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【業界研究】スポーツ用品業界の現状・動向・課題について

更新日:2024年07月11日

業界・企業研究

就活を始めたみなさんは、応募する会社の業界研究はしっかり行えているでしょうか。業界研究を怠ると、入社後にイメージのギャップが埋められず、苦労する方が多いようです。

市場動向

オリンピックという一大イベントが2020年に東京で開催されることで、その波及効果としてスポーツ用品業界は盛り上がりを見せています。

さらに、スポーツ用品業界は時代のニーズともいえるファッション性を高めることに成功し、若者を中心にスポーツ用品アイテムを普段着のファッションに取り入れる傾向が年々増加しています。

ファッション面だけでなく、スポーツ用品はITとの親和性が高いため、業界全体でITとの掛け合わせを行うことによって、新しいサービスを次々と生み出しています。

このような従来の価値観や枠組みから一歩抜け出し、新しい分野へと進出を推進しているスポーツ用品業界は、マイナス要因よりもプラス要因の方が多く、今後の伸びしろのある業界と言えるでしょう。

業界の課題

昨今のフィットネス、ランニング、アウトドアなどのアクティブな趣味や健康志向を背景に、スポーツ用品業界はこれからも業界は微増ながらも拡大してくことが予想されています。

しかし、ブームに乗じて内需に甘えていると、業界全体が沈んでいくことは火を見るよりも明らかです。人口減少、高齢化に直面している日本のマーケットだけを頼りにはできず、より積極的に海外に目を向けて展開をしていく必要があります。

日本のメーカーはブランディング力が弱いので、海外でどのようなPRをして、良さを打ち出していくかが課題として掲げられています。商品の質としては日本ブランドだけあって非常に良いものを作っているのですが、デザインやサービスがローカライズできていません。

また、マーケティング力が弱いため、顧客に適切なアプローチができていないメーカーが多くあります。市場を海外に求め、いかに世界の有名ブランドと勝負していくかが今後の課題となっています。

業界の今後の将来性

スポーツ用品業界の売上自体は堅調に伸びてきているので、直近の将来性は明るい業界と言えます。欧米では前々から習慣として取り入れている方が多いフィットネスも、日本で盛り上がりを見せてきているので、それに付随して用品の売上もあがり、業界の規模は微増していく傾向が見られます。

しかし、ランニング、筋力トレーニング、ヨガなどのフィットネスは、簡単に始められる分、すぐに飽きてやめてしまう人も多いのが現状です。

これまではフィットネスを始めた人に対して、継続させて習慣までにさせるための仕組みが不足していましたが、スポーツ用品をIT化させることによって、飛躍的に改善がされてきています。

例えば、スマートウォッチを展開しているエプソンや海外メーカーのガーミンなどは、ランニングの軌跡をGPSを利用してレコーディングし、その内容をスマホと連携させることによって走り続けるモチベーション維持をランナーに提供しています。

このランニングウォッチでは、走行距離、1Kmごとのペース、心拍数、消費カロリー、ステップ数、上下運動幅など、様々な数値をレコーディングして、スマホで見ることができます。

また、仲の良い友達とレコーディングした数字をシェアできるようになっているので、お互いを励ましあったり、モチベーションを高めあって、フィットネスを継続的に行わせる仕掛けを色々とリリースしているのです。

インドをはじめとした多くの人口を抱えるアジア諸国は、これまで後進国と呼ばれる国でしたが、これからは経済成長を遂げて先進国の仲間入りをしてきます。 そういった国々が、ある程度裕福に暮らせるようになると、健康志向が高まり、運動に目を向ける人が増えます。

欧米とは比較にならない人口が運動を始めることを考慮すると、このスポーツ用品業界はますますチャンスの広がる業界と言えます。

これまでのスポーツ用品業界は、物販とスポンサー活動がメインの事業でしたが、ITなどのテクノロジーと掛け合わせることによって、新しい分野の開拓をしています。また、先細りが顕著な内需を頼りにせず、海外に積極的に打って出ているメーカーも多く、今後の展開が楽しみな業界と言えます。

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