしれません。このほか、引用文献・参考文献を明示するにしても、論文やレポートを読んだ人が、そこに示された引用文献や参考文献に、作者同様にアクセスできなければなりませんから、引用文献・参考文献を記述する際には、文献についての情報(書誌情報)を十分に記載する必要があります。

引用・参考文献の記述方式

本文中で、引用文献・参考文献を明示する際のスタイルは、大きく分けると2つあります。 ハーバード方式 著者の姓と発行年に基づいて記述し、文献リストを著書順に列挙する方式です。 例 <本文側> 例)著者名.論文名.雑誌名.年号;巻号:ページ数 ハーバード方式はdward Laurens Markによって考案された(Chermin 1988,.1062) <参考文献の章> Chernin, Eli (1988), “The “Harvard system”: a mystery dispelled”, BMJ : British Medical Journal 297 (6655): 1062-1063 バンクーバー方式 引用文献順に番号を振って、文献リストを引用番号順に列挙する方法です。 認知症患者は◯◯だと言われている(1)。認知症患者の◯◯は、△△だとする報告もある(2)。 <参考文献の章> 例)著者名.論文名.雑誌名.年号;巻号:ページ数 1)Tanaka S, Honda I, Kiritani M. Stroke is 〇〇. Study channel. 1998;130:661-70. 2)Takata S, Endo M, Nakai T. 〇〇 of Stroke is △△. Study channel. 2007;110:532-63.

引用・参考文献の記述スタイル

文献リストにおいて、引用文献・参考文献の情報(書誌情報)を記述する際には、色々なスタイルがあるので、それぞれの投稿規定等を参照の上、適切なスタイルで記述してください。以下に、代表的なものを記載しますので、これらを基にアレンジを加えてください。 ー The Chicago Manual of Style (シカゴスタイル)  人文系(歴史学・語学等)でよく用いられるスタイルです。 ー SIST 02  主に日本語を対象にした引用・参考文献の書き方です。 ー NLMスタイル  医学・生物学分野でよく用いられるスタイルです。 ー ACSスタイル  ACS(アメリカ化学会)で定められたスタイルで、化学分野でよく用いられています。 ー IEEEスタイル  IEEE(電気電子学会)で定められたスタイルで、電気・通信・電子・情報工学分野でよく用いられています。 ー APAスタイル  APA(アメリカ心理学会)で定められたスタイルで、社会科学分野(心理学・社会学等)でよく用いられています。 ー MLAスタイル  MLA(アメリカ現代語学文学協会)で定められたスタイルで、人文系(文学・言語学・哲学等)でよく用いられています。

リストに書いてある引用・参考文献を探す方法

引用文献・参考文献は、色々なスタイルに準じて記述されていますが、書かれている項目は、ほぼ共通しています。ある程度の経験があれば、文献を探すのに必要な以下の項目を読み取ることができるので、それら引用文献を使って、図書館では、レファレンスデスクに相談するとよいでしょう。 文献検索主要項目 ・論文名・書名 ・著者名・編集者名 ・掲載誌名・掲載書名 ・掲載巻号 ・掲載ページ ・発行日付 ・URL

引用・参考文献記述の注意点

引用文献の引用文は、原文を一言一句、正確に記入しなければなりません。旧字を新字に変更したり、句読点を変更したり、削除したりすることはできません。 短い引用文の場合 必ず文の最初と最後を引用符(” ”)でくくります。 著者(著者名)は、”引用文(掲載ページ)”と述べている。注の番号) 例 山崎氏は、”レポート作成の際は、ほかの意見も参考にすべきだ。”と述べている。1) 引用文献からの引用が短い場合には、上記のような書き方で良いでしょう。 引用が短い場合と長い場合では、記入の仕方が違うので注意しましょう。 引用が長い場合は、その章もしくは、論文・レポートの最後に、出典を記載します。また、図書と雑誌論文とでは、記入する内容が少し違うので注意しましょう。 図書から引用した場合 1)著者名、書名、版表示、出版地、出版社、出版年、掲載ページ 雑誌論文から引用した場合 1)著者名、論文名:副題、誌名、巻数、号数あるいは通巻、出版年月日、該当ページ

引用文献の実例

引用文献・参考文献を用いるのは、論文、レポート作成の時ですが、分野によって記載方法も少しずつ異なっています。 今回は「心理学研究」における論文作成における引用文献・参考文献の記載についてお話していきます。 論文は自身の研究成果を公開し、評価してもらう為の手段です。 その為に、特に学生は各分野の基本ルールを守って執筆する必要があります。いくら素晴らしい内容の研究論文を書いたとしても、マニュアル通りに書かれていなければ、評価されないばかりか、読んでももらえないのが現実です。 「心理学研究」における論文作成においても、基本ルールが存在します。 基本的なルールについては、参考・引用文献を数多く読んでいれば、それらをモデルに真似することで、スキルを取得することもできます。 さらに、「心理学研究」に投稿する場合は、日本心理学会の「執筆・投稿の手引き1991年版」(”執筆・投稿の手引き”改訂委員会、1991)に従わなければなりませんし、それ以外の心理学系の学会誌の場合も、それぞれのマニュアルに準拠するように要求されることが多いのです。 ところが、このマニュアルは、実験・調査系の論文作成には適しているが、臨床・実践系には適していないという面もあるし、現在ではなくてはならない、インターネット上の資料の扱いについては、何も書かれていません。こうした不足分を補う為にも、引用文献・参考文献の記述の方法についてお話します。 ●本文中における著者名の表記 本文中では、著者名(年号)または(著者名、年号)と記載し、外国人は原則としてアルファベット表記にします。同性の著者が複数いる時は混同を避ける為に、日本人には名前を、外国人には名前のイニシャルを添える方がよいでしょう。また、2名の共著の場合には、日本人は・(中黒)、外国人には&(安堵)で両名の姓を書きます。さらに、著者が3名以上になれば、初出の時には著者全員の姓を挙げますが、2回目からは筆頭著者の姓を挙げたうえで、日本人では「他」、外国人では「et al.」を添えます。 ●直接引用の書式 直接引用とは、原著論文の文章をそのまま本文中に示すことをいいます。自分の言葉で表現するとかえって長くなったり、言い換えると原著者の真意が伝わらない、原著の表現そのものが重要な場合などに利用しますが、あまり長文にならないように注意しましょう。直接引用する場合は、引用記号「」の中に原文をそのまま正確に書き写す。少し長い引用は「」をつけずに独立した段落として、各行の先頭を数文字書くと良いでしょう。 そして、必ず出典及び引用ページを明記します。たとえ、原文が間違っていても、そのまま記載しましょう。 ●間接引用の書式 間接引用とは、原著論文の要旨や内容をまとめたり、執筆者の文章に直して表現することです。

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初回公開日:2017年04月13日

記載されている内容は2017年04月13日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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