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更新日:2024年08月18日
映画や演劇などで見る中世ヨーロッパの服装は、誰もが憧れるものです。中世ヨーロッパとは5世紀〜15世紀を指し、ゆったりしたチュニックを代表とした、優美な衣装を人々は身にまとっていました。中世ヨーロッパの服装を、くわしくご紹介します。
中世ヨーロッパとは、古代ギリシャ・ローマが衰退し、ゲルマン民族が台頭してきた時代を指します。 西洋では古代ー中世ー近代と大きく3つに分け、5~10世紀あたりを中世前期、11~13世紀を中世盛期、14~15世紀を中世後期とし、ルネサンスや宗教改革以降を近世とする時代区分が主に使われています。
中世ヨーロッパでは、厳然と身分が分けられていたため、服装も貴族と庶民ではかなり違います。 貴族と庶民では、生活も習慣も異なるため、服装も異なりました。服装を見れば、その人の身分がわかるようになっていたのです。 それでも、貴族階級で流行したファッションが、徐々に庶民層の服装にも取り入れられたりと、影響を与える部分も多くありました。
間違える方も多いかと思いますが、実はマンガ「ベルサイユのばら」(池田理代子作/集英社)は、中世ではなく近世ヨーロッパを舞台にした作品です。 同じく、きらびやかなドレス姿で映画やマンガなどに登場する「マリーアントワネット」も、近世です。 中世か近世かを見分けるポイントとしては、コルセットとかつらです。コルセットとかつらが流行したのは、近世以降になります。
それでは、中世ヨーロッパの服装を、貴族の男性や庶民の女性といった、階級と性別にわけて、特徴をご紹介していきます。 より詳しく知りたい方は、文庫サイズで読みやすい「マールカラー文庫18 中世ヨーロッパの服装」(A.ラシネ著/マール社 )などの書籍も、です。
中世ヨーロッパの貴族男性は、美と権力を服装でも表しており、上質な布地に金銀の刺繍や、貴金属や宝石などの派手な装飾が流行しました。 中世前期はローマの影響が濃く、ゆったりとしたガウンをまとったスタイルでしたが、徐々に上着が短くなり、チュニックにぴったりとしたタイツのようなショースを身につけるスタイルに変わっていきました。 その後、プールポワンと呼ばれる上着が流行り、庶民層にも浸透していきました。
貴族の女性も、きらびやかで優雅なドレスを身にまとっていました。 主なスタイルはタイトなワンピース型のドレスで、ひだ付きの襟やボタン、宝石などの装飾にも凝っていました。 また被り物も、身分や地位を表していました。房飾りやヴェールなどさまざまな装飾がなされ、その後の派手な帽子やかつらのスタイルにつながっていきます。
中世ヨーロッパの庶民の男性は、動きやすさを重視した服装をしていました。ズボンにズボン下、チュニックにマントといったスタイルが主流です。 ドレスや装飾は身分の高い一部の人間にしか許されておらず、服装にかけるお金もなかったため、庶民はシンプルな服装が主でした。
記載されている内容は2020年01月11日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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