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更新日:2024年07月26日
「思う」の敬語表現はご存知ですか。本記事では、「思う」の敬語表現について詳しく解説しています。尊敬語・謙譲語・丁寧語の基本についても触れているので、敬語についての理解を深めたい方や敬語に自信のない方、コミュニケーション能力を磨きたい方は参考にしてみてください。
社会人として生きていく上で、正しい敬語を使えることは基本中の基本です。ただ敬語はなかなか理解しきれないほど複雑であることも事実で、「自分の敬語は正しい」と胸を張って言える方は多くないでしょう。 本記事では、数ある敬語表現の中でも使用頻度の高い「思う」の敬語について解説していきます。 記事をご覧いただくことで、「思う」の正しい敬語表現について詳しく知ることができます。また、敬語の基本である「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」についても解説しているので、敬語に対する理解を深めることができます。 正しい敬語を身に付けられると、ビジネスにおいて自信を持って振る舞うことが可能です。敬語を上手く使いこなして、社会人としてのレベルアップを図っていきましょう。
他の敬語同様、「思う」にもさまざまな敬語表現があります。 敬語表現の難しさは、状況や相手の立場によって言葉が変化することです。その変化のパターンを、「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」と呼んでいます。「思う」という通常の形に加えてこれらの3つのパターンを使い分ける必要があるので、苦手な方も多いようです。 「思う」という言葉を使うときは、当然ながら自分の考えを表明する場面です。適切な敬語表現を使わないことによって敬意が伝わらなければ、相手に不快感を与えてしまいかねません。 また敬語表現の誤りによって、自分の考えを誤解されてしまう可能性もあります。思わぬトラブルを招かないためにも、「思う」の敬語表現はしっかり把握しておくべきでしょう。 ここからそれぞれのパターンについて解説をしていきます。「思う」という1つの言葉に限らず、「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の使い分けは敬語の基本です。どういう状況でどのパターンを使うのかをしっかり把握して、日々のコミュニケーションに活かしましょう。
まずは尊敬語について簡単に説明します。 尊敬語とは「相手を高めることによって敬意を表す言葉」です。この説明だけだとわかりにくいという方は、「相手の動作に対して使う言葉」であることも合わせて覚えておきましょう。 「思う」の尊敬語として、「思われる」があります。これは「思う」という動詞に尊敬の意味を持つ助動詞の「れる(られる)」が付いた表現です。この助動詞「れる(られる)」を付ける方法は基本ですので覚えておきましょう。 また、「お思いになる」という表現もあります。動詞に「お~になる」を付けることで尊敬語を作ることができるので、「思う」以外の動詞についても応用することができます。尊敬語の基礎知識として覚えておきましょう。 「思われる」と「お思いになる」はどちらも尊敬語ですので、基本的にどちらを使っても構いません。 ただ、上述した「れる(られる)」は尊敬の意味の他に「受け身(~される)」や「可能(~することができる)」、「自発(自然とそうなる)」などの意味も持つ多義語です。 「れる(られる)」を使うことによって受け身や可能、自発など違った意味に受け取られてしまう可能性があるときには、「思われる」を「お思いになる」に言い換えた方がいいでしょう。
「思う」の尊敬語は先述したように「相手の動作に対して使う」表現です。誤って自分の動作に使わないよう注意しましょう。また、「思われる」はさまざまな意味を持つため、相手に誤解を与えないよう使う場面を見極めることが重要です。 以下に例文を記載しますので、参考にしてみてください。
「思う」に限定した話ではありませんが、敬語を使う際の注意として「二重敬語」の問題があります。二重敬語とは、1つの言葉に同じ種類の敬語を2つ(以上)使うことです。「尊敬語+尊敬語」や「謙譲語+謙譲語」が該当します。丁寧語は重ねても問題ありません。 例えば「お思いになられる」という尊敬語は誤りです。「お思いになる」という尊敬語に、さらに「られる」という尊敬の助動詞が付いています。尊敬語が二重になっているため、適切ではありません。 「お思いになります」のような「尊敬語+丁寧語」であれば問題ありませんが、「お思いになられる」のような「尊敬語+尊敬語」は誤りとなってしまうので注意が必要です。 このことからもわかるように、二重敬語を避けるためにはそもそも尊敬語と謙譲語が何かを把握していなければなりません。敬語は言葉の数だけ存在するため全てを把握することは困難ですが、よく使う言葉は敬語のパターンを知っておくことが大事です。
謙譲語は「自分がへりくだる」「自分の立場を落とす」表現です。「自分(もしくは自分側に所属する人)の行為に対して使う」ということを覚えておきましょう。 「思う」の謙譲語は「存じる」や「存じ上げる」です。一般的には丁寧の意味を持つ助動詞「ます」と組み合わせて「存じます」「存じ上げ(ており)ます」という使い方をすることが多いです。 相手にかしこまった印象を与えるので、普段はあまり使わない方もいらっしゃるかもしれません。しかしビジネスにおけるメールや手紙では格調の高い文面を演出することができます。状況に合わせて賢く活用しましょう。 また、「存じる」が人や物、出来事など何にでも使えるのに対して「存じ上げる」は人に対してのみ使えるという点に注意する必要があります。「上げる」という言葉が入っていることからもわかるように、「自分が知っている対象(人)」への敬意が含まれています。 さらに「存じ上げる」は思うというよりは「(人のことを)知っている」という使い方をすることが多いでしょう。 次の章で例文を示しますので、使い方をしっかり把握しておきましょう。
以下に例文を示します。先述したように、謙譲語は自分(または自分側)の動作に対して使うものなので、相手の動作に対して使わないよう注意が必要です。 また、謙譲語は自分だけでなく自分側に所属する人に対しても使う言葉です。たとえば取引先の相手とやりとりをしているとき、「(自社の)課長もその件について問題ないと思われています」と尊敬語を使わないようにしましょう。 課長は自分側の人であるため、正しくは「課長もその件について問題ないと存じております」と答えるべきです。 加えて、「存じ上げる」を人以外の対象について使わないようにすることも注意しておきましょう。
謙譲語を使う際には、多用し過ぎないよう注意が必要です。相手に対して敬意を示そうとし過ぎるあまり、かえって言いたいことが伝わりにくくなってしまうことがあります。 例えば、よく使われる表現として「~させていただきたく存じます」という言葉があります。「させていただく」は「する」の謙譲語、「存じ」は「思う」の謙譲語、「ます」は丁寧語です。 つまり意味としては「(自分が)~したいと思います」という単純なことですが、謙譲表現を多用した結果まわりくどい表現になっており、意味が伝わりにくくなってしまっています。 もちろん「~させていただきたく存じます」は敬語表現として誤った表現ではありません。ただこの場合は「~したいと存じます」にとどめたりするなど、あまり敬語表現を重ねすぎないよう注意しましょう。
記載されている内容は2022年11月09日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。
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