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【業界研究】不動産業界の現状・動向・課題について

更新日:2024年07月11日

業界・企業研究

不動産業界とは、その名の通り不動産で収益を得る業界のことです。不動産とは主に法律で用いられる概念であり、多くの場合において土地とその定着物を指すことが多いようです(民法86条)。

仕事内容

不動産の販売、売買や賃貸の仲介に従事する不動産会社には免許が必要になっています。これは宅地建物取引業(宅建業)免許と呼ばれるもので、これにより不動産会社は従業員5人に1人の割合で宅建士を設置する義務を負うことになります。

宅建士の主要業務は「重要事項説明書」の読み上げになります。「重要事項説明書」とは読んで字のごとく、対象不動産に関する重要な事項がすべて書き込まれた書類です。つまり、これをきちんと消費者に説明することで、適正な運営と流通の円滑化および消費者保護をはかっているのです。

1:三井不動産:1兆5,679億円 2:飯田グループホールディングス:1兆1,881億円 3:三菱地所:1兆1,102億円

1:ヒューリック:1,267万円 2:東急不動産ホールディングス:1,212万円 3:ランドビジネス:1,184万円

オフィスビルの建設が相次ぐ

東京の都心部で、大規模なオフィスビルの建設が相次いでいます。これは、国が都心部の主要地区を国家戦略特区*と指定したためで、とくに東京オリンピックが開かれる2020年までのうちにオフィスビルが大量に建設される見通しとなっています。

三井不動産の日本橋再生計画、三井不動産や東京建物による東京駅前の高層ビル開発、森ビルや森トラストが虎ノ門地区に相次いで建てている超高層ビルと、これらはすべて特区地域が中心となっています。

*国家戦略特区とは、第2次安倍内閣において、地域振興と国際競争力向上を目的に規定された経済特区のことで、アベノミクスの成長戦略の柱として掲げられています。この地区に独立政府のような主体性を持たせることで従来の規制を大幅に緩和し、外国企業を誘致する狙いがあります。

大手が都心部で飲食ビル建設

大手不動産会社が都心部で外食テナントを中心とした商業ビルの開発を進めています。野村不動産は、飲食店をメインとした都市型ビル「GEMS(ジェムス)」を渋谷、市ヶ谷、大門に続き、神田に開業しました。

GEMSは、周辺のオフィスワーカーや住民に新たな食や空間の提供を目指し、2020年までに都心の駅前を中心に20ヶ所まで拡大する計画となっています。

また、東京建物は、2016年に飲食店を中心としたテナントビル「FUNDES(ファンデス)」を水道橋に続いて、神保町に開業。FUNDESは20〜40代の働く女性をターゲットにしており、カフェや居酒屋など女性のニーズに合わせた店舗を入居させています。

同社は、シリーズ第3弾として上野にも開発を予定しています。都心のオフィスビルの供給は進んでいますが、働く女性を対象にした外食施設は少なく、両社は安定した賃料を見込める商業不動産事業により収益源の多様化をはかろうとしています。

住宅数は増加傾向にあり

国土交通省の「建築着工統計調査報告」によると、新設住宅着工戸数は3年連続で増加しています。持家は前年比2.7%増、借家は前年比15.3%増、分譲住宅が前年比1.8%減となっています。

市場動向

地価は都市部が上昇、地方は低下

2015年に国土交通省が公表した公示地価によると、金融緩和政策と円安による海外マネーの流入もあって全国的に地価は上昇しています。とくに、東京、大阪、名古屋の3大都市圏では上昇が顕著になっています。

ただし、地方の場合は、地価の大きな下落はないものの、依然として低空飛行を続けており、今後も都市部と地方の二極化の状態は変わらないと推測されます。

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