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間違えやすい敬語「ご入用」の意味|ご入用を使った文章の使い方

更新日:2024年07月25日

敬語表現

「ご入り用」という語、よく聞くようでいてその正しい使い方を知らない人が多いのではないでしょうか。丁寧な言葉遣いを心掛けているつもりで、相手に失礼になってしまうなんてこともあります。「ご入り用」、きちんと使えるようになって、大事な仕事相手に使ってみましょう。

次に、「ご入り用」の間違った用例を見てみましょう。最近ではビジネスシーンでもこの種の誤用が散見されます。間違って覚えていたという人はこの際覚え直してください。 ・「何かありましたら、弊社へご入り用ください」 何かあったら、わが社をお願いします、という意味で使おうとしているのでしょうが、本来は「弊社へご用命ください」というべき箇所です。「ご用命」とは、「ご入り用」と違って、(相手が自分に向かって)用事を指示するとか、命令するという意味です。 この語もよく耳にする言葉で、たとえばCMなどで、「ご用命の際は、(電話番号)までお電話ください」などのセリフが使われたりします。 たしかに、もし必要なものがある場合には相手方はその旨を指示するので、これらの語を使うシーンは似ていて、そのせいで混同されたのでしょう。この際ですから、「用命」もセットで覚えましょう。さらに、意味から考えて、漢字も「要り用」と書いたりしてはいけません。キーボード入力の際はよほどのことが無い限り変換ミスをすることはないでしょうが、手書きの場合には間違えてしまいそうですね。以上のことには気を付けて書きましょう。

「ご入り用」の「間違っていない」用例

ここで、誤解のないように「間違っていない」使い方を言っておきますが、この「ご入り用」は、別に「ご入用」と書いて「ごにゅうよう」と読んでも間違いではありません。ただし、意味にもさして違いがあるわけではないのですが、どちらかといえば「ごいりよう」と読む方が一般的な気がします。おそらく「要る」という語から音が連想できるために、「必要」という言葉との親近性が高いのでしょう。しかしどちらを使っても間違いとは言えません。 このことを知っておくのは重要で、たとえば相手や同僚などのビジネスパートナーがこの言葉を使ったときに、「それは間違っているよ」と指摘してしまうことのないように気を付けましょう。言語はどんどん誤用で変わっていくものとはいえ、すぐあとでお互いに赤っ恥をかいてしまうことになるかもしれません。

他の用法

ちなみに、この語にはほかの用法もありますので、ビジネスシーンではあまり見かけないものの、以下の二つも一緒に覚えておくといいでしょう。 ・「このお金を、開業準備のための入り用にしようと思う」 この場合は、「入り用」とは経費・費用を意味しています。しかし、経費の説明の際などに、相手に必要なものと誤解されないためにもこの用法での使用は避けた方がいいかもしれません。もう一つの用法が以下となります。 ・「ここがこの文章の入り用だ」 この場合、「入り用」とは「重要な箇所」のことを指します。めったに見ない用法ですが、昔の小説を読んだりすると出てくることがあるようです。やはり「入」は「要(る)」と同じ音だと言うだけではなくて、同じ用法で使うことがあるのですね。

明日にでも使える「ご入り用」

いかがだったでしょうか。意外と身近なシーンで使える「ご入り用」という語。サザエさんの「サブちゃん」の使い方を学ぶことで、営業スキルが一段二段アップするのではないでしょうか。ビジネスシーンのイディオムを増やすことで、「ちょっとできるやつ」の印象を与えておくのは、これからの信頼関係を構築していくうえで重要なことです。ただしい日本語を使えるようになって、明日のチャンスをゲットしましょう。今回の「ご入り用」も、頭の中にきちんとストックしておけばここぞというところで役に立つことでしょう。

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初回公開日:2017年03月15日

記載されている内容は2017年03月15日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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